アイスランドには、北欧の寒冷な気候の中で生まれた巨大な氷河が至る所にあります。
透き通った氷河が作り出す神秘的な景観はアイスランドの大きな魅力であり、今回紹介するヨークルスアゥルロゥン氷河湖もその1つです。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖は、その名前通り水面に氷河が浮かぶ氷河湖です。
日本では中々お目にかかれない氷河湖について、ここではその特徴や見所を説明していきます。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖とは?
氷の国として知られるアイスランドには、厳しい寒さによって生まれた氷河や氷山、そして氷が浮かぶ氷河湖など、アイスランドならではの風景が各地で出迎えてくれます。
そしてアイスランドの首都レイキャビクから約400km、車を6時間以上走らせた場所にあるのが、アイスランド最大級の氷河湖であるヨークルスアゥルロゥン氷河湖です。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖は、アイスランド南東部の氷河地帯に広がる大規模な湖です。
氷河湖という言葉は日本ではあまり馴染みがありませんが、その名の通り、氷山の一角が突き出し、水面に巨大な氷河が浮かぶ湖を指します。
「ヨークルスアゥルロゥン」という名前はアイスランド語で、「氷河の川の湖」という意味があります。湖の氷は、いくつかの氷河を経由してヨークルスアゥルロゥン氷河湖に流れ着きます。
ヨーロッパ最大規模の氷河であるヴァトナヨークトル氷河を源流とし、ブレイザメルクルヨークトル氷河を経て、その後ヨークルスアゥルロゥン氷河湖に氷河が流れ込みます。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖の水深は200m以上あり、これはアイスランドで2番目に深い湖となっています。
また、氷河の融解速度に合わせて湖の大きさも日々変化しており、通常の湖にはない特徴があります。近年は地球温暖化の影響からか、湖の面積は拡大傾向にあるようです。
透き通った青色の氷河を鑑賞できる
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖では、湖面に美しい氷河が浮かんでおり、それらをすぐ近くで見ることができます。氷塊は宝石のように輝き、青色や乳白色といった洗練された色合いが美しいです。
アイスランドの氷河は、降り積もった雪が時間をかけて圧縮された高密度の氷でできており、水中の空気が排除されるため、氷の中にはほとんど空気が含まれません。
そのため、太陽光以外の光は反射され、非常に透明度と彩度の高い青色の氷となります。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖は大西洋と繋がっており、大西洋に流れた氷河の一部は海岸に打ち上げられます。
美しい氷河が流れついた海岸の1つが「ダイヤモンドビーチ」と呼ばれ、アイスランドの観光名所にもなっています。
ダイヤモンドビーチに関しては、こちらの記事でも少し触れているので、ぜひ併せて読んでみてください。
野生動物やオーロラなど見所が盛りだくさん
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖では、氷塊だけでなくアイスランドの自然を楽しむこともできます。
4月から10月にかけての夏のシーズンには、氷河の間を航行するボートツアーが開催されます。
湖岸には、アザラシや野鳥などの野生生物が生息しています。夏にはカモメ、冬にはかわいらしいアザラシも観察できます。
また、アイスランドは高緯度地域であるため、オーロラの観察もおすすめです。
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖があるエリアは、オーロラが映る観測ポイントとして知られています。
というのも、ヨークルスアゥルロゥン氷河湖の周囲には光を放つ大きな街がありません。人口光がないため、夜には非常に美しいオーロラが観測できます。
まとめ
ヨークルスアゥルロゥン氷河湖は、アイスランドの代名詞である美しい氷河が浮かぶ絶景に加え、運が良ければオーロラも見られる絶好のロケーションにあります。
オーロラが映る僻地にあるため、公共交通機関はなく、移動の際はツアーバスかレンタカーを利用する必要があります。
アイスランドを訪れた際には、是非ヨークルスアゥルロゥン氷河湖を訪れ、大自然の美しさを体感してみてください。