自然豊かな北欧で愛されている果物といえば、ブルーベリーやリンゴンベリーなどのベリー類が真っ先に挙がる人も多いのではないでしょうか。
定番のブルーベリー以外にもさまざまな種類のベリーがあり、「クラウドベリー」もそのひとつです。
クラウドベリーは日本ではあまり知られていないベリーですが、北欧ではフィンランドの2ユーロ硬貨のデザインに使われているほど有名なベリーです。
今回は、クラウドベリーの詳しい特徴をご紹介したいと思います。
クラウドベリーとは?
クラウドベリーは、ブラックベリーやラズベリーと同じバラ科キイチゴ属に分類されるベリーの一種です。
主な生息地は、フィンランド中部・北部などヨーロッパ北部の寒冷地となります。
日本にもクラウドベリーは自生しており、東北から北海道にかけての亜寒帯地方で見られます。
クラウドベリーはブルーベリーやリンゴンベリーと同様、北欧で盛んに食べられているベリーです。
クラウドベリーは指で簡単につぶすことができるほど果肉が柔らかく、爽やかな甘酸っぱさを楽しめます。
そのため、現地の人は摘みたてを生で食べることが多いです。
日本では、クラウドベリーは「ホロムイイチゴ」という和名でも知られています。
ホロムイイチゴの名前の由来は、日本で最初にクラウドベリーが発見されたのが北海道岩見沢市の幌向(ほろむい)という地域だったからだと言われています。
美しい琥珀色の果実
クラウドベリーの実をよく見ると、表面が平らで光沢のあるブルーベリーとは異なり、小さな実がいくつか集まって1つになったような独特の凹凸があります。
見た目だけでなく、クラウドベリーは鮮やかな琥珀色の果実も特徴です。
北欧では、クラウドベリーは初夏から晩夏にかけて旬を迎えます。
6月に開花した後、果実が徐々に熟すにつれて、色合いが緑から赤、そして美しい琥珀色に変化します。
琥珀色になったときが、果肉が最も甘く柔らかくなり、収穫のベストタイミングと言われてます。
北欧では、クラウドベリーはその鮮やかな琥珀色の果実から「北極圏の金」と呼ばれています。
特にフィンランドでは、2ユーロ硬貨のデザインに描かれているほど、クラウドベリーは広く親しまれているベリーです。
北欧でもクラウドベリーは高級品
クラウドベリーは、日本ではほとんど見かけない珍しいベリーです。
クラウドベリーは北欧でもなかなか手に入らないベリーで、北欧の市場では高価なベリーの一つです。
これは、クラウドベリーの旬が7月下旬から8月上旬と短い期間しかないためです。
また、クラウドベリーは沼地などの水辺に自生するベリーであり、他のベリーに比べて生息地が限定されています。
さらに手作業での栽培が難しいため、野生のクラウドベリーは収穫の際に摘み取るのが一般的です。
つまり、クラウドベリーは旬の時期が短く、生息地が限られ、栽培や収穫が難しいため、ベリーが身近な北欧でも比較的高価なベリーとなっています。
新鮮なクラウドベリーを加工したクラウドベリージャムも、毎朝の朝食でパンに塗る日常的なジャムとしてではなく、パーティーや来客用など、ちょっと贅沢な場面で使われることが多いようです。
クラウドベリーの美味しい食べ方
クラウドベリーは、甘酸っぱい味わいと柔らかい果肉が特徴で、北欧では生食されることが多いベリーです。
口に入れると、果肉の中にある小さな種の食感を楽しめます。
クラウドベリーは余った分は冷凍したり、砂糖と一緒に煮てジャムに加工されます。
クラウドベリーの実は柔らかく潰れやすいので、実はジャムにも向いています。
北欧の家庭では、収穫したクラウドベリーを砂糖と一緒に鍋で形が崩れるまで煮込み、トロトロのジャムに仕上げるそうです。
日本と同じように、作ったジャムはパンケーキやワッフルに甘みを加えたり、お菓子のデコレーションの材料として使われます。
ちなみに、北欧ではリンゴンベリーも有名で、スウェーデン名物のミートボールをはじめ、北欧の伝統料理の付け合わせに使われるベリーです。
しかし、リンゴンベリーは生では酸っぱく、ジャムなどに加工するのが一般的です。
クラウドベリーは生食、リンゴンベリーはジャムに加工され、北欧のキッチンでは料理やシーンによって様々なベリーが使われています。
北欧で古くから食べられているリンゴンベリーについて詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
まとめ
色鮮やかな琥珀色のクラウドベリーを食卓に飾れば、一気に食卓が華やぎます。
クラウドベリーはブルーベリーやラズベリーと比べるとまだまだマイナーなベリーかもしれませんが、輸入雑貨店などでクラウドベリージャムを見かけたら、ぜひ買ってみてください。