ニューハウンはデンマークの首都コペンハーゲンに位置する港町で、カラフルな外装の家々が運河沿いに並ぶ、人気の観光地として知られています。
また、デンマークの有名な童話作家で、「みにくいアヒルの子」などの作品を世に送り出したハンス・クリスチャン・アンデルセンも晩年までニューハウンに住んでいました。
今回は1673年に建造された北欧最古の人口港でもある、デンマークのニューハウンについて解説していきます。
ニューハウンとは?
デンマークの首都コペンハーゲンには、ニューハウンと呼ばれる港町があります。
ニューハウンはデンマーク語で「新しい港」を意味します。
その名の通り、ニューハウンは17世紀に行われた掘削工事によって作り出された人口港です。港の大きさとしては、幅30m〜40m、長さは400mになります。
さらに、人口的に作られた港としては、北欧最古のものとなっています。
また、赤色や黄色、オレンジといったカラフルな外観の建物が織りなす街並みも特徴です。
おとぎ話の世界観がそのまま現実化したような、カメラで写真に収めずにはいられないフォトジェニックな光景が広がります。
ニューハウンは、デンマークでも一二を争うほどの人気観光地なのです。
もしかすると、ニューハウンという名前は初耳でも、ニューハウンのシンボルである色とりどりの街並みはどこかで見たことがある、という人も多いのではないしょうか。
それもそのはずです。ガイドブックやTVでデンマークを紹介するときには、宣伝写真としてニューハウンの街並みが選ばれることが多いためです。
アンデルセンが暮らしていた街
デンマークといえば、「人魚姫」「みにくいアヒルの子」といった数多くの名作を残した童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの出身地として有名です。
そしてニューハウンは、アンデルセンがデビュー当時と晩年に暮らしていた街としても知られています。
アンデルセンはその生涯の多くをニューハウンで過ごしました。
彼が暮らした住居は3ヶ所にも及びます。最初の住居としたのがニューハウンの「20番地」です。
アンデルセン初の童話集「火打ち箱」も20番地の家で執筆したと言われています。
次に、約20年というニューハウンで最も多くの時間を過ごした家が「67番地」です。
そして、晩年の2年間を過ごした家が「18番地」になります。
3つの住居の中でも、アンデルセンがデビュー時に暮らしていた「20番地」は現在でも名所として知られます。
20番地にはアンデルセンの名前が記されたプレートが埋め込まれ、国内外から多くの原作ファンが訪れます。
ニューハウンが辿ってきた歴史
ニューハウンはデンマーク国王クリスチャン5世により、コペンハーゲンの市街地拡張と目的として1671年に工事が始まり、2年後の1673年に完成しました。
当時、外国から多くの船舶が訪れるデンマーク有数の貿易・商業の拠点として、大きな繁栄を謳歌していました。
コペンハーゲンの海運の拠点としてだけでなく、航海を終えた船乗りたちが集まりお酒で乾杯する、活気に包まれた歓楽街としても知られていたそうです。
しかし、ニューハウンは時代の移り変わりとともに、従来の物流港から徐々に衰退していきました。
帆船から鉄道へと物流が移行し、ニューハウンの港を利用する船も減少し、街は活気を失いました。
そこで、1973年に帆船協会とコペンハーゲン市がニューハウンを歴史地区として復興する計画を立ち上げました。
この提案によって、ニューハウンはカラフルな街並みや商業施設を中心とした観光地に再生されました。
現在では、コペンハーゲンで最も活気に溢れた地区の一つとなっており、17世紀当時と同等かそれ以上に栄えているとされています。
ニューハウンの魅力
ニューハウンには、数多くのカフェやレストラン、そしてデンマーク土産を購入できるお店があります。
運河沿いには、ニューハウンの象徴とも言える色鮮やかな木造家屋が立ち並んでおり、多くの建物は18世紀に建てられたものです。
木造家屋の多くがカラフルなのは、昔ニューハウンで暮らしていた船乗りたちが、自分の家がどこにあるかわかるよう、目印として目立つ色を選んだためです。
また、ニューハウンで最古の建物として知られているのが、青色の外観が特徴の「9番地」です。1681年に建てられたこの住居は、築年数が300年以上にもなります。
街並みを眺めながら運河沿いを散歩するのも良いですが、クルーズ船ツアーの利用もおすすめです。運河から、また違った角度からニューハウンの景色を楽しめます。
クルーズ船ツアーでは、「人魚姫の像」やデンマーク王室の住居である「アマリエンボー宮殿」といった名所を巡るツアーも用意されています。
まとめ
コペンハーゲンの港町ニューハウンは、穏やかに流れる運河と鮮やかな街並みが美しい街です。
アンデルセンの心をとらえた、カメラを片手に一日中散策していても飽きないおとぎ話のような風景を楽しめます。