フィンランドと言えば豊かな自然やスローライフなど、のんびりとしたイメージがあるかもしれません。
その一方でフィンランドのIT/ビジネス部門のトップを牽引しているのが、オウルという都市です。
ここではフィンランドのオウルという街について、その特徴や歴史、観光名所などを紹介していきます。
オウルの特徴や歴史

今回紹介するオウルは、世界各地からIT分野で注目を集める、発展著しい先進的な都市の1つです。
オウルは首都ヘルシンキから北に600kmほど、フィンランドの中西部のボスニア湾沿いの場所にあります。
人口20万人ほどの中規模の都市であり、1958年創立のオウル大学をはじめとするIT(ICT)・教育部門が充実しています。
オウルの歴史は古く、400年以上前の1605年にスウェーデン国王カール9世によって建設されました。
なぜスウェーデン国王の名前が出るのかというと、オウル設立当時の17世紀フィンランドはスウェーデンの支配下だったためです。
ちなみにフィンランドは1815年には支配国がスウェーデンからロシア帝国に変わり、1917年の独立まではロシア領だった歴史もあります。
IT分野で注目を集めるオウル

オウルはフィンランド国内の中でもテクノロジー分野の最先端を走る都市です。
オウルはオウル川の水流を利用した水力発電により工業部門が発展し、特にIT産業においては世界各地から企業が進出しています。
無線通信分野の研究で有名なオウル大学、オウル応用科学大学という2つの大学も有し、ビジネスパーソン及び研究者の教育・育成基盤が整っていることも魅力です。
数多くのIT系スタートアップ企業が集まることから、オウルは「北欧のシリコンバレー」とも呼ばれています。
歩行者天国のカウプリエンカトゥ通り
オウルはビジネス地としてはもちろん、北欧の自然やグルメを満喫できる観光地の側面もあります。ここからはオウルの街のスポットについて紹介していきましょう。
まず、ショッピングを楽しむなら、オウルの中心部にあるカウプリエンカトゥ通りがおすすめです。
カウプリエンカトゥ通りは街のメインストリート、かつ歩行者天国でもあります。
通り沿いにはカフェやレストランなど様々なショップが連なり、地元民や観光客で賑わいを見せています。
オウル最大の市場、トリンランタ市場

買い物をするなら、トリンランタ市場にも足を運んでみましょう。
トリンランタ市場はオウル最大のショッピングマーケットです。
トリンランタ市場は赤レンガ造りの立派な外観が特徴的です。
一方で内部は倉庫を思わせる開放的な空間が広がり、数多くの店舗が並ぶマーケットとなっています。

北欧の海鮮類から肉類、ご当地グルメはもちろん、北欧雑貨など幅広い商品が販売されていますよ。
また、オウルのトリンランタ市場前には、ボビー像と呼ばれる警察官のオブジェが設置されており、オウルのシンボルとなっています。こちらも是非見ておきましょう。
18世紀に建築されたオウル大聖堂
オウル大聖堂はフィンランドで国教として定められている福音ルター派教会に属する教会です。
オウル大聖堂は、1777年にスウェーデン王グスタフ3世によって建築されました。
1822年には火災によって建物の一部が焼失する事件もあり、現在のオウル大聖堂は1845年に修復されたものとなります。
オウル大聖堂の外観には淡い黄色が施され、内観も上品な白色を基調とした美しい佇まいとなっています。
エアギター選手権など芸術面でも話題
オウルはITの都市というイメージが強いですが、エアギター選手権やオウル国際子ども・青年映画祭といった文化的な催し物も盛んに行われています。
ちなみに1996年から始まったエアギター選手権では日本人選手も参加しており、中には優勝を勝ち取った人物もいます。
エアギター選手権に関しては以下の記事で取り上げているので、こちらも是非チェックしてみてください。

まとめ

ここまでフィンランドのIT分野を牽引するオウルという都市について紹介してきました。
世界中からIT系企業が進出し、若き起業家や投資家からも注目を集める都市でありながら、エアギター選手権など一風変わったイベントも見どころです。
また、野うさぎや野鳥といった野生動物や四季折々の植物が広がるアイノラン公園など、北欧らしい自然あふれるエリアもあります。
天気の良い日には、街中をゆっくり散歩してみるのも良いかもしれませんね。
