スウェーデン有数の港街、ヨーテボリには「魚教会」という建物があります。
その外観は教会そのものでありながら、実は内部は巨大なシーフード・マーケットとなっています。
今回は、美しい教会風の見た目を持つヨーテボリの魚教会について紹介したいと思います。
海運都市ヨーテボリのランドマーク、魚教会
スウェーデン有数の港街、ヨーテボリには、魚教会というシーフードマーケットがあります。
この建物は、一般的な魚市場とは異なり、クラシックな教会を思わせる美しい外観を持っています。そのため、スウェーデン語で「フェスケショルカ」と呼ばれ、多数の観光客にも人気があります。
そしてヨーテボリは、スウェーデンの首都ストックホルムに次ぐ第2の規模を持ち、北欧有数の港町としても知られています。
17世紀に建設されたヨーテボリは、大航海時代における海運拠点として、各国から貿易物資が集まる重要な街でした。
現在でも、市内の至る所に運河が張り巡らされており、貿易拠点としての歴史を感じさせる街並みが残っています。
魚教会も、ヨーテボリの運河沿いに位置し、旧市街と運河が織りなす美しい景観に見事に溶け込んでいます。
ゴシック建築の教会をモチーフとした外観
魚教会は、1874年にスウェーデンの建築家ヴィクター・フォン・ゲゲアフェルトによって建築されました。
ゴシック教会の建築様式を取り入れたことで、日本の魚市場とは趣向の異なる、大聖堂のような佇まいとなっています。
外観は、落ち着いた色合いのレンガ調が施され、白塗りの三角屋根が特徴的です。一目見ただけでは、魚市場だと気付くのは難しいかもしれませんね。
また、アーチ状の窓なども、誰が見てもまさしく教会のようです。
魚教会の特徴のひとつに、市場内に支柱がないことがあります。屋内は圧迫感を感じさせる柱の類がなく、開放的な空間が広がっています。
新鮮なスウェーデンフードが盛り沢山
魚教会は建物の外見こそ祈りの捧げる教会のようですが、扉を開けた先には礼拝堂の代わりにシーフード・マーケットが出迎えてくれます。
魚教会の内部は活気ある魚市場として、スウェーデン近海で水揚げされた魚介類が販売されています。
北欧名物として有名なサーモンからニシン、プリプリとした牡蠣をはじめとした貝類まで、多種多様な海鮮がずらりと棚に並ぶ光景が広がっているようです。
鮮魚はもちろん、シーフードサラダやグラタンといったお惣菜も販売されています。
ただ、自宅にキッチンがある地元ヨーテボリ市民ならまだしも、旅行客の場合だと調理する場所がない鮮魚はなかなか購入しづらいかもしれません。
そんな時に便利なのが、魚教会内のイートインもできるレストランです。
こちらでは購入した鮮魚を捌いてくれるサービスも行っているそうで、旅行の際でも気に入った魚があれば購入後すぐに味わえます。
レストランでは季節の魚介が盛り込まれたスウェーデン料理も食べられるそうなので、ヨーテボリ観光のランチのお店としても最適です。
レストランは吹き抜けの2階にあるので、席からは魚教会のマーケット全体を見渡せます。また、魚教会の外にはオープンテラス席も置かれており、晴れた日にはヨーテボリを流れる運河を眺めながら食事を楽しめます。
まとめ
魚教会は、ヨーテボリを初めて訪れた旅行者が見ると、ただの立派な教会にしか見えません。しかし、実際は海鮮が販売される、活気ある魚市場となっています。
ヨーテボリ市内には、この魚教会をはじめ、港町ならではのシーフード料理が美味しいレストランやカフェが軒を連ねています。新鮮なスウェーデングルメを満喫したい時には、ぜひ訪れてみましょう。