【スウェーデン語文法#42】不定代名詞 någon / något / några

スウェーデン語の不定代名詞 någon / något / några は、「誰か」「何か」「いくつかの〜」という意味を表します。
これらは修飾する名詞の性(共性・中性)や数(単数・複数)によって形が変わるのが特徴です。また、名詞と一緒に使う場合と、単独で使う場合があります。
このレッスンでは、スウェーデン語の不定代名詞 någon / något / några について、基本の使い方や変化のルールなどを解説します。
1. 不定代名詞 någon / något / några の基本
スウェーデン語の不定代名詞 någon / något / några は、特定されていない人や物、あるいは不特定の数量を指すときに使われます。
英語に置き換えると、someone, something, some に近い意味を持ちます。
そして、スウェーデン語の名詞には共性名詞と中性名詞があり、それによって någon / något / några を使い分けます。
形 | 用法 | 名詞の性・数 | 例 |
---|---|---|---|
någon | 共性名詞を修飾 | 単数・共性 | någon bok(何らかの本) |
något | 中性名詞を修飾 | 単数・中性 | något hus(何らかの家) |
några | 複数名詞を修飾 | 複数(共性・中性) | några böcker(いくつかの本) |
単数形は漠然とした「何らかの〜」を表し、複数形 några は「いくつかの〜」という数量を示します。
2. 名詞を修飾する用法
最も基本的なのは、någon / något / några を名詞の前に置いて修飾する形です。
このとき、名詞の性・数によって正しい形を選ぶ必要があります。
- Har du någon bok?
(本を持っていますか?)
→ 単数・共性名詞 bok を någon で修飾。 - Hon äger något hus vid sjön.
(彼女は湖のほとりに家を持っている)
→ 単数・中性名詞 hus を något で修飾。 - Vi har några idéer för projektet.
(私たちはそのプロジェクトについていくつかアイデアがあります)
→複数形 idéer を någraで修飾。
この用法は、質問文や肯定文で特によく使われます。否定文では別の形(ingen / inget / inga)に置き換わる点に注意しましょう。
3. 単独で使う用法
någon / något / några は名詞を伴わずに単独で使うこともできます。この場合、対象は文脈から推測されます。
någon(誰か):人を指す
- Det finns någon här.(ここに誰かがいる)
- Känner du någon i den här staden?(この街で誰か知っていますか?)
något(何か):物や事を指す
- Jag hörde något ute på gatan.(外の通りで何かを聞いた)
- Vill du äta något?(何か食べたいですか?)
några(何人か/いくつか):複数の対象を指す
- Jag känner några från den festen.
(あのパーティーの何人かを知っています) - Det finns några kvar i kylskåpet.
(冷蔵庫にいくつか残っています)
någon は「特定されていない誰か」、något は「特定されていない何か」を意味します。
これは、日本語の「あの人」や「その物」のように特定しているわけではなく、あくまで不特定の対象を指します。
4. 否定文での使い分け
någon / något / några は肯定文や疑問文で使われるのが基本です。
否定文では、ingen / inget / inga に置き換えて表現します。
- Har du någon bok?(本を持っていますか?)
- Nej, jag har ingen bok.(いいえ、本は持っていません)
このルールは英語の some / any の関係に近く、混同しやすいポイントなので要注意です。
5. まとめ
- någon / något / några は不特定の人・物・数量を表す不定代名詞です。
- 修飾する名詞の性(共性・中性)と数(単数・複数)によって形が変わります。
- 名詞とともに使う用法と、単独で使う用法の2パターンがあります。
- 否定文では ingen / inget / inga に置き換えます。