アイスランドには「フロインフォッサル」と呼ばれる滝がありますが、この滝には少しユニークな特徴があります。
実は、フロインフォッサルは溶岩から流れ出た湧水から形成された滝であり、一般的な滝とは異なる景観を楽しむことができるスポットです。
ここでは、フロインフォッサルについて詳しく解説していきたいと思います。
フロインフォッサルは湧水で形成された滝
フロインフォッサルとは、アイスランド西部にある滝で、「溶岩の滝」を意味するアイスランド語の名称を持ちます。
アイスランドには数多くの滝がありますが、フロインフォッサルは他の滝とは異なる特徴を持っています。
写真を見ると分かるように、フロインフォッサルはクヴィータアゥ川の右側の岩壁から水が流れ落ちています。
通常の滝は川そのものが水源となっていますが、フロインフォッサルは溶岩台地の地層の隙間から湧き出した水が流れ落ちているのです。
青白い線のように水が流れる光景は、溶岩の岩壁から約1kmにわたって続きます。
アイスランドには数多くの滝がありますが、フロインフォッサルのような滝は非常に珍しいものです。
「溶岩の滝」という名前の由来も、この滝が溶岩から流れ出る湧水でできていることに由来します。
滝の出所はハトルムンダルフロインという溶岩台地
フロインフォッサルの水源は、ハトルムンダルフロインという溶岩台地から流れ出る湧水です。
このハトルムンダルフロインは、ラングヨークトル氷河から溶け出した水が染み込んだ地層です。
そして、その地層の隙間から水が地下水として湧き出し、フロインフォッサルの滝を形成しています。
なお、ハトルムンダルフロインから流れ出た水は、最終的にクヴィータアゥ川に合流します。
川上のバルナフォスと合わせて天然記念物に指定
フロインフォッサルのある地域には、もう1つ「バルナフォス」という名前の滝があります。
このフロインフォッサルとバルナフォスの2つの滝とその周辺エリアは、1987年にアイスランドの天然記念物に指定されています。
そのため、フロインフォッサルを見るなら、是非バルナフォスの滝も一緒に楽しんでいただきたいのです。
バルナフォスは、フロインフォッサルの上流に位置しています。徒歩で行ける距離にあるため、移動の手間はほとんどかかりません。
バルナフォスの水流はフロインフォッサルと比べるとかなり激流で、溶岩壁の合間に沿うように荒々しく流れています。
バルナフォスには滝を横断する橋がかかっており、橋を渡って向こう岸から滝を鑑賞することもできます。
また、フロインフォッサルが「溶岩の滝」と呼ばれるのに対して、バルナフォスは「子供たちの滝」という名称がついています。
この名称の由来は、バルナフォスにまつわる伝説にあります。かつてバルナフォスがある地域には、農民夫婦とその子供2人が暮らしていました。
ある日、夫婦が目を離した隙に子供たちが誤ってバルナフォスにかかる石橋から転落してしまいます。その後、子供たちの母親が我が子を失った悲しみと怒りから石橋を壊したという伝説があります。
この伝説が元になって、今日のように「子供たちの滝」という名前が付けられたのです。
まとめ
フロインフォッサルは、アイスランドでも珍しい、溶岩の岩壁の隙間から流れ出した地下水で形成された滝です。
ハトルムンダルフロインという溶岩台地に水が染み込み、その水が全幅1kmの範囲に渡って滝として流れ落ち、崖の下に流れるクヴィータアゥ川に注ぎます。
また、フロインフォッサルの上流にはバルナフォスという滝もあり、両者の滝は天然記念物に指定されています。