アイスランド南部には、小さな村であるヴィークがあります。この村はアイスランド全土ではかなり小規模な集落で、人口も僅か数百人程度です。
しかし、ヴィークはアイスランド南部を観光する際には欠かせない好立地にあり、周囲には人の手が加わっていない豊かな自然スポットも多数あります。
そのため、今回はアイスランドのマイナーな集落でありながら、観光資源に恵まれたヴィークについて紹介していきます。
アイスランド最南端の村
アイスランドの最南端には、ヴィークという名前の村があります。正式名称はヴィーク・イ・ミールダルで、首都レイキャビクから東に180km以上離れた僻地に位置し、人口は約300人です。
アイスランドの人口は約30万人で、そのうちの7割が首都レイキャビクに住んでいます。そのため、ヴィークの人口300人は、レイキャビクと比べると非常に小規模な集落と言えます。
しかし、ヴィーク周辺は豊かな自然景観に恵まれており、例えば村のすぐ手前には大西洋に面した海岸線が広がっています。
また、ヴィークは最南端に位置するため、同じくアイスランド南部にある観光名所へのアクセスも良好であり、宿泊地として利用する人も少なくありません。
教会やお店、宿泊施設も充実
ヴィークは普段は300人ほどが暮らす小さな村ですが、各地から観光客が訪れるため、設備は充実しています。宿泊施設はもちろん、カフェやレストランも利用できます。
さらにヴィークのシンボルとなっているのが、ヴィーク教会です。ヴィーク教会は、1934年に建築された木造教会で、白色と赤色からなる外観が特徴です。
両色のコントラストはとても美しく、奥に広がる大西洋の景観とも見事に調和しています。
ヴィーク教会は礼拝のほか、結婚式会場としても利用されます。また、噴火などの災害時には、村の避難場所としても使われるようです。
ヴィーク周辺にある観光名所
ヴィークはその立地上、アイスランド南部一帯の観光名所へのアクセス拠点として最適な場所にあります。そのため、アイスランド南部を旅行する際には、おそらくヴィークが旅の拠点になるでしょう。
ここでは、ヴィークからアクセスできる観光名所をいくつか紹介します。
セリャラントスフォス
まず、首都レイキャビクからヴィークの間には、アイスランドの自然が生み出したセリャラントスフォスとスコゥガフォスという2つの滝があります。
セリャラントスフォスの滝は、滝壺の裏に大きな洞窟がある独特の地形となっています。
洞窟部分には歩道を通して入ることができ、流れ落ちる滝を裏側から鑑賞できます。
正面から見る景観も良いですが、雄大な空を背景とした裏側からの景色もまた違う迫力があります。
スコゥガフォス
一方、スコゥガフォスは、アイスランド屈指の規模の滝として知られています。滝の幅は25m、落差は60mに及びます。
また、圧倒的な水量による轟音や水飛沫を体感でき、晴れた日には虹のアーチも見ることができます。
レイニスフィヤラ
ヴィークのすぐ手前には、通称「ブラックサンドビーチ」とも呼ばれるレイニスフィヤラビーチがあります。
このビーチの砂浜は、お馴染みの白い砂ではなく、光沢のある黒色の砂となっています。この砂は、火山岩の一種である玄武岩が波風で削れ、小さくなったものです。
漆黒色の砂浜と白い波飛沫の対比は、思わず息を呑むほど神秘的です。海岸に点在する、火山活動や雨風による風化によって形作られた、角柱の形状をした岩石も印象的です。
まとめ
ヴィークはアイスランドの最南端にある小さな村であり、村のすぐ近くには大西洋を望む圧巻のロケーションが広がっています。
さらに、国道沿いに位置することから、ヴィークはアイスランドの東西を繋ぐ中継地としての役割も持っており、アイスランド南部を旅行する人々を含め、多くの人々が往来する村となっています。