スウェーデン

【メーラレン湖】スウェーデンで3番目に大きい広大な淡水湖

メーラレン湖
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スウェーデンの首都ストックホルムの西側には、スウェーデンで3番目に広い淡水湖である「メーラレン湖」があります。

古ノルド語を語源とする言葉が多く残る湖周辺には、ヴァイキング時代から数々の歴史的な城や要塞が築かれ、スウェーデンの文化や経済に関わってきました。

ここでは、メーラレン湖の特徴や歴史、湖と関わりの深い歴史的スポットを紹介していきますので、ぜひ読んでみてください。

スウェーデン第3の湖であるメーラレン湖

メーラレン湖は、スウェーデン南西部に位置する淡水湖です。

別名「メーラル湖」とも呼ばれ、スウェーデン国内ではヴェーネルン湖、ヴェッテルン湖に次ぐ3番目に巨大な湖として知られています。

メーラレン湖全体の面積は1140㎢で、最も深い場所で64mと言われています。

ちなみに、日本最大の湖である琵琶湖の面積が約670㎢なので、メーラレン湖は琵琶湖の2倍近い広さがあります。

また、「メーラレン」という名称は、8世紀から14世紀にかけてスカンジナヴィア諸国で用いられていた古ノルド語で、「礫を表す「mælir」に由来していると言われています。

北欧神話にも登場する湖

中世に北欧一帯で話されていた古ノルド語が語源のメーラレン湖は、古くからスウェーデンの文化や記録にその名が登場しています。

実は北欧神話の「ゲフィオンの国引き」にも、メーラレン湖という名称が使われています。

「ゲフィオンの国引き」を簡単に説明すると、題名にもなっている女神ゲフィオンは神々の王オーディンから「新たな土地を開拓せよ」という命令を受けます。

ゲフィオンはスウェーデン国王ギュルヴィをたぶらかし、彼の所有する国土を、自身の4人の息子を牛の姿に変えて耕作し領土にしたという内容です。

そして、ゲフィオンが土地を開拓する際に生まれた巨大な跡地に雨水が溜まり、やがて「メーラレン湖」と呼ばれる大きな湖が生まれたのです。

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メーラレン湖周辺にある名所を紹介

メーラレン湖は、古くからスウェーデンの歴史と共にあり、湖の周辺には中世の遺跡や城など、数多くの世界遺産もあります。ここでは、メーラレン湖にある名所をいくつか紹介していきたいと思います。

グリプスホルム城

グリプスホルム城は、メーラレン湖の湖畔に佇み、14世紀に要塞として建築された古城です。

ボー・ヨンソンという人物によって1380年頃に建てられた後、1526年にはスウェーデン王グスタフ・ヴァーサに押収され、スウェーデン王室の居城として利用されました。

さらに1713年からおよそ60年間は監獄として使われ、時の権力者によって様々な目的に利用されてきた城なのです。

現在では、16世紀の歴史的価値の高いコレクションなどが展示される観光名所として一般公開されています。

グリプスホルム城
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ドロットニングホルム宮殿

メーラレン湖のローベン島には、1991年に世界遺産に登録されたドロットニングホルム宮殿があります。

ドロットニングホルム宮殿は、スウェーデン王室の離宮であり、「北欧のヴェルサイユ宮殿」とも称される美しさも有名です。

ドロットニングホルム宮殿を知りたい人は、こちらの記事も読んでみてください。

ドロットニングホルム宮殿
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ビルカとホーヴゴーデン

メーラレン湖には、1000以上にも及ぶ大小様々な島があります。そして1993年には、ビェルケ島のビルカ、アデルスユー島のホーヴゴーデンという遺跡が世界遺産として登録されました。

ビェルケ島にあるビルカは、ヴァイキング時代に海賊たちの交易都市として繁栄した都市遺跡です。

ビルカの遺跡からは、装飾品や青銅製品など、中世当時の交易の様子を伝える数多くの調度品も出土しています。

その記録から、ビルカを占領していたヴァイキングは、東欧からイスラム世界に至る広大な交易販路を持っていたことが判明しています。

また、ビルカには831年に聖アンスガルが建築した、スウェーデン最古のキリスト教の集会所もあります。

一方で、ビェルケ島に隣接したアデルスユー島のホーヴゴーデンも、1993年にビルカと共に世界遺産に登録された遺跡です。

ホーヴゴーデンは、10世紀から11世紀にかけてヴァイキングが占領し、彼らが去った後にはスウェーデン王宮が置かれました。

ホーヴゴーデンは、ビルカから目と鼻の先にあり、当時交易で莫大な経済力を持っていたビルカを監督する行政府の役割も果たしました。

14世紀にスウェーデンの首都がストックホルムに移されるまで、ビルカとホーヴゴーデンの両都市は、スウェーデン経済の基盤だったのです。

まとめ

ここまで、スウェーデンのメーラレン湖について紹介してきました。

メーラレン湖は、日本最大の湖である琵琶湖の2倍近い大きさがあり、その雄大な自然景観は観光で訪れた人を魅了して止みません。

また、ヴァイキング時代の都市遺跡であるビルカやホーヴゴーデン、スウェーデン王家の王宮など、メーラレン湖周辺には数多くの世界遺産が見ることができます。

ストックホルムからメーラレン湖へは日帰りで向かうことができ、湖周辺の島々を巡る観光ツアーも開催されているようです。

スウェーデン旅行の際は、是非メーラレン湖も候補に加えてみてください。