【ブルーベリーパイ】フィンランドで振る舞われる夏の味覚
フィンランドでは、夏に旬を迎えるブルーベリーを使用した「ブルーベリーパイ」が人気となっています。
夏になると、太陽をたっぷりと浴びた甘酸っぱいブルーベリーをバケツ一杯に収穫するフィンランド人。そして、収穫したフレッシュなブルーベリーを使って自宅でブルーベリーパイを焼き、家族や友人と一緒に味わうのが彼らの夏の楽しみ方なのです。
今回は、日本でも簡単に作ることができるフィンランドのブルーベリーパイについて紹介します。
フィンランドでも人気のブルーベリーパイ
サクサクとしたパイ生地の上にたっぷりとブルーベリーを盛り付けたブルーベリーパイは、日本でもベリー類を使用したスイーツが大人気です。
そして北欧フィンランドでも夏の味覚として、あるいはコーヒーのお供として日常的に食べられているポピュラーなお菓子です。
レシピの種類も幅広く、フィンランドの家庭で焼かれているブルーベリーパイは、パイ生地からタルト生地、ヨーグルトやホイップクリームを添えたりなど、家庭ごとに様々なスタイルのレシピがあります。
フィンランドではブルーベリーパイを「ムスティッカピーラッカ(Mustikkapiirakka)」と呼びます。フィンランド語で「ムスティッカ(Mutikka)」はブルーベリー、「ピーラッカ(Piirakka」はパイを意味しています。
ちなみに、フィンランドでは甘いお菓子系パイから、キッシュなど食事系パイをまとめて「ピーラッカ(Piirakka)」と呼んでいます。
例えば、フィンランドのカレリア地方の郷土料理であるカレリアンピーラッカもその1つです。
ブルーベリーパイは、フィンランドをはじめ北欧では一年を通して食べられています。その中でも特にブルーベリーパイの消費量が上がるのが、フィンランドでベリーが旬を迎える7月〜8月の夏の季節だと言われています。
https://hokuou-info.com/2021/12/18/karjalanpiirakka/北欧ではベリーは馴染みあるフルーツ
フィンランドを含む北欧諸国では、ブルーベリーやラズベリーといったベリー類が最も身近なフルーツの1つとして親しまれています。
北欧全土に広がる森の中には、野生のブルーベリーが至る所に実をつけており、北欧独自の法律である自然享受権によって、森に自生しているブルーベリーは誰でも自由に収穫することができます。
また、北欧は夏の季節には白夜という現象が起こり、一日中太陽が沈まずに外が明るい時間が続きます。夏の白夜によって、自生するベリーは生育に必要な日光を十分に浴びることができます。
そのような恵まれた気候条件も相まって、北欧では栄養がたっぷり詰まった瑞々しいベリーが育ちやすいのです。
同時に北欧で暮らす人々にとって、夏に収穫できるベリーは作物が育たない冬を乗り切るための貴重なビタミン源となっています。
古くから北欧では夏に収穫したブルーベリーを、砂糖漬けにして瓶詰めしたり、冷凍したりすることで冬の保存食として利用してきました。
北欧で認められている自然享受権
「自然享受権」というのは、北欧独自の法律であり、たとえ私有地であったとしても、誰でも自由に森の中に出入りし、野生のキノコやベリー類を採集することができる権利です。
この権利は、自国民だけでなく海外からの旅行者にも認められています。
そして、フィンランドでも夏になると多くの人が森の中に入って旬を迎えたブルーベリーを収穫します。
森で収穫したブルーベリーは、自宅でジャムやソースにしたり、余った分は冷凍して保存されます。
また、摘みたての新鮮なブルーベリーを使ってブルーベリーパイを焼き、友人や家族に振舞うことも夏のお馴染みの光景とされています。
フィンランドでは湖畔にコテージを所有している人も珍しくありません。
白夜のおかげで明るい時間が長い夏の季節には、焼いたブルーベリーパイを皆で囲ってパーティを開くことも多いそうです。
https://hokuou-info.com/2021/04/30/right-to-enjoy-nature/ブルーベリーパイのレシピ
フィンランドのブルーベリーパイのレシピとして、まずパイ生地にはバター、卵、砂糖、小麦粉をボウルに入れて混ぜ合わせます。
一方、トッピングには、ブルーベリー、バニラシュガー、酸味を加えるためのレモン汁、そしてフィンランドの発酵乳製品である「ヴィーリ(viili)」が使われます。
「ヴィーリ(viili)」という食品は、日本ではあまり聞き馴染みがないかもしれません。ヴィーリは、牛乳を発酵させた、とろりとした粘りと酸味が特徴のフィンランドの発酵食品です。
味わいや口当たりは日本のヨーグルトに近いとされています。日本では水切りしたヨーグルトで代用可能です。
また、ブルーベリーは冷凍したものを使った方がコストもかからず、余った分はそのまま保存できるのでおすすめです。最後に、200℃のオーブンで30分前後焼き上げれば完成です。
まとめ
甘酸っぱい味わいが魅力のブルーベリーは、そのまま食べるのはもちろんのこと、ブルーベリーパイにするとより一層美味しく食べることができます。
北欧フィンランドの家庭で人気のブルーベリーパイは、日本にある食材でも簡単に作ることができるので、是非挑戦してみてくださいね。