北大西洋の島国であるアイスランドは、世界有数の火山大国としても知られています。
そして火山活動が活発なアイスランドならではの光景が、高温の地下水を勢いよく噴き上げる間欠泉です。
アイスランドには大小様々な間欠泉があるのですが、その中でも最大の大きさなのが今回おのゲイシール間欠泉なのです。
ここではゲイシール間欠泉について、噴水の大きさや頻度から、間欠泉を近くで見られるツアーまで、詳しい情報を紹介していきます。
アイスランドで最も大きいゲイシール間欠泉

北大西洋に位置するアイスランドは、氷河に覆われた国というイメージがあるかもしれません。
その一方で実は日本同様に火山活動が活発な国であり、至る所に間欠泉や温泉が湧いているというのはご存じでしたか。
そして火山大国のアイスランドを代表する間欠泉と言われているのが、「ゲイシール間欠泉」です。
ゲイシール間欠泉は、アイスランド南東部のホイカダールル渓谷地帯にある間欠泉の1つです。
ホイカダールル渓谷には地殻変動が生み出した多数の間欠泉があり、ゲイシール間欠泉を含む地熱地帯を総称してゲイシールと呼びます。
ゲイシール間欠泉はアイスランドにある間欠泉の中でも最も規模が大きい間欠泉です。
噴出する熱湯は、最大で70mもの高さまで上がります。
そしてアイスランド屈指のゲイシール間欠泉は世界的にも有名で、英語で「間欠泉」を意味する「Geyser(ガイザー)」の語源にもなっています。
人気観光ツアー、ゴールデンサークルにおける名所の1つ

ゲイシール間欠泉はアイスランドの首都レイキャビクから北東約80kmの距離にあり、車で約90分で行くことができます。
そのアクセスの良さから観光ツアーも組まれているのですが、その中でも有名なのが、アイスランドの目玉観光ルートである「ゴールデンサークル」でしょう。
このツアーでは世界遺産のシンクヴェトリル国立公園、グトルフォスの滝、そして今回紹介するゲイシール間欠泉という、アイスランドの三名所を巡ります。
ゲイシール間欠泉の周囲には散策道が敷かれ、間近で間欠泉を見ることができます。
轟音と共に熱水が空高く上がる光景は、地球の脈動のような迫力があるそうです。

また、ゲイシール地熱地帯には他にも大小様々な間欠泉があり、火山の地熱による温泉も所々から湧き出しています。
さらに地熱によって地面に含まれるミネラルが変色し、ゲイシール間欠泉の周囲は独自の色合いとなっています。
他のゴールデンサークルの名所については、以下の記事をご覧ください。


ゲイシール間欠泉は現在は活動休止中

ここまでゲイシール間欠泉について紹介してきましたが、実は現在はゲイシール間欠泉の活動は弱まっており、噴出の風景を見るのは難しくなっています。
間欠泉の活動は地熱や地殻変動など、どうしても様々な自然条件に左右され、活動周期には波があります。
ゲイシール間欠泉の活動ピークは19世紀頃と言われ、1935年の地殻変動以降、徐々に活動頻度は減少しています。
もちろん完全に活動停止というわけではなく、今も1日に平均して3回ほど噴出が起こるそうです。
ただ、1日に3回前後という頻度だと、ツアー中に噴出を見られるかどうかは運次第ですよね。
そのため現在のツアーではゲイシール間欠泉の代わりとして、同じエリアにあるストロックス間欠泉がメインのスポットとなっています。
現在はストロックル間欠泉が目玉スポットに

20世紀に入り活動の頻度が減ったゲイシール間欠泉に代わって旅行客から人気を集めているのが、ストロックル間欠泉です。
ストロックル間欠泉はゲイシール間欠泉の近くにあり、5分〜10分間隔という高頻度で熱水を噴き出します。上がる熱湯の高さも20mと、こちらも中々の高度です。
ストロックル間欠泉については、こちらの記事で詳しく扱っています。

まとめ

雪と氷河の国というイメージが強い北欧の中でも、アイスランドは火山大国としての代わった一面もあり、間欠泉や温泉といった日本に似た景色も見られます。
地熱活動も活発ということで気候も比較的温暖で、アイスランドに旅行で訪れる人も増加しています。
そしてゲイシール間欠泉も、火山大国のアイスランドらしい、地球の躍動を肌で感じられる自然スポットです。
ゲイシール間欠泉は近年は活動頻度が弱まり、ツアーでは代わりにストロックル間欠泉の鑑賞が中心となっています。
1日に3回ほど噴出するゲイシール間欠泉を見られるかどうかは完全に運次第ですが、それでも最大70mもの水柱を上げる間欠泉は是非とも一目見ておきたいスポットと言えるでしょう。
