デンマークのコペンハーゲンには、今から800年以上前の1167年に建てられた「クリスチャンボー城」という宮殿があります。
クリスチャンボー城は、デンマークの王族による公式行事や、外国の要人の迎賓館として使われるだけではありません。
国会、最高裁判所、内閣府というデンマークの3つの中央官庁の中心地としても知られています。
今回は、長い歴史を持ち、コペンハーゲン発祥の地とも呼ばれるクリスチャンボー城の特徴について詳しく紹介します。
クリスチャンボー城とは?
「クリスチャンボー城(Christiansborg Palace)」は、デンマークの首都コペンハーゲンのスロッツホルメン島にある壮麗な宮殿です、
宮殿の起源は12世紀に建てられた要塞で、その古い歴史からコペンハーゲン発祥の地として知られています。
現在、クリスチャンボー城は主にデンマーク女王の謁見など王室の公式行事や政府の迎賓館として使用されます。
また、クリスチャンボー城には国会、最高裁判所、内閣府があり、デンマークの司法、立法、行政の3部門が集まる重要な場所となっています。
クリスチャンボー城の歴史
クリスチャンボー城は、1167年にデンマークの政治家であり大司教であったアブサロンによって建てられた要塞が前身です。
クリスチャンボー城は、他の北欧諸国にある宮殿とは大きく異なり、3つの時代の建築様式が混在して建てられているのが特徴です。
クリスチャンボー城は1794年と1884年の2度にわたる大火災に見舞われ、再建のたびにその時々の新しい建築様式が導入されました。
その後も何度も改修が行われ、1928年に現在のデザインになりました。
その結果、16世紀から17世紀にかけてイタリアで生まれたバロック様式、18世紀にフランスで古典主義建築を理想として生まれた新古典主義建築、19世紀前半にバロック様式の復興としてヨーロッパで流行したネオバロック様式の3つの建築様式によって、独特の装飾美が生まれたのです。
宮殿内外の見所
クリスチャンボー城は、中世の石造りの重厚で威厳のある外観が特徴です。
内部はシャンデリアや絵画、優雅な漆喰の装飾に囲まれています。
クリスチャンボー城は一般公開されており、豪華な内装や当時のデンマーク王室の暮らしを見学できます。
城内には、歴代のデンマーク王室の居住区や、世界各国の王族や要人を迎える迎賓館「ロイヤル・レセプション・ルーム」などがあります。
また、1990年に現デンマーク女王マルグレーテ2世の50歳の誕生日に贈られた、デンマークの歴史をテーマにした17枚のタペストリーも展示されています。
タペストリーは、デンマーク出身のアーティストであるBjørn Nørgaardによって作成されました。
外の中庭には、12世紀にクリスチャンボー城の前身となる要塞を築いたアブサロン大司教のブロンズ像が立っています。
現在のクリスチャンボー城は優雅な宮殿であり、外から見ると要塞の面影はほとんど残っていません。
しかし地下には当時の城跡が残されており、こちらも観光の見所となっています。
クリスチャンボー城にそびえる高さ106mの塔はデンマークで最も高い建物であり、無料で登れます。
塔は2014年に一般公開されたばかりです。頂上からはコペンハーゲンの歴史ある古い街並みが一望でき、絶好の撮影ポイントとして有名です。
まとめ
クリスチャンボー城は、中世のヨーロッパで12世紀に建てられた美しい石造りの宮殿です。
建設から800年以上経った現在でも、デンマークの政治や外交における重要な施設として、コペンハーゲンを代表するランドマークのひとつとなっています。
また、北欧をはじめ世界中から多くの観光客が訪れるデンマークの人気観光地でもあります。