スウェーデンの首都ストックホルムにはストックホルム地下鉄という、都市と各地方を繋ぐ地下鉄の駅があります。
ストックホルム地下鉄はスウェーデンの交通の要所である一方、各駅にアート作品が描かれた美術館としての側面も持ちます。
そこで今回は「世界一長い美術館」と称される、ストックホルム地下鉄について紹介します。
ストックホルム地下鉄の概要
スウェーデンの首都ストックホルムには国内唯一の地下鉄であるストックホルム地下鉄が通っています。
総延長は105.7kmで、首都ストックホルムを中心にスウェーデン郊外まで路線が広がっています。
ストックホルム地下鉄には100駅あり、そのうち47駅が地下にあります。路線は全3種類あり、「ローダ線(赤)」「ブロー線(青)」「グローナ線(緑)」と、それぞれ色の名前が付けられているのが特徴です。
ストックホルムの公共交通網では、1933年にトラム路線が開業しました。
その後、1941年にストックホルムの地下鉄建築計画が立案され、従来のトラム路線を発展させる形で、1950年10月1日に最初の地下鉄路線が開通しました。
駅構内に描かれるアート作品
ストックホルム地下鉄は、スウェーデンおよび北欧初の地下鉄として誕生し、現在でも年間3億人近くが利用しています。
さらに、ストックホルム地下鉄には美術館としての側面もあります。具体的には、駅構内に数々のアート作品が展示されており、駅全体がある種の芸術空間となっています。
ストックホルム地下鉄の全90駅のうち、壁画、彫刻、オブジェなど多種多様なアート作品が展示されており、見ることができます。
ストックホルム地下鉄の各駅には、テーマに沿ったアート作品が展示されており、その点も特徴の一つです。
ストックホルム地下鉄内にアートが展示されるようになったのは、地下鉄が開業した1950年代初頭のことです。アーティストたちが、芸術をもっと身近に感じてもらいたいという思いから、壁画アートなどの制作を始めました。
現在では、ストックホルム地下鉄のアート作品は世界的にも知名度を誇り、「世界一長いアートギャラリー」とも称されています。
ストックホルム地下鉄の乗車方法
ここでは、ストックホルム地下鉄の乗車方法について紹介します。日本の地下鉄とは少し違う点があるため、注意が必要です。
まず、ストックホルム市内を走る地下鉄、バス、トラムなどの公共交通機関は、Storstockholms Lokaltrafik(通称SL)と呼ばれる企業が運営しています。これは、日本のJRのようなものです。
また、このSLが管理する公共交通機関では、一部を除いて、チケットと料金が全て共通になっているため、地下鉄やバスなど同じ切符で乗車できます。乗り物を乗り換えるたびに切符を購入する必要はありません。
料金の支払いに関しても、1回の乗車料金はどの交通機関でも同じです。
具体的には、地下鉄に乗車する際には、紙の乗車券を購入するか、SL Access Cardと呼ばれる交通系ICカードを利用します。スウェーデンでは、社会全体でキャッシュレス化が進んでいるため、基本的にICカードだけでも問題ありません。
ストックホルム地下鉄のチケットには、日本とは異なる種類があります。
まず、購入から75分間有効な使い切りの「シングルチケット(1回券)」があります。この切符は75分以内なら、地下鉄、バス、トラムなどの異なる交通機関でも何度も乗り換え可能です。また、料金も距離に関係なく一律で、1駅でも10駅でも同じ料金です。
また、一定期間内なら使い放題の「トラベルカード」もあります。トラベルカードは、24時間、72時間、あるいは7日間までの期間限定で、公共交通機関を何度でも利用できます。
チケットを何度も購入する手間が省けるため、スウェーデン旅行など複数回にわたり公共交通機関を利用する場合におすすめです。
長距離移動は1回券、数日間に渡り色々な場所を巡る場合はトラベルカードを使い分けることができます。目的や旅程に応じて使い分けましょう。
まとめ
ストックホルム地下鉄は1950年に開通した、ストックホルムの交通を支える公共交通機関です。
地下鉄として市民の生活を支える一方、駅構内には壁画アートなど様々なアート作品も描かれています。