【スウェーデン語文法#10】疑問詞を使った疑問文の作り方

スウェーデン語で「誰?」「どこ?」「なぜ?」といった質問をするときには、疑問詞を使った文を作ります。
これは英語の “Wh-疑問文” にあたり、相手から具体的な情報を引き出すために非常に重要な表現です。
日常会話、自己紹介、買い物、旅行など、ほとんどのシーンで活用されるため、文の構造をしっかり理解しておくことが大切です。
このレッスンでは、疑問詞の種類、語順のルール、よくある使い方や注意点を詳しく解説していきます。
1. 疑問詞とは?
スウェーデン語の疑問詞は、質問の焦点となる情報を尋ねるためのキーワードです。
スウェーデン語の主な疑問詞は以下のとおりです。英語と似た部分も多いため、覚えやすい単語がたくさんあります。
疑問詞 | 意味 | 用法の例 |
---|---|---|
Vad | なに/何を | Vad heter du?(あなたの名前は何ですか?) |
Vem | 誰 | Vem är han?(彼は誰ですか?) |
Var | どこ | Var bor du?(あなたはどこに住んでいますか?) |
När | いつ | När kommer tåget?(列車はいつ来ますか?) |
Hur | どうやって/どのように | Hur mår du?(元気ですか?) |
Varför | なぜ | Varför studerar du svenska?(なぜスウェーデン語を勉強しているのですか?) |
Vilken/Vilket/Vilka | どれ/どの(性・数により変化) | Vilken bok läser du?(どの本を読んでいますか?) |
Hur mycket / Hur många | いくつ・どれくらい(量/数) | Hur många syskon har du?(兄弟姉妹は何人いますか?) |
2. 語順のルールと基本構造
スウェーデン語の疑問詞疑問文では、語順が非常に重要です。基本構造は次のようになります:
疑問詞 + 動詞 + 主語 + (その他の要素)
これはスウェーデン語特有の「V2語順(動詞が文の2番目に来る)」のルールによるものです。
疑問詞が先頭に来る場合でも、動詞の位置は2番目に固定されます。
- Vad gör du?(あなたは何をしていますか?)
- Var bor han?(彼はどこに住んでいますか?)
- När börjar lektionen?(授業はいつ始まりますか?)
語順を崩してしまうと、意味が不自然になったり、場合によっては文として成立しません。
そのため、まず最初に語順の型を覚えるのがおすすめです。
3. よく使われる疑問詞とその使い方
Vad(何)
もっとも基本的な疑問詞で、動作の内容や物の名前を尋ねたいときに使います。
- Vad heter du?(あなたの名前は何ですか?)
- Vad gör du?(あなたは何をしていますか?)
Vad のあとは通常、動詞が続きます。特に、gör(する)や heter(名前である)とセットで使われることが多いです。
Vem(誰)
人を対象にした質問をするときに使います。
- Vem är han?(彼は誰ですか?)
- Vem pratar du med?(あなたは誰と話していますか?)
med(一緒に)といった前置詞と一緒に使われることが多いです。
Var / Vart(どこ / どこへ)
Var は現在の位置・場所を尋ねるとき、Vart は動きの方向・目的地を尋ねるときに使います。
- Var är boken?(本はどこにありますか?)
- Vart går du?(どこへ行くの?)
この2つは混同されやすいですが、文の意味が大きく変わるので注意が必要です。
När(いつ)
時間に関する質問に使います。
- När kommer tåget?(列車はいつ来ますか?)
- När börjar skolan?(学校はいつ始まりますか?)
när のあとは、動詞+主語の順番で続けるのが基本です。
Varför(なぜ)
理由を尋ねるときに使います。
- Varför studerar du svenska?(なぜスウェーデン語を勉強しているの?)
- Varför är du trött?(なぜ疲れているの?)
答えるときには 「för att 〜(〜なので)」を使うと自然な返答になります。
Hur(どうやって / どのように)
方法や状態を尋ねるときに使います。
- Hur mår du?(元気ですか?)
→ 直訳すると「あなたはどう感じていますか?」という意味。定番のあいさつ表現です。 - Hur kommer du till jobbet?(どうやって仕事場に行くの?)
“Hur mår du?”(元気ですか?)のように、hur を使った表現は非常に多く、慣用表現にもよく登場します。
Vilken / Vilket / Vilka(どの〜)
後ろに続く名詞の性や数によって形が変化する疑問詞です。
- Vilken bok läser du?(どの本を読んでいますか?)
- Vilket hus är ditt?(どの家があなたのですか?)
- Vilka filmer gillar du?(どの映画が好きですか?)
ここでは en名詞 → vilken、ett名詞 → vilket、複数形 → vilka のように変化します。
Hur många / Hur mycket(いくつ / どれくらい)
数や量を尋ねたいときに使います。
- Hur många syskon har du?(兄弟姉妹は何人いますか?)
- Hur mycket pengar har du?(お金はいくら持っていますか?)
“Hur många” は数えられる名詞、”Hur mycket” は数えられない名詞に使います。
まとめ
- スウェーデン語で「何?」「誰?」「どこ?」などを聞くときには、疑問詞を使います。
- 基本の語順は疑問詞 + 動詞 + 主語 + 補語で、動詞は必ず2番目(V2語順)になります。
- Var / Vart、Hur många / Hur mycket など、似た疑問詞の使い分けには注意しましょう。
- 「Vilken / Vilket / Vilka」は名詞の性・数に応じて変化するため、セットで覚えておくと便利です。