デンマークのコペンハーゲンには、北欧神話に出てくる女神ゲフィオンの伝説がベースとなった、「ゲフィオンの噴水」というスポットがあります。
事前にゲフィオンに関する北欧神話を勉強しておくと、より楽しめるスポットとなっています。
今回は北欧神話を起源とするデンマーク・コペンハーゲンの名所「ゲフィオンの噴水」について、モチーフとなったゲフィオンの北欧神話と合わせて紹介します。
ゲフィオンの噴水とは?

ゲフィオンの噴水とは、北欧神話に登場する女神ゲフィオンの伝説をモチーフに建築された噴水です。
涼しげな噴水の上には、女神ゲフィオンが手に持った鞭で4頭の牛を打とうとしている、躍動感と迫力ある銅像がそびえ立ちます。
さらに轟々と勢いよく水が噴き出す迫力ある噴水も特徴です。一方で夜になるとライトアップされた幻想的な光景も眺めることができます。
こちらのゲフィオンの噴水は、デンマークの首都コペンハーゲン市内にあります。
デンマークのコペンハーゲンと言えば、古くから北欧の玄関口として栄えた港町であり、街の中には至る所に運河も流れています。

また、「人魚姫」「みにくいアヒルの子」など世界的にも有名な童話作家クリスチャン・アンデルセンの故郷でもあります。
コペンハーゲンでは絵本の世界から飛び出してきたかのような、美しい街並みが広がります。
そしてゲフィオンの噴水の壮観な佇まいも、コペンハーゲンの風景に見事にマッチしていると評判です。
北欧神話に登場する女神ゲフィオンについて

ゲフィオンの噴水の由来になっているのが、北欧諸国に古来から伝わる北欧神話に登場する、実りを司る女神ゲフィオンです。
ゲフィオンは北欧神話において、最高神オーディンを頂点とするアース神族に属する女神の1人として知られています。
そしてコペンハーゲンに建築されたゲフィオンの噴水は、息子達を牛に変身させ働かせることで広大なスウェーデンの土地を得たという、ゲフィオンに関する物語の一場面を表現しています。
ゲフィオンの伝説をベースとしたスポット

ゲフィオンの噴水は、北欧神話に伝わる1つの物語がモデルとなって設計されました。
その物語というのが、一晩の間に耕した分のスウェーデンの大地を新しい土地として与えるというスウェーデン王の言葉を受けて、自身の4人の息子たちを牛の姿に変えて耕地を耕し続け、最終的にはコペンハーゲンのシェラン島を創造するに至った、という内容です。
より詳しく説明すると、まずゲフィオンはオーディン王の指示により新しい土地を探すべく、スウェーデンのギュルヴィ王の元に出向きます。
そこでゲフィオンは、ギュルヴィ王から「一晩で耕せた範囲だけ土地を与える」と言われます。
その後ゲフィオンは巨人族の住む国であるヨトゥンヘイムを訪れ、そこで巨人と4人の男児を作りました。
そして自身の4人の息子達を猛々しい牛の姿に変え、彼らを引き連れて土地を耕しました。
そうして獲得したのがセルンド島、現在のコペンハーゲンのシェラン島だと言われています。
ちなみにコペンハーゲンは元々スウェーデン王国の領土であり、コペンハーゲンの土地もかつてはスウェーデン領とみなされていました。
また、デンマークのフレデリクスボー城の壁画にも、ゲフィオンが4頭の牛を引き連れて土地を耕す場面を描いた絵画が展示されています。

まとめ

ゲフィオンの噴水は、事前にゲフィオンと4頭の牛に関する北欧神話を予習として勉強しておくと、より深く楽しむことができます。
ゲフィオンの噴水の周辺には、カステレット要塞や聖アルバン教会といったコペンハーゲンの有名スポットも集まっているので、デンマーク観光の際には是非立ち寄りたい場所と言えます。
