【ブラックサンドビーチ】アイスランド南部に広がる漆黒の海岸
砂浜といえば白い砂をイメージされる方も多いと思いますが、北欧アイスランドには海岸一帯に黒色の砂浜が広がるスポットがあります。
この砂浜はブラックサンドビーチと呼ばれ、希少な光景から多くの旅行客が訪れるアイスランドの名所になっています。
ここでは、黒い砂浜のブラックサンドビーチについて、なぜ砂浜の色が黒いのか、どんなところが見どころなのかを紹介していきます。
ブラックサンドビーチの特徴
アイスランド南部の海岸線には、通称ブラックサンドビーチと呼ばれる、黒色の砂浜の海岸が広がっています。
砂浜=白色というイメージを覆す光景ですが、黒い砂浜と白い波飛沫のグラデーションは非常に神秘的とされています。
では、なぜこのような黒色の砂浜が誕生したのでしょうか。
実はブラックサンドビーチの正体は、火山岩の一種である玄武岩です。
黒い砂浜はよく見ると、細かく砕けた玄武岩の集まりとなっています。
火山のマグマが海水で急速に冷却され、固まってできた火山岩が、さらに海流で少しずつ研磨されます。
こうして丸みを帯びた黒い石となり、海岸に打ち上げられた細かい火山岩が集まって、黒い砂浜からなるブラックサンドビーチとなるのです。
また、ブラックサンドビーチという名称は、玄武岩で作られた海岸の総称であり、アイスランド国内にはいくつかのスポットが存在しています。
ここでは、その中でも人気の高いレイニスフィヤラとダイヤモンドビーチの2つのブラックサンドビーチを紹介しましょう。
六角形の岩壁が名所のレイニスフィヤラ
アイスランドにあるブラックサンドビーチの中でも、特に有名なのが南部に位置するレイニスフィヤラという海岸です。
ここでは美しい黒色の砂浜の他に、六角柱の形状をした珍しい岩壁を見ることができます。
六角柱や五角柱の形状は、地質学的には柱状節理(ちゅうじょうせつり)と呼ばれる自然現象によるものです。
この現象は、溶岩が冷えて固まる際に溶岩の体積が収縮することで直線的な断面が発生するため、その形状が生まれるとされています。
さらにレイニスフィヤラでは、地中や海面からニョキっと突き出した奇怪な形をした岩も旅行者の間で人気となっています。
こちらも黒い海岸と同じく玄武岩でできており、大きなものでは60mを超えるものもあるようです。
氷塊が打ち上げられるダイヤモンドビーチ
アイスランド南西部にあるダイヤモンドビーチという海岸は、レイニスフィヤラとは異なり、砂浜に打ち上げられた氷河の塊を見ることができます。
浜辺に上がる氷河はブレイザメルクルヨークトル氷河から分裂したもので、オブジェを思わせるほどの精巧さです。
黒い砂浜を背景に輝く透明な氷塊は、「ダイヤモンドビーチ」という名称通り非常に幻想的な光景となっています。
まとめ
ここではアイスランドの海岸線沿いに続く漆黒のビーチ、ブラックサンドビーチを紹介しました。
黒い砂浜は玄武岩が海流や波によって研磨・粉砕され、丸い石となったものが集まって誕生します。
アイスランドには何カ所かのブラックサンドビーチがあり、レイニスフィヤラやダイヤモンドビーチなどでは自然が生み出した美しい景観を見ることができます。