スウェーデンにあるヨーテボリという街をご存知ですか?
ヨーテボリは、首都ストックホルムに次ぐ、スウェーデンで2番目に大きな街です。しかし、ストックホルムに比べてあまり知られていないため、どんな街なのかについて知る人は少ないかもしれません。
ここでは、教育や産業、文化など、様々な魅力に溢れた都市ヨーテボリについて詳しく紹介していきたいと思います。
ヨーテボリの特徴
スウェーデンの有名な街といえば、やはり首都のストックホルムの名前が最も多く挙がるかもしれません。
では、スウェーデンで2番目に大きな街はどこだと思いますか?それが今回紹介する、ストックホルムに次ぐスウェーデン第2の都市であるヨーテボリです。
ヨーテボリは、スウェーデン南部のヴェストラ・イェータランド県に属する都市であり、スウェーデン国王グスタフ2世アドルフによって建設されました。
ヨーテボリという名前は、スカンジナビアで誕生したとされる古代ゲルマン系民族であるゴート人に由来し、「ゴート人の都市」という意味を持ちます。
ヨーテボリは、企業や大学、美術館や博物館など、数多くの産業・文化・研究施設が集まっているのが特徴です。
ストックホルムが多くの旅行者が訪れる街であるのに対して、ヨーテボリはビジネスパーソンや学生が集まる街と表現することができるでしょう。
アクセスも良好で、ストックホルムからは電車で3時間となっています。また、隣国ノルウェーやデンマークからも約4時間でアクセス可能です。
工業・海運業で栄えた湾岸都市
ヨーテボリは、北欧最大級の湾岸都市としても知られており、大航海時代をはじめとする北海を通じた海運貿易で栄えてきました。
18世紀には、世界初の株式会社である東インド会社のスウェーデン拠点もヨーテボリに置かれました。
海運業以外では、工業も盛んな産業となっており、例えば、スウェーデンを代表する自動車メーカー「Volvo(ボルボ)」の本社もヨーテボリの郊外にあります。
さらに、ヨーテボリ市内には「ボルボ博物館」という、ボルボ創業の歴史や新旧のモデルの車が展示されている施設もあり、車好きには必見のスポットとなっています。
教育機関が集まる学園都市の一面も
貿易や工業関連の企業が数多く展開しているヨーテボリですが、教育・研究機関も充実しており、学園都市としての顔も併せ持っています。
ヨーテボリ大学やチャルマース工科大学といった、スウェーデンでも有名な大学が置かれ、街にはスーツを着たビジネスパーソンに混ざって学生の姿も目立ちます。
ヨーテボリの人口は約52万人ですが、そのうち約6万人が学生と言われています。
ショッピングを楽しむならハーガ地区
ヨーテボリでカフェ巡りやショッピングを楽しむなら、ハーガ(Haga)地区がおすすめです。
ハーガ地区とは、ヨーテボリの旧市街地であり、クラシックな街並みが残る人気の観光エリアです。
ハーガ地区には、17世紀に設計された木造家屋や石畳の大通りが広がります。
通り沿いにはハンドクラフトやアクセサリー店、街歩きの休憩に最適なカフェなど多くの店舗がオープンしています。
一方で、今ではハーガ地区は学生や旅行客で賑わうおしゃれなエリアとなっていますが、ハーガ地区一帯は元々、老朽化した建物が放置されたただの荒地でした。
しかし、1980年代にスウェーデン政府による再開発によって、現在の美しい観光地区に生まれ変わったのです。
ヨーテボリの魚市場である、魚教会
北欧の海鮮グルメを味わうなら、魚教会という名称の魚市場もおすすめです。白色の屋根にレンガ造りという教会のような外観から、「魚教会」と呼ばれています。
ただし、魚教会といっても、礼拝を行う教会とは一切関係ありません。魚教会の中は、フロア全体が築地のような魚市場となっており、サーモンや牡蠣など豊富な魚介類が販売されています。
また、レストランも併設されているため、北欧ならではの新鮮なシーフード料理を味わうことができます。
木造ジェットコースターがあるリセベリ遊園地
リセベリ遊園地は、ヨーテボリ市内にある歴史ある遊園地で、様々なアトラクションを満喫できるスポットです。
特に有名なのが、木製のジェットコースターで、一般的な鉄筋コンクリートではなく、木材でレールが組み立てられたアトラクションとなっています。
いろんな意味でスリルを味わえるアトラクションとも言えるでしょう。
園内には、庭園やレストランといった施設も充実しており、休日には家族連れやカップルがのんびりと過ごす、ヨーテボリ市民憩いの場となっています。
17世紀に建築された要塞スカンセン・クローナル
ヨーテボリには、スカンセン・クローナルという要塞があります。
この要塞は、17世紀に隣国デンマークの侵略からスウェーデンを防衛するために建築されました。
要塞としての役割を終えた後は、刑務所や博物館など様々な用途に利用されてきました。
23門の大砲で武装し、堅牢な石造りの外壁が立派ですが、実際には攻撃されたことはなかったそうです。
建築から300年以上経った今でも保存状態が良く、中世当時の建築技術や雰囲気を見ることができます。
まとめ
ここまで、スウェーデンで首都ストックホルムに次ぐ主要都市、ヨーテボリについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
歴史、芸術、産業、学問に関する施設が集中するヨーテボリは、首都ストックホルムとはまた違った魅力に満ちています。落ち着いた街並みや雰囲気に包まれたヨーテボリは、ゆっくりと街を探索したい人におすすめのエリアと言えます。