スウェーデンには、「ショクラードボッラル」と呼ばれるチョコレート菓子があります。
一口サイズの丸い見た目が特徴のチョコボールとして、スウェーデンではフィーカのお菓子としても好まれています。
レシピも簡単で調理に火を使わないので、お菓子作り初心者でも作ることができますよ。
今回はスウェーデンで人気のチョコボール、ショクラードボッラルについて詳しく解説をしていきます。
フィーカにも欠かせないお菓子、ショクラードボッラル

ショクラードボッラル(Chokladbollar)とは、コロコロとした可愛らしい見た目が特徴の、スウェーデンで人気にチョコボールのことです。
スウェーデンをはじめ、北欧のケーキ店やカフェで販売されているチョコレート菓子となっています。
ショクラードボッラルのレシピは非常にシンプル。必要な材料をボウルに入れて混ぜ合わせて、手で一口サイズの大きさに丸めるだけです。

材料も基本的には、バターに砂糖、常温のコーヒー、ココアパウダー、オートミール、そして最後に丸めた後に表面にまぶすココナッツフレークがあれば作ることができます。
チョコケーキといった他のチョコレート菓子のように、「チョコレートを一旦溶かして〜」という面倒な手順も必要ありません。
お菓子作り初心者でも手軽に作ることができるのも魅力ですね。
ショクラードボッラルは、レシピは簡単ではありますが、その味はチョコレート愛好家も多いスウェーデンの人々を満足させるほどの逸品です。
例えば、スウェーデンにはフィーカ(Fika)と言われる、伝統的なコーヒーブレイクの習慣があります。

コーヒー消費量が世界トップクラスの北欧スウェーデンならではのフィーカですが、コーヒーと一緒に食べるペストリー(甘いお菓子)も必需品です。
フィーカのペストリーとしては、定番のシナモンロールをはじめ、チョコケーキやチョコクッキーといったチョコレート菓子もよく食べられています。

そしてショクラードボッラルも、フィーカのお菓子として選ぶ人が多い、スウェーデンにおける人気のペストリーの1つなのです。
スウェーデンでもチョコは大人気

スイーツの中でも、特にファンが多いチョコレート。日本をはじめ世界中のスイーツ好きを虜にするチョコレート人気は、もちろんスウェーデンも例外ではありません。
フィーカでのコーヒーのお供として、あるいは休日のちょっとしたおやつまで、様々なシーンでチョコレートは食べられています。
例えばスウェーデンのチョコレート人気を表したイベントとして、2002年から毎年10月の季節にストックホルムで開催されている、「Chokladfestibalen (ショクラードフェスティバレン)」があります。
日本風に言えば、「チョコレートフェスティバル」です。
2012年まではストックホルムの北方民族博物館を会場として開かれ、2013年以降はストックホルムメッサという国際展示場の施設で開催されています。
2014年からはイベントの名称が変わり、「Bak-&Chokladfestivalen(バーク&ショクラードフェスティバレン)」と呼ばれるようになりました。

開催期間は3日間となっており、その期間中には90店舗を超えるスウェーデン国内外のお菓子店やケーキ店が集まり、パティシエチョコレートが販売されます。
2002年から続くスウェーデンの「チョコレート・フェスティバル」を主催しているのが、自身もパティシエであるマグヌス・ヨハンソン氏です。
実はマグヌス氏は、あのノーベル賞の晩餐会で振る舞われるデザートを担当したほど優秀なパティシエなのです。

イベント開催のきっかけとなったのは、1994年にマグヌス氏がパリを訪れたときに出会った、パリのチョコレートフェスティバルです。
マグヌス氏はパリのチョコレートフェスティバルからインスピレーションを得て、自国のスウェーデンでも同様のイベントを開催しようと考えたのです。
そうして2002年に、同じくパティシエのトニー・オルソン氏と共同で、現在のスウェーデン版チョコレートフェスティバルが開催されたのです。
ショクラードボッラルのレシピ

ショクラードボッラルのレシピは簡単で、チョコレート菓子特有の難しい調理工程やテクニックは必要ありません。
必要な材料としては、ココアパウダー、バターに砂糖、冷ましたコーヒー(液体)、生地のベースとなるオートミール、最後に表面に振りかけるココナッツフレークです。
バターは事前に冷蔵庫から取り出して、常温に戻しておきます。
そしてボウルの中にココナッツフレーク以外の材料を全て投入し、手のひらでボール状になるよう1つずつ丸めます。

最後にサクサクとした食感を加えるために、チョコボールの表面にココナッツフレークをまぶせば完成です。
生地がまとまりにくい時には、少量のココナッツオイルを加えることで、オイルがつなぎとなって丸めやすくなります。
また、レシピの中に肝心のチョコレートが無いことに気がついた人もいると思います。

実はショクラードボッラルに限らず、スウェーデンの多くのチョコレート菓子にはチョコレートそのものは使用されていません。
代わりに用いられるのがココアパウダーです。
スウェーデンではココアパウダーを入れることで、チョコレートの風味と色合いを出しているのです。
さらに、コーヒーが盛んに飲まれているスウェーデンでは、ショクラードボッラルにも冷ましたコーヒーを少量入れます。
コーヒーのほろ苦さと風味が加わることで、チョコレートの甘さがより際立つそうですよ。

そしてショクラードボッラルが、他のチョコレート菓子のレシピと比べて最も異なる部分として、調理の過程で火を一切使用しないことがあります。
元々チョコレート自体を使用しないので、チョコレートを鍋にくべて溶かす必要もなく、ケーキのようにオーブンで焼き上げることもしません。
ショクラードボッラルは火も使わず、調理手順も簡単な時短レシピとあって、お菓子作り初心者はもちろん、スウェーデンの家庭では小さな子供と一緒に作ることも多いというチョコレート菓子となっています。
まとめ

ショクラードボッラルのレシピの材料は、スーパーでも簡単に購入できるものばかりです。
アレンジレシピも豊富にあるのも魅力で、ココアパウダーやオートミールなど基本の材料に、ドライフルーツやナッツなどお好みの食材を追加してオリジナルのショクラードボッラルを作ることもできます。
特別な調理器具も一切使わないので、普段お菓子作りをしない人でもすぐに自宅で作ることができますよ。
