ノルウェーには、2つの塔からなるモダンなデザインのオスロ市庁舎があります。
市庁舎は、ノルウェー人アーティストの作品展示やノーベル平和賞授賞式の会場など、さまざまな用途で活用されています。
ここでは、オスロ市庁舎に焦点を当て、その誕生の背景や展示されている美術品、そしてなぜノーベル平和賞の授賞式がオスロ市庁舎で行われるのかを解説していきます。
オスロ市庁舎の特徴
オスロ市庁舎は、ノルウェーの首都オスロに位置し、ピーペル湾に面しています。
1950年にオスロ市制900周年を記念して建てられました。
市庁舎の建設は1931年に始まりましたが、第二次世界大戦により中断され、1950年に完成を迎えます。
オスロ市庁舎は、市庁舎のイメージとは異なる、モダンで洗練されたデザインも特徴です。
オスロ市庁舎は、赤茶色の重厚な外観で、入口の左右にはさらに2棟の建物がそびえ立っています。
また、内部は宮殿のようなモダンな造りになっています。
オスロ市庁舎のモダンなデザインは、ノルウェー人建築家のアーンスタイン・アーネバーグとマグナス・ポールソンによって生み出されました。
中に展示された芸術作品の数々
オスロ市庁舎には市議会会議場とオスロ市長室があり、日々オスロの行政運営の中心となっています。
役所としての機能を持ちながら、多くの芸術作品が展示され、ノルウェーを代表する観光名所の一つとなっています。
オスロ市庁舎は2階建てで、1階にはノーベル平和賞の授賞式が行われる中央ホールがあります。
床は大理石、壁にはヴァイキング時代から続くノルウェーの歴史をテーマにした壮大な絵画が飾られ、まるで美術館のような佇まいです。
また、陶磁器などの美術品を鑑賞できるギャラリースペースも併設されています。
ギャラリーでは、エドヴァルド・ムンクなどのノルウェー人画家の作品を展示しています。
エントランスの両脇には、北欧神話をモチーフにした木彫りがあり、見どころの一つです。
北欧神話について事前に勉強しておくと、より作品を楽しむことができます。
ノーベル平和賞授賞式の会場
毎年12月10日、オスロ市庁舎でノーベル平和賞の授賞式が行われます。
ノーベル平和賞は、軍備の縮小、環境保護、世界情勢の改善などに貢献した個人や団体に贈られるノーベル賞の一つです。
近年では、世界の飢餓を撲滅するために食糧支援を行う国連機関「世界食糧計画(WFP)」が2020年にノーベル平和賞を受賞しています。
ノーベル賞といえば、スウェーデンのストックホルム市庁舎で行われる授賞式が有名です。
しかし、6つのノーベル賞のうち、ノーベル平和賞だけは例外で、ノルウェーのオスロ市庁舎で開催されます。
ノーベル平和賞だけがノルウェーで開催されるのは、アルフレッド・ノーベルがスウェーデンとノルウェーの永遠の平和を願い、両国の和解と協力のためにノーベル平和賞を創設したからだと言われています。
まとめ
オスロ市庁舎は、オスロ市の行政・自治の窓口であり、ノーベル平和賞の授賞式が行われる場所です。さらには多くの絵画や彫刻が展示されている有名な観光名所でもあります。
オスロ市庁舎からは、地平線まで広がるオスロ・フィヨルドの景色を楽しむことができます。
また、オスロ中心部からのアクセスも便利であるため、ノルウェー観光の際にはぜひ立ち寄ってみてください。