雄大な大西洋に面したアイスランドの首都レイキャビクの港には、一面ガラス張りの光り輝く建物があります。
この建物は「ハルパ」の愛称で呼ばれるコンサートホールであり、2011年にオープンしました。
今回はレイキャビクの街において一際存在感を放つ、このハルパという建物について解説していきます。
レイキャビクに訪れる予定のある人も是非参考にしてみてください。
ハルパの施設概要

ハルパは北大西洋の島国アイスランドの首都レイキャビクの港湾沿いに佇む、全面ガラス張りの美しいデザインが特徴の建物です。
「ハルパ」は施設の略称であり、正式には「ハルパ・レイキャビク・コンサートホール&会議センター」と呼ばれます。
ハルパは複合型コンサートホールとして、2011年にレイキャビクでオープンしました。
建築の際は、光の巨匠と称されるデンマーク出身の建築家ヘニング・ラーセン氏が設計を担当しました。
施設の面積は28000㎥の広さを誇り、左棟はコンサートホール、一方の右棟は会議ホールという構成になっています。
ガラス張りの美しいデザインが魅力

ハルパ最大の特徴となっているのが、光をキラキラと反射し輝くその外観でしょう。
日光の反射により万華鏡のよう輝くデザインは、アイスランドの街においても非常に存在感があります。
1万枚以上のガラスを用いた幾何学的なデザインは、柱状節理(ちゅうじょうせつり)という多角形状の溶岩をイメージして設計されました。
柱状節理は火山大国アイスランド各地に点在している火山岩の一種で、五角柱や六角柱の独特な断層が特徴です。
そしてこのデザインを担当したヘニング・ラーセン氏は光の巨匠と言われるように、自然や光をテーマとした作風を専門としています。
アイスランドをはじめとする北欧諸国は夏が短く、暗く寒い冬が長期に渡って続きます。
そのためラーセン氏は北欧の暗い気候を照らす、自然で明るい光を取り入れた建築作品を多く作成しているそうです。
また、ハルパ内部も精巧にデザインされ、空間を贅沢に使った立体的な構造になっています。

最上階まで吹き抜けとなった余裕あるスペースに加え、一面のガラス窓から自然光が差し込む非常に明るい雰囲気が魅力です。
さらに、ガラスにはLED電球も組み込まれており、夜になるとハルパは美しくライトアップされます。
一定時間ごとに光の色が変わる幻想的なグラデーションは、昼間には味わえない美しさがあるそうですよ。
金融危機を乗り越え完成するまでの経緯

ハルパの建築は2007年、レイキャビクの都市開発計画の「イースト・ハーバー・プロジェクト」の一環として始まりました。
当初はコンサートホールの他に、ホテルや商業施設なども含めた開発プロジェクトとして開発を進めていたのですが、その最中の2008年、世界的な金融危機のリーマンショックが起こります。
アイスランドの経済もリーマンショックの打撃を受け悪化し、ハルパの建築計画に関しても変更を余儀なくされました。
そのような困難に見舞われながらも、開発計画を部分的に縮小しながらハルパの建築は進められます。
こうして完成予定の2009年から2年ほど遅れた、2011年5月に無事オープンしたのです。
まとめ

「ハルパ・レイキャビク・コンサートホール&会議センター」、通称「ハルパ」と呼ばれるレイキャビクのコンサートホールについて紹介してきました。
火山岩の柱状節理の形状を参考に、1万枚を超えるガラスが使われたモダンなデザインは、レイキャビクの街の中でも異彩を放ちます。
外観はもちろん、屋内も天井が高く設計され、開放的な雰囲気となっています。
コンサートやライブが開催されるメインホールの他、一階にはお土産屋さんもあり、アイスランドのお土産もこちらで購入できますよ。
