日本でも愛好家が多いサウナですが、北欧フィンランドでは日本以上にサウナ文化が根付いています。
なぜならサウナはフィンランド発祥の施設であり、フィンランド人にとってサウナで温まることは国民的習慣と言えるほど、身近な存在なのです。
そこで今回はフィンランドで愛されるリラクゼーション施設、サウナについてご紹介します。
サウナはフィンランド発祥

フィンランド人の生活習慣を語る上で、サウナの存在は切っても切り離せません。
フィンランドでは多くの家庭で自家用のサウナが完備され、日本の銭湯のように公衆サウナも至る所でオープンしています。
サウナの歴史はおよそ2000年前、フィンランドの南東部に位置するカレリア地方から始まったという説が有力とされています。
食糧庫として利用されていた建物が、次第に現在のサウナの源流となる沐浴の場として移り変わっていったそうです。
ちなみに、サウナ(sauna)という言葉も一見日本語かと思いきや、実はフィンランド語です。
また、かつてのフィンランドではサウナで出産や遺体の洗浄も行われており、教会のような身を清める神聖な場所でもありました。
フィンランドのサウナ文化が広まった理由

フィンランド発祥のサウナという文化が世界的に認知されるようになったのは、1936年に開催されたベルリンオリンピックとされています。
当時のフィンランド選手団がサウナを持ち込んだことがきっかけです。
他の海外の選手達もサウナを気に入り本国へ持ち帰ったことで、国際的にもサウナという名前が広がりました。
日本でも、1964年の東京オリンピック時に初めてサウナが登場しました。
今の日本の老若男女問わないサウナブームを見ると、もっと以前から日本で親しまれてきたものだと思われるかもしれません。
しかしサウナが導入されたのはおよそ半世紀前に過ぎず、日本の長い温泉文化の中ではまだまだ新参者なのです。
フィンランド式サウナの入り方

では本場フィンランド式サウナと日本式サウナ、両者の入り方にはどのような違いがあるのでしょうか。
まず、フィンランドのサウナでは男女別と男女混浴に分かれます。
部屋が男女別に分かれているサウナだと、基本的には日本同様に裸入浴となっています。
一方で男女混浴の場合は水着着用がルールとなっています。
日本式サウナに必ずあるがフィンランド式サウナに無いのが、水風呂です。
日本式サウナだと5分〜10分程サウナで温まり、その後にサウナ横に併設された水風呂でクールダウンを行う温冷交代浴が一般的です。
一方で、フィンランドのサウナでは水風呂は設置されていません。
その代わりに外の風に当たって体を冷やす外気浴、あるいは近場の湖に飛び込んで体を冷やす、いわば天然の水風呂を使用します。
サウナから外に出て体を冷やす場合、全裸時はいうまでもないですが、水着着用時もバスタオルを巻いておくのがエチケットとなっています。
サウナをより楽しむためのポイント

サウナ利用時には、ヴィヒタ(vihta)という名前の白樺の枝葉をまとめたもので、体を叩く習慣もあります。
これはウィスキングとも呼ばれ、白樺の葉から出るアロマ成分を楽しんだり、肌に刺激を与えることでより血行が促進される効果があると言われます。

また、安全にサウナを楽しむためにはこまめな水分補給は必要不可欠です。
日本ではミネラルウォーターですが、フィンランドではビールといったアルコールで水分補給を行うこともあるようです。
サウナで血流が促進されている状態でのアルコール摂取は危険を伴うので決しておすすめはしませんが、そのような習慣もあるということは知っておくのも良いかもしれません。
他にもフィンランドではサウナ・マッカラを、サウナからあがった後にビールと一緒に食べます。

マッカラとはフィンランドのグリルソーセージのことで、サウナ・マッカラはそのサウナ版となっています。
サウナ・マッカラはソーセージを焼く際、焚き火の代わりにサウナストーンを使うのが特徴です。
このように細かい違いはあれど、日本とフィンランドもサウナで温まった後は体を冷やして再度入室する、サウナの後には食事を楽しむという、基本的な部分は共通しているようです。
まとめ

フィンランド人にとってサウナは1日の疲れを癒したり、裸の付き合いということで社交を深めたりするような、生活の一部となっている大切な場所なのです。
何千年という歴史が背景にあるフィンランドのサウナも、サウナ愛好者として機会があれば是非入ってみてはいかがでしょう。