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【スウェーデン語文法#35】形容詞・副詞の比較級

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春乃
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スウェーデン語では、「より大きい」「もっと速く」といった比較表現を作るために、「比較級」という形を使います。

英語の “bigger” や “faster” に相当するこの比較表現は、形容詞や副詞の語尾を変化させることで作ることができます。

このレッスンでは、スウェーデン語の形容詞・副詞の基本的な比較級の作り方と使い方を、例文を交えながら解説します。

1. 比較級の基本ルール

スウェーデン語では、形容詞や副詞は3つの段階に変化します。

段階例(形容詞 snabb)日本語訳解説
原級snabb速い変化しない基本形。
比較級snabbareより速い原級に「-are」などをつけて、「より〜」を表す。
最上級snabbast最も速い「最も〜」を表す形。

比較級を使うときは、「〜より」を意味する接続詞 än を一緒に使って、比較の対象を明確に示します。

2. 比較級の作り方

スウェーデン語の比較級にはいくつかのパターンがあります。ここでは、代表的な作り方を3つに分類して紹介します。

2-1. -are をつける(最も一般的)

スウェーデン語の多くの形容詞・副詞は、基本形の語尾に -are をつけて比較級を作ります。

  • snabb → snabbare(速い → より速い)
  • billig → billigare(安い → より安い)
  • vacker → vackrare(美しい → より美しい)

このルールは語尾が母音以外で終わる形容詞や、短めの語に広く適用されます。

2-2. 語尾が -el, -en, -er:語末の e を省略して -re をつける

単語の語尾が -el、-en、-er で終わる場合、語末の e を省略して -re をつけることで比較級を形成します。

  • nobel → noblare(高貴な → より高貴な)
  • enkel → enklare(簡単な → より簡単な)
  • vacker → vackrare(美しい → より美しい)

このように、語幹のつづりが変化することがあります。たとえば vacker(美しい)は比較級で vackrare になり、e の省略と語幹の変化が同時に起こっています。

2-3. 基本形に -re をつける場合

中には、基本形に -re をつけて比較級を作る語もあります。特に次のような短い語でよく見られます。

基本形比較級意味
höghögreより高い
ungyngreより若い
långlängreより長い
storstörreより大きい

これらの語は短くてシンプルでありながら、比較級の形が不規則となっており、母音の変化が起こるケースもあります。

2-4. 形容詞の語尾が -isk で終わる: mer / mera を使う

politisk(政治的な)、logisk(論理的な)など、語尾が -isk で終わる形容詞は、語形変化をせず、代わりに副詞 mer もしくは mera を前につけて比較級を作ります。

英語で “more logical” や “more political” のように 「more + 形容詞」 で比較する形式と似ています。

  • politisk → mer politisk(より政治的な)
  • logisk → mer logisk(より論理的な)
  • typisk → mer typisk(より典型的な)

mer / mera は、意味の面ではほぼ同じです。mer の方が一般的で、mera は口語的・感情的な言い回しに使われる傾向があります。

基本的には mer を中心に使い、「少し感情をこめたい」「柔らかく言いたい」と感じた場面で mera を使うとよいでしょう。

2-5. 不規則な比較級

一部の形容詞・副詞は、-are をつけるのではなく、語形自体が不規則に変化します。これは英語の good → better、bad → worse と同じような仕組みです。

原級比較級意味
bra(良い)bättreより良い
dålig(悪い)sämreより悪い
mycket(多い)mer / meraより多くの、もっと
liten(小さい)mindreより小さい、少ない

これらの語は頻出語彙なので、早めに覚えておきましょう。

3. 形容詞から派生した副詞について

スウェーデン語では、形容詞から派生した副詞は、比較級では形容詞の比較級の形をそのまま使います。

形容詞副詞比較級日本語訳
snabb(速い)snabbt(速く)snabbareより速く
tydlig(明確な)tydligt(明確に)tydligareより明確に
bra(良い)bra(上手に)bättreより上手に

このように、形容詞の比較級とまったく同じになるため、使い分けの際は文脈で判断します。

4. まとめ

  • 多くの形容詞は 基本形に -are をつけて比較級を作ります。
  • 語尾が -el, -er, -en の語は、e を省略して -re をつけるのが一般的です。
  • -isk で終わる形容詞は「mer / mera + 形容詞」で比較級を作ります。
  • hög, lång, ung, stor などは直接 -re をつける不規則型。
  • 不規則比較級(bra → bättre など)は、よく使うため暗記が必要です。
  • 形容詞から派生した副詞の比較級は、形容詞の比較級と同形になります(snabbt → snabbare など)。

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