母の日といえば、日頃お世話になっている母親にカーネーションを贈る祝日として日本でもお馴染みです。
母の日は世界的にも広まっており、北欧フィンランドでも同様です。フィンランドでは花をプレゼントする以外にも、母親に朝食を作ってあげるという独自の習慣もあります。
そこで今回はフィンランドで母の日はどのように祝われているのか、母の日誕生の歴史も含めて紹介していきます。
フィンランドの母の日の特徴
「母の日」は母親に感謝を伝える祝日として世界的にも有名な祝日です。
フィンランドでも母の日は存在し、日本と同じく毎年5月の第二日曜日に定められています。また、フィンランドでは母の日は1918年に制定されました。
母の日には、「ヒュッヴァー・アイティエンパイヴァー(Hyvää äitienpäivää)」という、母親に良い母の日をという意味のフィンランド語の挨拶が用いられ、この日を祝います。
日本と同様に、子どもたちは、母親にメッセージカードやプレゼントを贈ります。フィンランドでは、カーネーションではなく、ミニバラまたは「ヴァルコブオッコ」と呼ばれる花が贈られることが一般的です。
さらに、フィンランドには、日本とは異なる独自の習慣もあります。母の日当日の朝、子どもと父親が母親のベッドに朝食を運び、母親はゆっくりと朝食を楽しむ、というものです。
母の日のシンボルであるヴァルコブオッコ
フィンランドで母の日を代表する花であるヴァルコブオッコは、ヨーロッパ原産のキンポウゲ科イチリンソウ属に分類される多年草の花です。
日本ではヤブイチゲ、もしくはイチリンソウという名前でも知られています。
ヴァルコブオッコは4月から6月の春の季節に開花します。そして開花時期がちょうど母の日の時期と重なるため、次第にフィンランドで母の日に贈る花として定着していきました。
ヴァルコブオッコは白く可憐な花弁が特徴で、フィンランドでは野原から森林まで幅広い場所に自生しています。
毎年春にはまるで白い絨毯を敷き詰めたかのように、地面一面にヴァルコブオッコの花が咲き誇るのだそうです。
母の日が誕生するまで
今では母の日は毎年の恒例行事として世界各地で行われていますが、母の日は一体いつ頃誕生したのでしょうか。
母の日の起源については古代ローマや17世紀のイギリス発祥説など、複数の説があります。
その中で最も有力と言われているのが、20世紀初期のアメリカ発祥という説です。
1907年5月12日、アメリカのフィラデルフィアの教会で社会活動家のアン・ジャービスという人物の追悼式が行われます。
アン・ジャービスは南北戦争の負傷兵の救護や公衆衛生活動に尽力した人物として知られ、葬儀も生前の彼女にゆかりのある教会で執り行われました。
そして彼女の娘であるアンナ・ジャービスが、生前母親のお気に入りだった白いカーネーションを祭壇に捧げ、同様に参列者にもカーネーションを贈りました。
アンナ・ジャービスという少女が行ったこの出来事は、徐々にアメリカで広まっていきます。
そしてアン・ジャービスの追悼式が行われた日に基づいて、1914年にアメリカ政府が正式な祝日として「母の日」を制定したのです。
その後、アメリカを発端に世界各地で母の日が普及していきます。フィンランドでは1918年、日本では戦後の1947年に「母の日」が定められました。
まとめ
母の日はアメリカのアン・ジャービスと彼女の娘であるアンナ・ジャービスに由来する祝日です。
日本では母の日に贈る花としては、赤いカーネーションが一般的です。一方でフィンランドではヴァルコブオッコという白い花をプレゼントします。
また、子どもが母親に朝食を作ってゆっくり寛いでもらうなど、フィンランドならではの習慣もあります。