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【スウェーデン語文法#34】所有格代名詞と再帰所有代名詞の使い分け

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春乃
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スウェーデン語では、「私の」「あなたの」「彼の」「彼女の」といった所有格代名詞を使って、誰のものかを示すことができます。

また、文章の主語と所有者が同じときには、再帰所有代名詞「sin / sitt / sina」が使われるのが特徴です。

このレッスンでは、基本的な所有格代名詞の使い方から、「sin」などの再帰所有代名詞との違いや使い分け方まで、わかりやすく解説していきます。

1. 所有格代名詞の基本

スウェーデン語の所有格代名詞は、人称(私、あなた、彼など)に加えて、名詞の性(共性 / 中性)と数(単数 / 複数)によって形が変わります。

まずは、基本の所有格代名詞を見てみましょう。

人称所有格代名詞
(共性 / 中性 / 複数)
意味使用例
jag(私)min / mitt / mina私のmin bok(私の本)
du(あなた)din / ditt / dina君のditt hus(君の家)
han(彼)hans彼のhans bil(彼の車)
hon(彼女)hennes彼女のhennes vän(彼女の友達)
vi(私たち)vår / vårt / våra私たちのvårt barn(私たちの子ども)
ni(あなたたち)er / ert / eraあなたたちのera böcker(あなたたちの本)
de(彼ら・彼女ら)deras彼らの/彼女らのderas hem(彼らの家)

たとえば「私の」という意味を表すには、以下のように名詞の性と数に応じて、適切な形を選ぶ必要があります。

  • min(共性名詞に使う)→ min bok(私の本)
  • mitt(中性名詞に使う)→ mitt hus(私の家)
  • mina(複数形の名詞に使う)→ mina böcker(私の本たち)

ただし、三人称単数/複数のhan(彼)、hon(彼女)、de(彼ら/彼女ら)の所有格代名詞(hans, hennes, deras)は、後に来る名詞の性・数にかかわらず、形が変わりません。

2. 再帰所有代名詞の基本

2-1. 再帰所有代名詞の役割

スウェーデン語の大きな特徴のひとつが、再帰所有代名詞(sin, sitt, sina)の存在です。

再帰所有代名詞は、主語と所有者が同一人物であるときにだけ使われる特別な所有代名詞です。

  • Han älskar sin hund.(彼は自分の犬を愛している)

上記の例文を見ると、「彼(Han)」は「彼自身の犬(hund)」を愛しているので、主語と所有者が同じになります。

そのため、共性名詞の再帰所有代名詞の sin が使われています。

2-2. sin / sitt / sina の使い分け

再帰所有代名詞も、所有格代名詞同様に、所有する名詞の性と数によって使い分けられます。

再帰所有代名詞用途
sin共性名詞に対して使う
sitt中性名詞に対して使う
sina複数名詞に対して使う

以下の例文でも確認してみましょう。

  • Hon tog sin väska.(彼女は自分のバッグを取った)
    → väska は共性名詞なので sin を使用、
  • Han har glömt sitt pass.(彼は自分のパスポートを忘れた)
    → pass は中性名詞なので sitt を使用。
  • De ringde till sina vänner.(彼らは自分たちの友人に電話した)
    → vänner は複数形なので、sina を使用。
使い方のルール
  • 主語 = 所有者 → 再帰所有代名詞 sin / sitt / sina
  • 主語 ≠ 所有者 → hans / hennes / deras などの通常の所有格代名詞

3. 再帰所有代名詞は三人称でのみ使う

再帰所有代名詞は、三人称(han / hon / de)の主語に対してのみ使います。

一人称(私、私たち)や二人称(あなた、あなたたち)の場合は、再帰所有代名詞ではなく通常の所有代名詞を使います、

主語正しい代名詞使用例
jag(私)min / mitt / minaJag älskar min hund.(私は自分の犬が大好きです)
du(あなた)din / ditt / dinaDu har tappat ditt pass.(あなたは自分のパスポートを紛失した)
han(彼)sin / sitt / sinaHan har tappat sitt pass.(彼は自分のパスポートを紛失した)

4. 所有格代名詞と再帰所有代名詞の比較

三人称の所有格代名詞(hans / hennes / deras)と再帰所有代名詞(sin / sitt / sina)の使い分けは重要なポイントです。

主語と所有者が同じ場合は再帰所有代名詞を使い、主語と所有者が異なる場合は通常の所有格代名詞を使います。

主語と所有者が同じ:再帰所有代名詞(sin / sitt / sina)

  • Han glömde sitt paraply.
    (彼は自分の傘を忘れた)

この文では、「彼(Han)」が主語であり、「傘」の所有者も「彼自身」なので、sitt が使われます。

主語と所有者が違う:所有格代名詞(hans / hennes / deras)

  • Hon tog hans paraply av misstag.
    (彼女は彼の傘を間違って持っていった)

この文では、主語の彼女(Hon)に対し、「傘」の所有者は別人の「彼」なので、hans が使われます。

このように、主語と所有者の一致・不一致によって、使用する所有代名詞が変わります。

5. まとめ

  • 所有格代名詞は「〜のもの」を表す代名詞で、名詞の性や数に応じて形が変わります(min / mitt / mina など)。
  • 再帰所有代名詞(sin / sitt / sina)は、主語と所有者が一致するときにだけ使います。
  • hans / hennes / deras などの通常の所有格所有格は、主語と所有者が異なる場合に使います。
  • 文中で誰が所有しているのかを常に意識して、使い分けましょう。
  • 三人称(han / hon / de)で主語=所有者となるときには、再帰所有代名詞が必須です。

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