文法
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#40 スウェーデン語の複合動詞|動詞+副詞の使い方と例文解説

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Haruno

スウェーデン語でよく使われる表現に「複合動詞」があります。

複合動詞とは動詞に副詞を組み合わせた表現で、もとの動詞とは意味が大きく変わるのが特徴です。

ここではスウェーデン語の複合動詞の基本ルールと、その使い方を解説していきます。

1. 複合動詞の基本:動詞 + 副詞

スウェーデン語の複合動詞は、動詞と副詞を組み合わせた表現です。

複合動詞の特徴は、「動詞の意味」が副詞によって変化・拡張する点です。

例えば、kasta(投げる)に ut(外へ)をつけた “kasta ut“ は、「外に投げる・追い出す」という全く別の意味を持つ表現になります。

単独動詞複合動詞意味
kasta(投げる)kasta ut放り出す・追い出す
gå(行く)gå in中に入る
ta(取る)ta av脱ぐ・取り外す
komma(来る)komma fram到着する

このように複合動詞では、もとの動詞に「方向性・結果・比喩的な意味」を加えることで、動詞の意味をより繊細に表現できます。

2. 意味が変化する複合動詞

注意点として、複合動詞になることで独自の意味が生まれ、動詞と副詞を直訳しても意味が通らない場合があります。

例えば以下のケースでは、「動詞+副詞」の直訳に対して、実際の意味が大きく乖離しています。

複合動詞備考意味
kasta utkasta(投げる)+ ut(外)外に放り出す、追い出す
ta på sigta(取る)+ på sig(自分の上に)身につける、着る
ta av sigta(取る)+ av sig(自分から離す)脱ぐ
komma inkomma(来る)+ in(中)中に入ってくる
gå bortgå(行く)+ bort(遠くへ)外出する、亡くなる(婉曲)
se uppse(見る)+ upp(上)注意する
ge uppge(与える)+ upp(上へ放棄)諦める

“se upp”(注意する)や“ge upp”(諦める)など、意味が比喩的・慣用的になっているものも多いため、ひとつの動詞としてそのまま覚えるのが効果的です。

3. 動詞+前置詞句との区別

複合動詞と似ている構造に、「動詞+前置詞句」があります。

この2つは文法的にも機能的にも異なるため、区別することが大切です。

3-1. 複合動詞(動詞+副詞)

動詞と副詞が密接に結びつき、ひとつの新しい動詞の意味を形成します。

  • Han kastar ut soporna.
    (彼はゴミを投げ出します)
  • Han kastar inte ut soporna.
    (彼はゴミを捨てません)
  • Kastar han ut soporna?
    (彼はゴミを捨てますか?)

3-2. 動詞+前置詞句

「動詞+前置詞句」のケースでは、複合動詞とは異なり、動詞と前置詞が文法的に独立しているのが特徴です。

  • Jag tänker på dig.
    (私はあなたのことを考えている)
    →「tänka(考える)+ på(〜について)」
  • Hon litar på honom.
    (彼女は彼を信頼している)
    → 「lita(信頼する)+ på(〜に対して)」

このように「動詞の意味」はそのままで、「前置詞+目的語」を使って補足的に情報を加える形となっています。

4. まとめ

  • スウェーデン語の複合動詞は、「動詞+副詞」の形で新たな意味を作る表現です。
  • 「動作+方向/状態/比喩的な意味」を、1つの動詞として表現できます。
  • 複合動詞は、直訳で意味が通らないこともあるため、表現ごとに覚えるのが効率的です。
  • 「動詞+前置詞句」との違いを理解することで、文の構造を正確に把握できるようになります。

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