【スウェーデン語文法#38】頻度副詞の使い分け

スウェーデン語の会話表現で、「どれくらいの頻度で〜するか」は重要な要素です。
たとえば、「いつも朝コーヒーを飲む」「時々映画を見る」「決してお酒を飲まない」など、行動の頻度を表す副詞を正しく使うことで、話の内容が具体的かつ自然になります。
このレッスンでは、頻度を表す副詞の意味と使い分け、文中での位置、そしてニュアンスの違いについて解説します。
1. 基本の5つの頻度副詞
スウェーデン語には頻度を表す副詞がいくつかあり、代表的なものには次の5つがあります。各副詞の明確な頻度の目安も合わせて、確認してみましょう。
副詞 | 意味 | 頻度のイメージ |
---|---|---|
alltid | いつも、常に | 100% |
ofta | よく、しばしば | 約70~90% |
ibland | ときどき | 約30~50% |
sällan | めったに〜しない | 約10~20% |
aldrig | 一度も〜ない、決して〜ない | 0% |
これら副詞は、英語で言えば always / often / sometimes / rarely / never に相当します。
2. 副詞の語順ルール
2-1. 基本語順:主語 + 動詞 + 副詞
スウェーデン語では頻度副詞は通常、動詞のすぐ後ろに置かれます。
- Jag äter alltid frukost.(私はいつも朝食を食べます)
- Han tränar ofta på gymmet.(彼はよくジムでトレーニングします)
- Vi går ibland på bio.(私たちは時々映画に行きます)
このように、肯定文の語順は「主語+動詞+副詞」となります。
2-2. 否定文の語順は「動詞 + inte + 副詞」
否定文では、否定語 inte は副詞の前に置かれます。
意味としては頻度そのものの否定となり、「〜するけど、いつもではない」というニュアンスとなります。
- Jag äter inte alltid frukost.
(私はいつも朝食を食べるわけではありません)→たまに食べない日もある - Han går inte ofta på bio.
(彼はそんなに頻繁に映画に行くわけではありません)→たまに行く程度
「副詞 + inte」の語順では意味が不自然になってしまうので、注意してください。
3. sällan / aldrig による二重否定に注意
否定語 inte は、sällan(めったに~ない)や aldrig(一度も~ない)といった頻度副詞とは一緒に使えません。
sällan や aldrig はすでに否定の意味を含んでいるため、否定語 inte を加えると二重否定となり不自然な内容となります。
以下のように、sällan / aldrig 単体で否定表現を作ることができます。
- Jag tränar sällan.(私はめったに運動しません)
- Vi äter aldrig kött.(私たちは一度も肉を食べません)
4. 文脈による使い分けのポイント
4-1. alltid / ofta:習慣的な行動
「毎日○○する」「よく○○に行く」といった習慣的・継続的な行動を表す場合は、alltid(いつも)や ofta(よく)がぴったりです。
- Han kommer alltid i tid.(彼はいつも時間通りに来ます)
- Jag arbetar ofta hemifrån.(私はよく在宅勤務をしています)
4-2. ibland / sällan:不定期な趣味やライフスタイル
気分や状況によって頻度が不規則な行動には、ibland(時々)や sällan(めったに〜しない)を使います。
- Vi går ibland på restaurang.(私たちは時々レストランに行きます)
- Jag dricker sällan alkohol.(私はめったにお酒を飲みません)
4-3. aldrig:未体験や強い否定
aldrig は「一度もない」「絶対にない」という強い否定を表します。
- Jag har aldrig varit i Norge.
(私はノルウェーに一度も行ったことがありません) - Hon äter aldrig fisk.
(彼女は決して魚を食べません)
ただし、文脈や言い方によっては、相手に厳しい印象を与えてしまうこともあるので注意しましょう。
5. まとめ
- スウェーデン語の頻度副詞は、話の頻度や習慣、個人の性格を表現するのに役立ちます。
- 頻度副詞の基本語順は、動詞の直後に置くのが原則です。
- sällan や aldrig など否定の意味を含む副詞は、inte と一緒に使わないように注意しましょう。
- 単語の意味だけでなく、どのような場面で使うか(文脈)に合わせて選ぶことが大切です。