コーヒー消費量が世界トップクラスのフィンランドには、コーヒーと相性の良いスイーツが数多く存在します。
その中でもルーネベリタルトは、2月5日までの限定商品として注目されています。
ルーネベリタルトはフィンランドで有名な人物名に由来する円柱型のケーキで、国内で幅広く愛されているお菓子の1つです。そこで今回はフィンランド発のスイーツ、ルーネベリタルトについて詳しく紹介していきます。
ルーネベリタルトとは?
フィンランドで人気のあるお菓子、ルーネベリタルトは北欧の円柱型のケーキで、手のひらに収まる小さいサイズが特徴です。
中央にはラズベリージャムが入っており、周囲には白いアイシングが施された可愛らしいデザインとなっています。
しかしながら、ルーネベリタルトは販売期間が限られており、通常1月頃から2月5日までの約1ヶ月間の期間限定販売となります。
ルーネベリタルトが販売される最終日である2月5日は、フィンランドでは「ルーネベリの日」と呼ばれています。
この日はフィンランドを代表する詩人であるヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリの誕生日にあたります。
フィンランド国歌を作詞したルーベネリについて
ヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリは、19世紀に活躍したフィンランドの詩人です。
フィンランド第二の歴史を持つ古都ポルヴォーを拠点に、多くの詩や文学を世に送り出しました。
彼はスウェーデン語系フィンランド人であったため、著作はフィンランド語ではなくスウェーデン語で記されました。
さらにルーネベリは、現在のフィンランドの国歌「我らの地(Maamme」の歌詞を作曲した人物として知られています。
スウェーデン語で書かれた「我らの地」は、1848年の学生集会で初めて演奏されました。1863年にはフィンランド語に翻訳され、ロシア帝国から独立後の1919年に正式にフィンランドの国家に認定されました。
ルーネベリが残したこの功績の大きさから、先述したように彼の誕生日である2月5日は「ルーネベリの日」に制定されています。
また、ルーネベリタルトは2月5日までの期間限定品と先ほど述べましたが、ルーネベリの故郷であるポルヴォーでは、一年を通してルーネベリタルトが販売されています。
「シーズン外の時期だけどフィンランドでルーネベリタルトが食べたい」という人は、ポルヴォーのカフェに行ってみましょう。
ルーネベリタルト誕生の経緯
ルーネベリタルトはフィンランドの詩人ヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリに由来するスイーツですが、誕生まではどのような経緯があったのでしょうか。
ルーベネリタルトの開発者と言われているのが、ルーネベリの奥さんであるフレデリカ・ルーネベリです。
ルーネベリは甘党として知られ、創作活動の傍らラズベリーケーキをよく食べていました。
そしてフレデリカ・ルーネベリはある日、カップケーキの上にラズベリージャムを乗せたケーキを夫のために作りました。彼女が作ったこのケーキが、現在のルーネベリタルトの原型と言われています。
ルーネベリタルトのレシピのポイント
ルーネベリタルトの生地は、小麦粉、バター、卵、アーモンドプードルを使ってカップケーキのように作られます。
生地の口当たりはしっとりとしており、アーモンドプードルの食感がアクセントとなっているそうです。
また、ラム酒やオレンジピール、カルダモンなどを用いて香りを付けることがあります。
さらに北欧のクリスマスに登場するジンジャークッキーを砕いて生地に入れるのがレシピのポイントの一つです。
フレデリカ・ルーネベリが初めてルーネベリタルトを作る際にも、余り物のジンジャークッキーがレシピに使われました。
このようにルーネベリタルトはシンプルなレシピながら、生地のほのかな甘みと、ジンジャーやカルダモンによるスパイシーさが絶妙にマッチした絶品と言われています。
まとめ
フィンランド発祥のお菓子、ルーネベリタルトは、円柱形のケーキ生地にラズベリージャムをトッピングしたコンパクトなスイーツです。
このケーキは、19世紀の詩人ヨハン・ルードヴィッヒ・ルーネベリの妻が彼の誕生日に作ったケーキがルーツとされています。
ルーネベリは、フィンランドの国歌を作詞した著名な人物であり、彼の誕生日である2月5日に合わせて、フィンランド国内でこのケーキが食べられるようになります。
ルーネベリタルトは、2月5日までの期間限定品ですが、ポルヴォーのカフェでは年間を通じて販売されています。