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【アイスランドシープ】ヴァイキングがもたらしたアイスランド原産の純血種

アイスランドシープ
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アイスランドはその荒涼な土地から作物が育ちにくく、古くから畜産や放牧が主要な生活基盤でした。

家畜の中でも寒さに強い羊は特に重宝され、ヴァイキング時代からアイスランド人の生活を支える存在でした。

アイスランドシープという品種がアイスランド原産の羊で、実は世界的にも希少な羊の古代種として知られています。

そこで今回はアイスランド原産の純血種、アイスランドシープについて紹介していきます。

ヴァイキングが連れてきたアイスランドシープ

険しい山岳地帯と氷河で国土を覆われた北欧のアイスランド。この土地に初めて移住した人々が、海賊として北部一帯の海を支配していたヴァイキングです。

最初のヴァイキングがアイスランドに入植したのは、874年のことです。

ノルウェーから来訪した彼らはアイスランドに多くの資本や文化を持ち込みましたが、その中の1つに羊があります。

ヴァイキングがもたらした羊は、アイスランドシープという品種です。別名アイスランディックシープとも呼ばれ、有角で短足な体型が特徴です。

このアイスランドシープは、今ではアイスランド原産の羊として知られています。

アイスランドシープは1940年代までは、主に羊乳を採取するための酪農用家畜でした。

現在では、羊毛および食肉用として飼育されています。

羊毛はアウターコートやインナーコートなどのウール製品に加工。羊肉はアイスランドラムとして、世界各地に輸出されています。

羊はアイスランドの主要な家畜

アイスランドの国土は溶岩と荒地、そして極寒の気候により、残念ながら農作物の栽培には向いていません。

そのため古くからアイスランドの住民は放牧による畜産業を営むことで、生活を維持してきました。

中でも羊は強い耐寒性を持つ動物であり、寒冷な気候のアイスランドでも十分に飼育が可能でした。

羊のウールは寒さを防ぐ衣服に、そして羊肉は貴重な食糧になります。

土地が痩せて農作物が育ちにくいアイスランドでは、このように羊毛から肉まで余すことなく羊を利用しました。

アイスランドの伝統料理には羊料理も多く、ロースト肉からスヴィーズという羊の頭を使った煮込み料理まで幅広い種類があります。

1000年以上遺伝子構成が変わらない純血種

9世紀後半にヴァイキングがもたらしたアイスランドシープですが、実は世界的にも珍しい純血種の羊として知られています。

現在は多くの家畜で品種改良が行われており、例えば黒毛和牛やブロイラーが有名です。

一方でアイスランドシープの場合、9世紀にアイスランドに導入されて以降、品種交配が行われず同一の血統内のみで飼育されてきました。

つまり、9世紀当時に飼育されていたアイスランドシープの先祖と、現代の個体の遺伝子構造が同一という希少な品種なのです。

この背景にはアイスランド政府の徹底した血統管理があります。アイスランドではアイスランドシープの生体の輸出、および他品種の羊の輸入が厳しく制限されています。

この取り組みのおかげで、1000年以上も続く古代種としてのアイスランドシープが保護されているのです。

高品質なアイスランドラム

純血種のアイスランドシープは、食肉用に加工されて「アイスランドラム」として世界に輸出されています。

アイスランドシープは基本的に放し飼いで、アイスランドの土地に自生する草花やハーブ、ベリーを食べて育ちます。成長ホルモン剤や抗生物質なども不使用です。

アイスランドの豊かな自然の中でのびのびと飼育されたアイスランドシープは、その肉質も高品質と評判です。羊肉特有の臭みがなく、深いコクと甘みがあるそうです。

しかし、日本の羊肉輸入量に占めるアイスランド産羊肉の割合は1%ほどで、アイスランドラムは日本国内では非常に希少な肉となっています。

まとめ

アイスランドシープは874年にヴァイキングのアイスランド入植の際に、彼らが一緒に持ち込んだ羊です。

それ以降、約1200年間に渡って交配を行わない羊の古代種として知られています。

現在ではアイスランドシープは子羊がアイスランドラムとして輸出され、その上質な肉質が好評を博しています。

数は多くありませんが日本の一部の店舗でもアイスランドラムが提供されているので、興味がある人は確認してみてください。

ABOUT ME
伊東 琢哉
横浜市に暮らしているフリーライターです。普段はスタバでコーヒーを飲みながら執筆活動をしています。シンプルな北欧デザインや雑貨、自然に魅了され、北欧の情報を日々ブログを通して発信しています。