スウェーデン第3の大きさを誇るメーラレン湖の畔には、グリプスホルム城と呼ばれる城があります。
この城は1380年頃に建てられた非常に古い城であり、数百年に渡って王宮から監獄まで様々な目的に利用されてきた背景を持ちます。
ここでは、グリプスホルム城の特徴や数百年にわたる歴史、現在の状況などを解説していきたいと思います。
スウェーデンの古城、グリプスホルム城
スウェーデン南東部のマリエフレードにあるグリプスホルム城は、古城として知られています。
約1380年頃、ボー・ヨンソン・グリープという人物によって建てられた城は、当初は要塞として使用されていました。
所有者や時代の変化に伴い、改修が繰り返され、現在はスウェーデンの歴史的な調度品が収蔵された観光名所となっています。
また、グリプスホルム城からはメーラレン湖という巨大で美しい湖を望むことができます。メーラレン湖はスウェーデンで3番目に大きい淡水湖で、全体の面積は1140㎢、最も深い場所で64mの深さを誇ります。豊かな生態系が特徴で、絶滅危惧種の鳥類も生息しています。
グリプスホルム城の凛とした外観と穏やかなメーラレン湖の景色は非常に優美で魅力的です。そのため、毎年多くの旅行客が訪れ、その光景をカメラに収めようとしています。
グリプスホルム城が辿った歴史
ここでは14世紀末に建築されたグリプスホルム城がどのような歴史を辿ったのかを解説していきます。
先に紹介した通り、グリプスホルム城は1380年にボー・ヨンソン・グリープが要塞として築いたのが始まりです。
そして建築後しばらくの間は、ボー・ヨンソンの一族がグリプスホルム城を所有していました。
しかし1526年、グリプスホルム城はスウェーデン王グスタフ・ヴァーサに押収されることとなります。
グスタフ・ヴァーサ国王はグリプスホルム城を押収後、城の四方に円形塔と大砲の攻撃を防ぐ城壁を造るなど、近代型の要塞に改めて改修しました。
それと同時に、グリプスホルム城はグスタフ・ヴァーサの代からスウェーデン王家の居城として1713年まで利用されました。
一方で1713年から1773年のおよそ60年間は、監獄として使用されることになります。
その後も1773年にはグスタフ3世が再度城を改築し、劇場を作るなど、グリプスホルム城はその時々の所有者の手によって改修が繰り返されていきました。
グリプスホルム城内部は見学も可能
初めは要塞として建築され、16世紀にはスウェーデン王室の居城となり、一時期は監獄として使われるなど、グリプスホルム城は建設以来様々な用途で使用されてきました。
そして現在、グリプスホルム城は歴史的名所として一般公開されており、国立絵画コレクションや16世紀の調度品が収容されています。
中世のスウェーデンを物語る歴史的コレクションの数々は、歴史好きなら必見と言われています。
まとめ
ここまでグリプスホルム城について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
スウェーデンのメーラレン湖沿いに14世紀に建築されて以来、グリプスホルム城は要塞に王宮、監獄まで時代によってその姿を変えてきました。
そして21世紀になっても、スウェーデンの歴史あるスポットとして、広大なメーラレン湖をバックに堂々と佇む美しい古城として、多くの観光客を魅了し続けています。