初中級

【スウェーデン語文法#54】異態動詞の使い方

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Haruno
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スウェーデン語には「異態動詞」と呼ばれる特別な動詞群があります。

これらは見た目が受動態の形(語尾に -s が付いている)をしているにもかかわらず、意味は能動的であるという特徴を持ちます。

例えば、andas(呼吸する)、trivas(快適に感じる)といった動詞は、見た目は受動態に見えますが、意味としては能動的に作用します。

今回はこの異態動詞について、その構造や代表的な例・文法的特徴を解説していきます。

1. 異態動詞とは?

通常、スウェーデン語で動詞の末尾に -s がつくと、「〜される」という受動態になります。

  • Dörren öppnas.(ドアが開けられる)
  • Boken läses av många.(その本は多くの人に読まれる)

一方、異態動詞の場合、動詞の形は受動態の -s 形と見た目が全く同じです。しかし、その意味は「〜される」ではなく「〜する」となり、能動的に働きます。

  • Han andas lugnt.(彼は静かに呼吸している)
  • Hon trivs i Sverige.(彼女はスウェーデンで快適に暮らしている)

2. 異態動詞の代表例

以下に、スウェーデン語でよく使われる異態動詞をまとめました。

動詞意味例文
andas呼吸するHan andas lugnt.(彼は静かに呼吸している)
finnas存在するDet finns många böcker här.(ここにはたくさんの本がある)
trivas快適に感じる、満足するHon trivs i Sverige.(彼女はスウェーデンで快適に過ごしている)
lyckas成功するHan lyckades med provet.(彼は試験に合格した)
misslyckas失敗するHon misslyckades på tentan.(彼女は試験に失敗した)
minnas覚えているJag minns den dagen.(私はその日を覚えている)
hoppas望む、願うJag hoppas att du mår bra.(あなたが元気であることを願う)

3. 異態動詞の文法的特徴

3-1. 能動的な意味を持つ

異態動詞は見た目は -s で受動態のようですが、意味は能動的です。

  • Han andas.(彼は呼吸している)
  • Hon lyckas.(彼女は成功する)

「〜される」と訳すと不自然な意味になってしまうので、異態動詞と受動態動詞の見極めが大切になります。

3-2. 活用は通常の動詞と同じ

異態動詞も通常の動詞と同じ規則で活用します。

  • 現在形:Jag hoppas.(私は願っている)
  • 過去形:Jag hoppades.(私は願った)
  • 未来形:Jag kommer att hoppas.(私は願うだろう)

あくまで異態動詞は「語末が s で終わる通常の動詞」であり、決して特別な活用規則を持っているわけではありません。

3-3. 受動態との区別

見た目が同じ -s 形でも、文脈で異態動詞 / 受動態を判断する必要があります。

  • 受動態:Boken läses av många.(その本は多くの人に読まれる)
  • 異態動詞:Det finns ett problem.(問題が存在する)

4. 再帰動詞・相互動詞との違い

スウェーデン語には「-s 形」を使う動詞がいくつかあります。混同しやすいので整理しておきましょう。

  • 受動態(-s):本来の受け身を表す
    例:Dörren öppnas.(ドアが開けられる)
  • 相互動詞(-s):お互いに作用する
    例:Vi ses imorgon!(また明日会おう!)
  • 異態動詞(-s):能動的な意味を持つ特殊な動詞
    例:Hon trivs här.(彼女はここで快適に暮らしている)
  • 再帰動詞(sig を伴う):自分自身に作用する
    Han tvättar sig.(彼は自分を洗う)

5. まとめ

  • 異態動詞は受動態の形を取りながら、能動的な意味を表す動詞のことです。
  • andas, finnas, trivas, lyckas, hoppas などが代表的。
  • 通常の動詞と同じように活用します。
  • 意味的に受動態ではなく、能動的に訳す必要があります。
  • 再帰動詞・相互動詞との違いを意識して区別することが大切です。
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「NAVIA | Learn Swedish Language」ではスウェーデン語について解説しています。また、北欧の文化、歴史、ライフスタイルも紹介していますので、北欧に興味がある人は是非ご覧ください。
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