ノルウェーには、首都オスロとベルゲンに次ぐ第3の都市、トロンハイムがあります。
トロンハイムには、かつて北欧最大の聖地であった大聖堂や歴史的な旧市街があり、また学園都市としての側面も併せ持っています。
しかし、日本での知名度は決して高くなく、トロンハイムがどのような街なのか知らない人が多いかもしれません。
そこで、今回はトロンハイムという街について詳しく紹介し、その魅力をお伝えしたいと思います。
トロンハイムとは?
ノルウェーの中部に位置するトロンハイムという街をご存じでしょうか?
トロンハイムは、ノルウェーの首都オスロやベルゲンに次ぐ国内第3の規模を誇る都市であり、歴史的な旧市街や大聖堂を有する街として知られています。
また、国立大学や研究所があり、学園都市としての側面も持ち合わせています。
トロンハイムの起源は997年にヴァイキングのオーラヴ1世がニード川火口付近に都市を設立したことに始まります。
当初の都市名は、ニーダロスといい、「ニードの河口」を意味していました。
ノルウェーは一時期、デンマークやスウェーデンに支配された歴史があり、現在のトロンハイムという名称も支配時代に命名されたものです。
ノルウェーが1905年に独立した後には、トロンハイムからかつての名称であるニーダロスに改名しようという意見もあったようですが、住民の強い希望で呼び慣れたトロンハイムという名前がそのまま使用されるようになりました。
ノルウェー第二の都市であるベルゲンについては、以下の記事をご覧ください。
北欧最大の巡礼地であったニーダロス大聖堂
トロンハイムのランドマークとも言えるのが、11世紀から14世紀にかけて建築されたニーダロス大聖堂です。
ニーダロス大聖堂はトロンハイムの中心部に位置し、ゴシック様式とロマネスク様式が融合した石造りの外観は美しく荘厳な佇まいとなっています。
また、11世紀に活躍したオーラヴ2世が祀られていることでも有名です。
オーラヴ2世は、ノルウェーのキリスト教化に多大な貢献をした王でした。
オーラヴ2世は1030年に亡くなり、その翌年の1031年には列聖と呼ばれる、聖人の地位に迎える儀式が執り行われました。
こうして聖人として認められたオーラヴ2世王が埋葬される土地に建てられたニーダロス大聖堂は、聖人が祀られた聖地となります。
そのため、中世の時代にはヨーロッパ各地から多くの巡礼者が訪れる北欧最大の聖地となりました。
ニーダロス大聖堂に関する詳しい情報は、こちらの記事もおすすめです。
学生が集うノルウェー科学技術大学
トロンハイムの代表的な大学としてノルウェー科学技術大学(NTNU)が挙げられます。
NTNUは、工学分野を中心に様々な学問分野を扱う大学で、かつてのトロンハイム大学をはじめとするいくつかの大学が統合されて誕生しました。
その規模はノルウェー最大級であり、トロンハイム市内には多くの学生が集まっています。また、年々多くの留学生も訪れるようです。
このため、トロンハイムは「学生の街」とも呼ばれ、活気にあふれた街として知られています。
絶景スポットのクリスチャン要塞
クリスチャン要塞は、トロンハイムの街の東側に位置する建物で、1680年頃に建築されました。
かつては、戦争において街を防衛する要塞の役割を果たしてきました。
丘の上にあるため、現在ではトロンハイムの街全体を見渡せる絶景スポットとしても知られています。
多くの人がトロンハイムの絶景を鑑賞しに訪れる一方で、大砲や城壁など、戦争の要塞としての名残りも色濃く残されているのも特徴です。
買い物に最適なトロンハイム旧市街
ノルウェー王国最初の首都ということで、トロンハイムには歴史を感じさせる重厚な造りの建築が数多くあります。
特に中世の佇まいを強く残しているのが、トロンハイムの旧市街区です。 旧市街ということで街も石畳で舗装された、ヴィンテージな雰囲気となっています。
絵本のようなカラフルな木造家屋郡も見所ですね。 さらに街中にはカフェやレストラン、雑貨店が軒を連ねており、トロンハイム旅行で人気のエリアでもあります。
また、トロンハイムの南東にある、通称はね橋とも呼ばれるトロンハイムの旧市街へとつながる橋も有名です。
この橋はトロンハイムのカップルからは「幸福の橋」とも呼ばれています。
橋でキスをしたカップルは未来永劫結ばれるという言い伝えがあり、足を運ぶ学生カップルも多いのだそう。
まとめ
ここまで、ノルウェーのトロンハイムの特徴や魅力についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
トロンハイムはノルウェー第三の都市という位置づけですが、実際のところ日本での知名度はあまり高くありません。
首都であるオスロなどと比べると、あまり知られていない穴場スポットと言えます。
しかし、ニーダロス大聖堂をはじめとする多くの歴史的名所があり、ノルウェーを深く体験するなら、是非とも訪れたい街と言えるでしょう。