スウェーデン本国から離れたゴットランド島という島には、ヴィスビューという街があります。
このヴィスビューは温暖な気候からリゾート地として知られる一方、中世の歴史を今に伝える重要な場所として世界遺産にも登録されているのです。
そこで今回は、スウェーデンのヴィスビューについて、街の特徴や歴史について詳しく解説していきます。
ヴィスビューの特徴

ヴィスビューとは北欧スウェーデンのゴットランド島北西部に位置する町の名前です。ヴィスビューの人口は約22000人で、ゴットランド島における中心的都市となります。
ゴットランド島について少し説明すると、この島はスウェーデン本土の南東部バルト海に浮かぶ、スウェーデン最大の島です。
「ゴットランド島(Gotland)」という名称は、かつてヨーロッパに暮らしていた古代ゲルマン人の一派である、「ゴート民族(got)の土地(land)」に由来しています。
また中世に入ると、北欧一帯を席巻した海賊であるヴァイキングが登場します。彼らヴァイキングもゴットランド島に目をつけ、バルト海における交易の中心地として利用しました。
ゴットランド島それ自体もスウェーデンを代表する名所なのですが、その中でもヴィスビューは「薔薇の都市」と称されるほど美しい街なのです。
ヴィスビューは12世紀〜14世紀にかけて、ドイツを中心に発足した経済連盟のハンザ同盟の中心都市の一つでした。
そのため現在のヴィスビューには中世当時の街並みや遺跡が色濃く残っており、景観の素晴らしさはもちろん、歴史的価値も非常に高いエリアとなっています。
1995年には、ヴィスビューはユネスコ世界遺産にも登録されました。

ヴィスビューとハンザ同盟の関係

ハンザ同盟とは、12世紀〜17世紀に北ドイツを中心に各国の商業都市が加盟し作り上げた一大経済圏のことです。
ハンザ同盟の拡大はヨーロッパ大陸に止まらず、北欧諸国にまで広がりました。北欧で有名なハンザ同盟の加盟都市として、ノルウェーのベルゲンも挙げられます。

そしてヴィスビューはバルト海上の島という立地から、スウェーデンとヨーロッパ大陸を結ぶ中継地として、当時のドイツ人商人たちに活用されました。
ヴィスビューでは現在でも、ハンザ同盟最盛期の13世紀ごろに建てられた、倉庫など200以上の交易用施設を見られるそうです。
まとめ

スウェーデンのゴットランド島内にあるヴィスビューは、ハンザ同盟が栄えた中世時代の建物や遺跡が残る世界遺産です。
素朴な赤煉瓦の家々に石畳みの通路、歴史の積み重ねを感じさせる遺跡など、スウェーデン本土とはまた異なる雰囲気がヴィスビューにはあるようです。
その一方で、温暖な気候から北欧でも有名なリゾート地でもあります。