北欧デンマークで「スモーブロー」と言われる、塩漬けニシンやローストポーク、野菜類をたっぷりとライ麦パンの上に盛り付けたサンドイッチを食べるのがランチタイムの定番となっています。
酪農と養豚が盛んなデンマークならではの豊富な具材、そのボリュームや見た目のカラフルさも特徴です。
今回はそんなデンマークの名物料理、スモーブローについてご紹介します。
デンマークの定番ランチ、スモーブロー
デンマークのランチタイムで定番の料理とされているのが、スモーブローと呼ばれる伝統的なオープンサンドイッチです。
薄くスライスしたライ麦パンやバゲットの上に、肉や魚、乳製品や野菜といったトッピングをたっぷりと盛り付けられているのが特徴です。
スモーブロー(Smørrebrød)は、デンマーク語でバターを意味する「Smørre(スモー)」、パンを意味する「brød(ブロー)」が合わさった言葉で、直訳するとバターが塗られたパンということになります。
デンマークでは元々、スモーブローは前日の残り物をシンプルにパンに乗せただけの料理でした。
現在では職場や学校でのランチで定番のメニューとして、あるいはカジュアルなファストフードとして、デンマークの国民的な料理となっています。
スモーブローの独特な食べ方として、一般的なサンドイッチのように手でつかんで食べるのではなく、ナイフとフォークを使ってパンとトッピングを一口大に切り分けて食べるという方法があります。
スモーブローはオープンサンドイッチ形式で、トッピングがパンの上に盛り付けられているため、ナイフとフォークを使うと食材がこぼれ落ちたりする心配がないのです。
スモーブローに使用される食材とは?
スモーブローに必要な材料は、パン、スプレッド、そしてポレッグです。
土台となるスライスしたパンは、ライ麦パンを使うのが定番です。
また、スプレッドは、ジャムやクリームなどパンの表面に塗るものを指します。
そして、ポレッグはスモーブローのトッピングに使う具材のことです。
メインとなる肉や魚、味や見た目を整えるハーブや野菜・果物など自分好みの食材を選び、パンが隠れるほどふんだんに盛り付けるのがポイントです。
程よい酸味があるライ麦パンが定番
スモーブローでは、充実した味わいと程よい酸味があるライ麦パンが好んで使われます。
北欧諸国では寒冷な気候でも育つライ麦が伝統的に食べられてきたためです。
もちろん、ライ麦パン以外にも食パンやフランスパンのスライスを使うこともできます。
肉に魚、乳製品までデンマークの特産をトッピング
具材であるポレッグにも、デンマークの特色が現れています。
デンマークは九州地方ほどの面積でありながら国土の約62%が農業用耕地であり、養豚と酪農といった畜産業が国内の主要産業となっています。
また、ユトランド半島に位置し国土全体が海に囲まれているデンマークは、世界有数の漁業国の1つに数えられています。
そのため、スモーブローにもデンマーク特産の食材が目白押し。
パンに塗るスプレッドには、サワークリームやバター、レバーペーストがよく使用されます。
具材であるポレッグにも、ローストポークや塩漬けニシン、野菜類、果物、卵、チーズなどが豊富に使われます。
肉類以外にも、スモークサーモンやニシンの塩漬け、エビなどの海鮮類が人気の食材です。
また、ゆで卵やトマト、アボカドなどの野菜類も頻繁に使用されます。
その日の気分や好みに応じて、自由に具材をトッピングすることができるため、見た目も華やかなスモーブローが完成します。
まとめ
デンマークの国民的料理であるスモーブローは、ランチのお弁当はもちろん、専門店も多く出店されるほど幅広いシーンで食べられています。
ライ麦パンの上にクリームやバターを塗り、具材をトッピングするというシンプルな料理ながら、自由自在に好みの食材を盛れるため、メニューの幅が広く、見た目もおしゃれです。
材料さえ揃えれば、日本でも簡単に作ることができるので、明日のお昼のお弁当にいかがでしょうか。