【スウェーデン語文法#60】提案・依頼表現

スウェーデン語では、相手に「〜しませんか?」と提案したり、「〜していただけますか?」と依頼したりする表現がよく使われます。
日常会話では、直接的な言い方を避け、控えめで丁寧な響きを持たせることが重要です。
今回は、提案や依頼をする際に使うスウェーデン語表現について、基本的な文型と具体的な例文を解説します。
1. 提案表現の基本
スウェーデン語で提案するときによく使われるのが ska(〜しよう)や skulle(〜したらどうでしょう)です。
1-1. ska を使った直接的な提案
「ska vi + 動詞の原形」は「〜しよう」という意味を持ち、シンプルに相手を誘うときに使います。
- Ska vi gå på bio?(映画に行きましょうか?)
この場合、話し手と相手が一緒に行動することを前提とした提案になり、友人や家族との会話でよく使われます。
1-2. skulle を使った控えめな提案
「skulle vi + 動詞の原形」は、“ska vi 〜” よりも丁寧な提案表現です。
- Skulle vi kunna träffas imorgon?
(明日会うのはいかがでしょうか?)
skulle は ska の過去形で、提案で使うと「〜しませんか?」という柔らかいニュアンスになります。
”ska vi〜?“ よりも間接的で、ビジネスや初対面の相手に対しても使えます。
2. 依頼表現の基本
依頼をするときには、kan(〜できますか)や skulle kunna(〜していただけますか)を使います。
2-1. kan を使った依頼
“kan du〜?” は「〜してくれる?」という意味で、カジュアルな依頼の仕方です。英語の “Can you〜?”に相当します。
- Kan du hjälpa mig?(手伝ってくれる?)
友人や家族に対して使うことが多く、日常会話の基本表現です。
2-2. skulle kunna を使った丁寧な依頼
依頼をさらに丁寧にするときは “skulle du kunna〜?” を使います。
- Skulle du kunna öppna fönstret?
(窓を開けていただけますか?)
この表現は「もし可能であれば〜していただけますか?」というニュアンスを含み、相手への配慮を示す言い方になります。
3. 会話でよく使われる表現
提案・依頼に使える便利な定型表現をまとめると次のようになります。
表現 | 日本語訳 | 用途・ニュアンス |
---|---|---|
Ska vi + 動詞 | 〜しようか? | 直接的な提案 |
Skulle vi + 動詞 | 〜しませんか? | 丁寧で控えめな提案 |
Kan du + 動詞 | 〜してくれる? | カジュアルな依頼 |
Skulle du kunna + 動詞 | 〜していただけますか? | 丁寧な依頼 |
Vad sägs om att + 動詞 | 〜するのはどうですか? | アイデアを出すとき |
Vill du + 動詞 | 〜したいですか? | 相手の意向を尋ねる |
これらの表現は会話で頻繁に使われるため、丸ごと覚えてしまうと便利です。
4. 控えめな響きを出すための工夫
スウェーデン語では、過去形を使うことで表現を柔らかくすることがあります。これは依頼や提案をする際に特に役立ちます。
- Ville du ha lite kaffe?(コーヒーはいかがですか?)
現在形 vill(〜したい)を使う “Vill du ha〜?” よりも、過去形 ville による “Ville du ha〜?” の方が控えめで丁寧な印象になります。
他にも、次のような表現も可能です。
- Tänkte du följa med oss?(一緒に来ませんか?)
ここでは tänkte(思っていた)を使うことで、「〜しませんか?」という提案が間接的に表現されています。
このようにスウェーデン語では、直接的な言い方を避けて相手に配慮することが会話をスムーズにする鍵になります。
これらの表現を使い分けて、丁寧で自然なコミュニケーションを目指しましょう。
5. まとめ
- 提案には “ska vi〜?”(直接的)と “skulle vi〜?”(控えめで丁寧)の2種類があります。
- 依頼する際は、“kan du〜?”(カジュアル)と “skulle du kunna〜?”(丁寧)の使い分けが重要です。
- “Vad sägs om〜?” や “Vill du〜?” もよく使われる便利な定型表現です。
- 過去形を使うと依頼や提案をさらに控えめにでき、柔らかい印象になります。