スウェーデントーチは、キャンプなどのアウトドアで親しまれている焚き火です。
切れ目を入れた丸太に直接点火する、ワイルドで豪快な使い方が特徴です。
スウェーデントーチという名前から、スウェーデン発祥と思われがちですが、フィンランドが発祥と言われています。
今回は、キャンプで盛り上がること間違いなしのスウェーデントーチをご紹介します。
スウェーデントーチの特徴
スウェーデントーチとは、地面に垂直に立てた丸太に火をつけて点火する焚き火のことです。
追加で薪をくべる必要がない、セルフ・フィーディング・ファイアという焚き火法に分類されます。
スウェーデントーチの正式名称は、「スウェディッシュトーチ(Swedish torch)」です。
「スウェーデンの〜」を意味する「Swedeish」という言葉通り、17世紀にスウェーデン兵が野戦時の焚き火として使ったことから、現代のようにスウェーデントーチと呼ばれるようになりました。
他にも、その見た目からウッドキャンドルとも呼ばれます。
スウェーデントーチは、丸太に直接点火するシンプルな焚き火です。
しかし、その自然と調和したスタイルや野趣あふれる姿から、今ではキャンプでのアウトドアアイテムとして人気を集めています。
フィンランドのかがり火が起源
スウェーデントーチという名前から、おそらく大半の人が「スウェーデン発祥の焚き火なのかな?」と考えるはずです。
実は、スウェーデントーチの発祥の地は、隣国のフィンランドです。
スウェーデントーチの起源は、フィンランドで古くから使われている「かがり火」だと言われています。
フィンランドではかがり火は「コッコ(Kokko)」と呼ばれています。
フィンランドでは毎年夏至にユハンヌスという夏至祭が行われます。
夏至祭では、湖のほとりで大きなかがり火を焚いて、夏の到来を祝います。
当初はフィンランドで生まれたかがり火は、その後スウェーデンに伝わりました。
スウェーデントーチの名が広まったのは、1618年から1648年まで中欧を中心に戦われた宗教戦争「三十年戦争」の頃です。
当時、スウェーデンも三十年戦争に参戦しており、スウェーデンの兵士たちは戦場で暖を取るために焚き火を使いました。
兵士たちが囲んだ焚き火はスウェーデントーチと呼ばれるようになり、各地に広まっていきました。
ユハンヌス(夏至祭)については、こちらもご覧ください。
キャンプでの楽しみ方
スウェーデントーチは、キャンプなどのアウトドアを中心に、ナチュラルテイストの焚き火として日本でも人気を集めています。
キャンプ場では、火種として切れ目に木片や新聞紙を入れて火をつければ、簡単に焚き火として使えます。
丸太の大きさにもよりますが、一般的な高さ50cmのスウェーデントーチで、およそ2〜3時間燃焼します。
キャンプでは、スウェーデントーチを地面に置いて焚き火にしたり、上部の平らな場所に鍋をセットして調理器具として使用も可能です。
そのまま地面に置くとバランスが不安定になるので、平らな台の上に置いて使うのがポイントです。
スウェーデントーチの作り方
スウェーデントーチは、既製品をネット通販で購入できます。
よりこだわりたい方やDIYが得意な方は、専門店で販売されている丸太を購入し、チェーンソーやのこぎりを使って、手作りのスウェーデントーチを作成してみましょう。
丸太は、主にスギの木が使われます。
スギの木は木質が柔らかく乾燥しているので着火しやすく、何より入手が簡単ということで特に好まれています。
スウェーデントーチを作る工程はシンプルで、丸太にチェーンソーやノコギリで垂直に、8分目ほどの深さまで切れ込みを複数入れます。
この切り込みによって、丸太の内部に酸素が行き渡り、より長く燃焼させられます。
切れ込みは十字型になるよう2本、あるいは米印になるよう4本入れるのが一般的です。
切れ込みの数が少ないと酸素の流入効率が低くなり火は小さくなりますが、代わりに長時間燃え続けます。
対照的に切れ込みの数が多いと一度に大量の空気が入るため、大きく派手な火がつきます。
個人で静かに焚き火を楽しむか、あるいはキャンプファイヤーみたいに大人数で囲って盛り上がるか、シーンに応じたスウェーデントーチを作りましょう。
まとめ
スウェーデントーチは、フィンランドの焚き火が起源といわれ、17世紀の30年戦争でスウェーデン軍が焚き火として使用したことで有名になりました。
1本の丸太に直接火をつける、通常のキャンプファイヤーとは異なる焚き火を楽しめます。
また、キャンプ場でスウェーデントーチの火をつけるときは、安全第一を心がけ、キャンプ場の規則に従って適切に消火・処理することを忘れないようにしてください。