スウェーデンには、「Kladdkaka(クラッドカーカ)」というチョコレートケーキがあります。
クラッドカーカはスウェーデン語で「べたっとしたケーキ」という意味で、その名の通り、しっとりとした口当たりのスポンジ生地が魅力のスイーツです。
今回はスウェーデン風チョコレートケーキ、クラッドカーカについて解説していきます。
クラッドカーカとは?
「クラッドカーカ(Kladdkaka)」とは、北欧のスウェーデンでよく食べられているチョコレートケーキです。
フランスの焼き菓子フォンダンショコラのように、中に溶けたケーキ生地が入っているのが特徴です。
表面は香ばしくサクサクしているのに対して、中は完全に火が通っていないため、しっとりとした優しい口当たりとなっています。
なぜそのような生地になるのかというと、他のケーキでよく使われるベーキングパウダーなどのふくらし粉を一切使っていないためです。
シンプルに材料を混ぜて焼いただけのケーキなので、ショートケーキのようなふわふわした食感ではなく、ペタペタとした独特の生地となります。
クラッドカーカの「クラッド」という言葉も、スウェーデン語で「ベタベタとした」という意味です。ちなみに「カーカ」はスウェーデン語で「ケーキ」を表しています。
クラッドカーカの始まりは失敗作のケーキ
クラッドカーカがスウェーデンで食べられるようになった経緯については、いくつかの説があります。
例えば、有力なのがクラッドカーカの起源はスウェーデンの家庭で作られた失敗作のケーキであるという説です。
第二次世界大戦間近の1938年、スウェーデンのとある家庭のキッチンでブラウニーを焼こうとしていた人がいました。
ケーキ作りにはふくらし粉としてベーキングパウダーが不可欠なのですが、当時の政情からベーキングパウダーは流通量が減少していたため、レシピで使用できませんでした。
仕方がないのでそのまま材料を混ぜて焼いたそうですが、ベーキングパウダーを入れていないので、当然生地は膨らまずにペタッとしたチョコレートケーキが完成してしまいます。
しかし、失敗作のケーキだったブラウニーもどきのケーキは意外に美味しく、徐々に他の家庭にも広まったのです。
また、他のスポンジケーキに比べてレシピがわかりやすいので、お菓子作り初心者や子どもでも簡単に作ることができたことも理由のひとつかもしれません。
そうしてベーキングパウダーを使わない、しっとりトロトロな食感のチョコケーキは、現在ではクラッドカーカとして親しまれています。
クラッドカーカのレシピ
クラッドカーカのレシピは、ベーキングパウダーなどの膨張剤を使わないことを除けば、普通のチョコレートケーキとほとんど同じです。
使用する材料は、卵、グラニュー糖、小麦粉、バター、ココアパウダーです。
スウェーデンなど北欧では、チョコレート菓子を作る際、レシピにチョコレートを使いません。
その代わり、チョコレートに色と風味をつけるために無糖のココアパウダーが使われるのが一般的です。
最初は、鍋でバターを温めて溶かします。そしてボールに卵と砂糖を入れて混ぜ、小麦粉とココアパウダーを加えます。
型に溶かしたバターを塗り、生地を流し込みます。その後、170℃に予熱したオーブンで20分ほど焼きます。
クラッドカーカのレシピでは完全には火を通さずに、ある程度レアの状態を残しておくのがポイントです。
そのため20分ほど焼いたら一度竹串で生地を刺してみて、中の状態を確認しましょう。
生地がまだ生で竹串につくようであれば、追加でもう2~3分ほど加熱します。
最後に、オーブンで焼いた後に少し冷まして、上から粉砂糖を振りかければ出来上がりです。
お好みでアイスやクリームをトッピングしてもよいでしょう。
まとめ
日本でもスウェーデンでも、チョコレートケーキは大人気のケーキです。
お馴染みのスポンジケーキとはまた違う、しっとりとした口当たりが特徴のスウェーデンのクラッドカーカを、是非今度の休日にでも作ってみてください。