カフェでコーヒーを注文する際に、シナモンロールを一緒に注文する人も多いかもしれません。しかし、シナモンロールが元々スウェーデン発祥のお菓子であることをご存知でしょうか?
スウェーデンのコーヒー文化である「Fika(フィーカ)」でも、シナモンロールは欠かせないお菓子の1つとして知られています。北欧ではとてもポピュラーで、スウェーデンから世界に広がったお菓子です。
今回は、そんなスウェーデンのシナモンロールの魅力について紹介します。
シナモンロールはスウェーデン発祥
シナモンロールは、砂糖とシナモンを混ぜた生地を渦巻状に巻き、焼き上げた見た目も特徴的なお菓子です。
その愛らしい外観はもちろん、香ばしく焼きあげた砂糖の甘味とシナモンの香りがたまらなく、日本でも人気があります。
このシナモンロールは、フィンランド・ヘルシンキを舞台にした2006年公開の映画「かもめ食堂」でも登場しました。映画を見た人の中には、すぐにベーカリーに向かった人もいたとか。
実はシナモンロールの発祥は、北欧のスウェーデンにあるのをご存知ですか?
スウェーデンでは、シナモンロールは「Kanelbulle(カネルブッレ)」と呼ばれ、カネルはシナモン、ブッレは菓子パンを意味します。
また、スウェーデンのコーヒー文化であるFika(フィーカ)でも、シナモンロールは欠かせないお菓子の一つとなっています。
Fikaは、毎日10時と15時に小休止を挟んでコーヒーや紅茶、甘いお菓子を楽しむ習慣です。最近では、日本でも徐々に知名度が上がってきています。
スウェーデンのフィーカといえば、コーヒーや紅茶、そしてスウェーデンのお菓子たちが欠かせません。
その中でも、シナモンロールは特に人気が高く、フィーカで頻繁に楽しまれるスイーツの1つです。
シナモンロールといえば、その名の通りスパイスのシナモンが必須ですが、スウェーデンではカレーにも使われるカルダモンというスパイスもよく使われています。
第一次世界大戦後にスウェーデンで広まる
シナモンロールはスウェーデン発祥の菓子で、その歴史は約100年前の第一次世界大戦後にまで遡ります。
大戦中、スウェーデンは中立を宣言し、同じく北欧諸国のノルウェー・デンマークと共に非参戦国として戦時下を過ごしました。
しかし、食料品の規制が行われ、小麦粉や砂糖などの輸入品は規制されました。終戦後になってようやく、家庭でも食材の入手ができるようになり、入手できた材料をもとに作られたのがシナモンロールです。
ただし、当時はまだまだ原材料の値段は高価であり、シナモンロールは一部の富裕層がカフェで注文して食べることが一般的でした。
1920年代の終戦後になって、原材料の流通改善とともに一般家庭でも作られるようになりました。
1950年代から60年代にかけて、欧州への輸出が拡大したことで好景気になります。
そして、スウェーデンでもシナモンロールに使われる材料が手軽に入手できるようになりました。
当時は専業主婦が多かったため、家庭での焼き菓子として急速に消費量が増え、現在ではスウェーデンの一般的なお菓子の1つになっています。
10月4日はシナモンロールの日
スウェーデン人のシナモンロール愛が表れるのは、10月4日の「シナモンロールの日」です。
この日は、スウェーデンのホームベーキング協会が創立40周年にあたる1999年に制定されました。
スウェーデンで制定された日付は浅いですが、毎年10月4日になると多くのスウェーデン人がベーカリーに足を運ぶそうです。
年間で最もシナモンロールの消費量が増える日であることから、スウェーデン人にとってシナモンロールがいかに人気のあるお菓子であるかが分かりますね。
まとめ
スウェーデン発祥のシナモンロールは、現在では日本をはじめ、世界各地で親しまれているお菓子であり、カフェタイムの定番となっています。
皆さんも休日には、本場スウェーデン式の食べ方に倣って、コーヒー片手にシナモンロールを楽しんでみてはいかがでしょうか。