【スウェーデン語文法#20】人称代名詞:主格と目的格の違い

スウェーデン語でも、英語や日本語と同様に「私」「あなた」「彼」などの代名詞を使って、会話をスムーズに進めることができます。
特に、文の主語になる形(主格)と、動詞や前置詞の目的語になる形(目的格)を区別して使うことが重要です。
このレッスンでは、スウェーデン語の人称代名詞の主格と目的格を整理し、それぞれの使い方と注意点を解説していきます。
1. 人称代名詞の基本:主格と目的格の区別
スウェーデン語の会話では、「私」「あなた」「彼」などの人称代名詞が頻繁に使われます。
これらの代名詞は、主語になるとき(主格) と、動詞の対象になるとき(目的格) とで形が変化します。
- Jag gillar kaffe.(私はコーヒーが好きです) → 主語(Jag)=主格
- Hon gillar mig.(彼女は私が好きです) → 目的語(mig)=目的格
このように、同じ「私」でも文中の位置で jag(主格)と mig(目的格)を使い分ける必要があります。
英語における I / me, he / him の関係と非常によく似ていますが、形が似ていて間違えやすい代名詞もあるため、文の構造とあわせてしっかり確認しましょう。
2. 主格と目的格の一覧表
スウェーデン語の主格・目的格の一覧を確認しましょう。
人称 | 主格(主語の位置) | 目的格(目的語の位置) | 日本語訳 |
---|---|---|---|
1人称単数 | jag | mig | 私 / 私を |
2人称単数 | du | dig | あなた / あなたを |
3人称単数(男性) | han | honom | 彼 / 彼を |
3人称単数(女性) | hon | henne | 彼女 / 彼女を |
3人称単数(それ) | den / det | den / det | それ / それを(共通) |
1人称複数 | vi | oss | 私たち / 私たちを |
2人称複数 | ni | er | あなたたち / あなたたちを |
3人称複数 | de | dem | 彼ら(彼女ら) / 彼らを |
3. 主格:文の主語として使う
主格は、文の中で「〜は」「〜が」のように、動作の主体(主語)として使われます。
動詞の前に置かれ、文の基本構造「SVO」のS(主語)を担います。
- Jag bor i Tokyo.(私は東京に住んでいます)
- Vi pratar svenska.(私たちはスウェーデン語を話します)
スウェーデン語では文の主語は必ず明示され、日本語のように主語の省略はできません。
そのため、主格の代名詞を正しく使うことが不可欠です。
4. 目的格:文の目的語や前置詞の後ろに来る
目的格は、動詞の対象になる「〜を」「〜に」、あるいは前置詞の後に来る語として使われます。
具体的には、目的格は主に以下のような文の中で使われます。
4-1. 動詞の目的語
- Jag älskar dig.(私はあなたを愛しています)
- Hon känner honom.(彼女は彼を知っています)
ここで重要なのは、「誰が」「誰を」しているのかをしっかりと分けて表すことです。
主格と目的格の混同による意味の取り違えには注意が必要です。
4-2. 前置詞の目的語
スウェーデン語でも英語と同様、前置詞のあとには目的格がきます。
- Det är till henne.(それは彼女のためのものです)
- Jag tänker på dig.(私はあなたのことを考えています)
「主語が誰か」に気を取られすぎて、目的語の形が変わることを忘れてしまうケースが多いので注意しましょう。
5. まとめ
- スウェーデン語の人称代名詞には、「主格(主語)」と「目的格(目的語)」の2種類があります。
- 主格は文の先頭、動詞の前に置かれ、「〜は」「〜が」にあたる語を表します。
- 目的格は動詞の後、または前置詞の後に置かれ、「〜を」「〜に」などの役割を果たします。
- de / dem のように形は似ていても、文の中での使い方によって正しく使い分ける必要があります。