【スウェーデン語文法#13】形容詞の一致(性・数)と基本語順

スウェーデン語の形容詞は、名詞を修飾するときに「性(共性・中性)」や「数(単数・複数)」に応じて形が変化します。これは、英語では見られない特徴のひとつです。
また、形容詞の置き方にも基本的な語順があります。たとえば「赤い車」は en röd bil のように形容詞が名詞の前に来ます。
このレッスンでは、スウェーデン語の形容詞がどのように変化するのか、そして語順上のルールについて解説していきます。
1. 形容詞の一致とは?
スウェーデン語の名詞には、共性名詞と中性名詞の2種類があります。
そして、形容詞は名詞とともに使うとき、名詞の性(共性/中性)や数(単数/複数)に応じて形容詞の語尾が変化します。
例えば、「大きい犬」「大きい家」「大きい犬たち」と言いたいとき、それぞれの名詞に合わせて「大きい(stor)」の形を調整します。
- en stor hund(1匹の大きな犬)→ hund(犬)は共性名詞・単数
- ett stort hus(1軒の大きな家)→ hus(家)は中性名詞・単数
- stora hundar(何匹かの大きな犬)→ hundar(犬たち)は複数
このように、形容詞は「名詞に合わせて変化する」ことで、文法的な一致を保つのが特徴です。
この一致には、以下の3つのパターンがあります:
- 名詞が共性名詞か中性名詞か
- 名詞が単数か複数か
- 形容詞が名詞の前にあるのか、述語として使われるのか
まずは、最も基本的なパターンから順に見ていきましょう。
2. 形容詞の基本的な変化ルール
形容詞の変化形は大きく分けて以下の3つです:
名詞のタイプ | 形容詞の形 | 備考 |
---|---|---|
共性名詞(単数) | 原形(そのまま) | 一般的なパターン |
中性名詞(単数) | 語尾に -t を付ける | 中性名詞の場合 |
複数名詞(en / ett を問わず) | 語尾に -a を付ける | 名詞の性に関係なく変化 |
例えば、「röd(赤い)」という形容詞は以下のように変化します:
- en röd bil(赤い車)
→ 共性名詞 bil を修飾するので、röd は原形 - ett rött äpple(赤いリンゴ)
→ 中性名詞 äpple を修飾するので、語尾に -t を付ける - två röda hus(2軒の赤い家)
→ hus(複数形)を修飾するので、語尾に -a を付ける
また、形容詞の中には語幹の変化を伴うもの(例:god → gott → goda)もありますが、基本的には語尾変化のみを覚えれば大丈夫です。
3. 語順の基本:形容詞は名詞の前に置く
スウェーデン語では、形容詞は原則として修飾する名詞の前に置きます。
これは日本語や英語と同じ語順で、比較的わかりやすいポイントです。
- en stor bok(大きな本)
- ett kort brev(短い手紙)
- gamla hus(古い家々)
この語順は「前置修飾」と呼ばれ、文の構成要素としても自然な順序です。
複数の形容詞を並べる場合も、同様に名詞の前に置きます。
- en vacker, gammal stad(美しくて古い町)
- ett stort, vitt hus(大きくて白い家)
複数の形容詞を使うときは、それぞれの形容詞が名詞の性・数に合わせて正しく変化しているか確認しましょう。
4. 形容詞が述語になる場合:補語としての使い方
形容詞は、名詞の前に置くだけでなく、文中で述語(補語)として使われることもあります。
このときも形容詞は、主語となる名詞の性・数に合わせて一致させる必要があります。
- Bilen är röd.(その車は赤い)
→ 共性名詞 Bilen → röd(原形のまま) - Huset är stort.(その家は大きい)
→ 中性名詞 Huset → stort(原形 stor) - Barnen är glada.(その子どもたちはうれしい)
→ 複数形 Barne → glada(原形 glad)
この構文は、主語(名詞)+動詞(är)+形容詞(補語)という形で成り立ち、形容詞の性・数の一致は常に主語に依存します。
5. まとめ
- スウェーデン語の形容詞は、修飾する名詞の「性(en / ett)」と「数(単数 / 複数)」に応じて変化します。
- en + 単数 → 原形(例:röd)
- ett + 単数 → -t を付ける(例:rött)
- 複数 → -a を付ける(例:röda)
- 語順は「形容詞 + 名詞」が基本で、形容詞は名詞の前に置かれます。
- 形容詞が述語(補語)になる場合でも、主語の性と数に合わせて形が変化します。