スウェーデン

【シュールストレミング】世界一臭い食べ物と称されるスウェーデンの発酵食品

シュールストレミング
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

日本には納豆やくさやなど、匂いが特徴的な発酵食品が数多く存在しますが、実は北欧のスウェーデンにもシュールストレミングという、非常に強烈な匂いを放つ缶詰があります。

このシュールストレミングは、日本のテレビ番組でもたびたび取り上げられることがあり、その名前自体はご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

ここではスウェーデンのシュールストレミングに焦点を当て、その歴史や正しい食べ方、匂いの原因などについて詳しく紹介していきます。

\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場
\ポイント5%還元!/
Yahooショッピング

シュールストレミングとは?

スウェーデン発のシュールストレミングは、塩漬けニシンを缶詰にした発酵食品です。

スウェーデンでは長い冬を乗り切るため、塩漬けや乾物などの保存技術が発達し、シュールストレミングもその一つとして北部で誕生しました。

19世紀に缶詰として商品化されましたが、発酵した塩漬けニシン自体は14世紀から食べられてきました。17世紀にはスウェーデン軍の食糧としても利用されました。

今でもスウェーデンを代表する発酵食品の1つとして親しまれ、毎年8月の第3木曜日がシュールストレミングの解禁日になります。

しかし、シュールストレミングは良くも悪くも最大の特徴が、発酵食品特有の強烈な匂いです。

実際に体験した人によると、腐乱臭がすると言われており、鼻を突くようなツンとした酸味ある刺激臭も特徴とのこと。

シュールストレミングという名称も、スウェーデン語で「酸っぱい」を意味する「シュール(sur)」と、「ニシン」を意味する「ストレミング(strömming)」が合わさった言葉です。

その悪臭は凄まじく、世界一臭い食べ物とも言われています。私自身は未経験ですが、強い匂いに耐えられる人以外には、食べることができないかもしれません。

シュールストレミングの匂いの原因

世界一臭い発酵食品のシュールストレミングですが、その悪臭はどのようにして生まれたのでしょうか。

匂いの原因には、シュールストレミングの調理過程にあります。

保存食に使う食材やその方法は国ごとに個性があり、塩蔵や乾燥、燻製など、その国の気候や風土によって様々な形があります。

スウェーデンの場合、寒冷な気候から農業が難しかった反面、古くから漁業が盛んでした。

大量に獲れたニシンの切り身を塩水につけて保存することで、雑菌の繁殖と腐敗を防ぎ、冬の保存食としてきました。

日本の漬物のように固形の塩を使わずに塩水で漬けるのは、スウェーデンは日照時間が短く、海水を蒸発させて作る固形の塩の製成には不向きだったためです。

そしてシュールストレミングの悪臭の原因も、この塩水に漬けるという保存方法にあります。

固形の塩を使った塩蔵の場合、微生物が増殖のために利用する自由水が塩の作用で減少します。微生物の活動が弱まることで、食品の分解過程で発生する匂いも抑えられます。

しかしシュールストレミングのように塩水につける方法の場合、確かに保存性の向上で腐敗は防げます。ただし微生物の活動はそのままで、缶詰した後も発酵自体はどんどん進んでしまいます。

その結果、微生物の分解によって缶がパンパンに膨れ上がるほど大量に臭気物質が生成され、シュールストレミング独特の悪臭を作り出すのです。

開封時の注意点

シュールストレミングはその強烈な悪臭のため、開封には細心の注意が必要です。

缶にはニシンの発酵によって発生した臭気ガスがパンパンに充満しており、通常の缶詰と同じように開けることは危険です。

缶切りで穴を開けた瞬間、缶詰の中の液体が匂いと共に飛び散ります。

屋内で開けた場合、家具や壁に匂いがこびりつくため、基本的にシュールストレミングは屋内で開けることは禁止されています。

衣服にも匂いがつくため、場合によってはその服は処分しなければいけません。

正しい開封方法としては、水を張ったバケツの中で開けることが推奨されています。水中なら匂いの充満を最小限に抑えられます。

衣服に関しては、念のためにカッパを着るか、最悪捨てても良い服を着るのがおすすめです。

なお、シュールストレミングは気圧の変化で飛行機の機内で爆発する危険性があるため、基本的に空輸は禁止されています。

航空輸送する場合は、危険物として厳重に包装されてから輸送されます。そのため、世界各地で流通しているシュールストレミングは主に海路で輸入されたものです。

多少の費用はかかりますが、オンラインショップなどでもシュールストレミングが購入可能です。

シュールストレミングの食べ方

シュールストレミングは塩漬けニシンの缶詰で、非常に塩辛い味わいが特徴的です。缶詰にはニシンの切り身が入っており、食べる際は一口大に切って食べます。

スウェーデンでは、アクアビットなどアルコール度数の高いお酒で、ニシンを一度洗浄して匂いを落としてから食べることもあります。

また、シュールストレミングは薄くカットしたパンの上に乗せて食べるのが一般的で、塩気の強さを和らげるためにマッシュポテトやバター、チーズなどの付け合わせ食材を用意することもあります。

アクアヴィット
【アクアビット】じゃがいもで作られた北欧原産の蒸留酒ジンやウォッカのような蒸留酒は、アルコール度数が高く、すっきりとした味わいからファンも多いですね。北欧諸国でもお酒は食事や晩酌、冷えた体を温めたい時など様々な場所で飲まれています。そして「アクアビット」と呼ばれる蒸留酒もその一つで、こちらは北欧諸国原産のお酒となります。今回は北欧諸国で盛んに飲まれている、アクアビットについてその特徴や歴史について紹介します。...

まとめ

シュールストレミングはスウェーデン発祥のニシンの塩漬け缶詰で、世界的に有名な発酵食品の1つです。

開封時に放たれる強烈な発酵臭は、納豆やくさやを超えると言われており、開封は水中で行うことが推奨されています。

食べる際には周囲への配慮やルールを守ることが必要ですが、一度は挑戦してみる価値のある食品です。

\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場
\ポイント5%還元!/
Yahooショッピング