フィンランド

【ヘルシンキ大聖堂】フィンランド福音ルター派の総本山

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ヘルシンキ大聖堂は、フィンランドの首都ヘルシンキの街中に優雅に佇む19世紀に作られた教会です。

品格ある白色の外壁に、フランス発祥のネオ・クラシック様式の造形美が施された外観は、美しい街並みのヘルシンキでも一際目立っています。

今回は19世紀にフィンランドで建築され、現在でも多くの人が観光や礼拝で訪れるヘルシンキ大聖堂について紹介します。

ヘルシンキ大聖堂の特徴

ヘルシンキ大聖堂は、北欧フィンランドの首都ヘルシンキの中心部に位置する教会です。

ヘルシンキ大聖堂は、観光や宗教儀式などの目的で毎日多くの人が訪れる、フィンランド有数の名所となっています。

歴史あるヘルシンキの街並みに溶け込んだ、その厳かな佇まいは多くの人を魅了しています。

ヘルシンキ大聖堂は19世紀の建築の際、ネオ・クラシック様式と言われる建築様式が採用されました。

ネオ・クラシック様式は新古典主義建築とも呼ばれ、豪華さのみを追求した過剰で格式ばった従来の装飾美に反発し、フランスで生まれた建築様式です。

表面部分を着飾るのではなく、過去の古典建築に則り、直線とシンメトリーを多用した厳粛でシンプルな装飾性が特徴となっています。

ヘルシンキ大聖堂の造形は、白色を基調とした外壁に5つのドーム屋根の青銅がそびえ立ちます。

壁面には6本のコリント式の石柱が並び、その上には三角形の屋根がデザインされています。

大聖堂の四辺とも同様の装飾となっており、どの方角から見ても同じ外観に見えるように設計されているのも特徴となっています。

ヘルシンキ大聖堂の歴史

ヘルシンキ大聖堂は、フィンランドがロシア帝国の支配下にあった19世紀前半の1816年から1852年にかけて、ドイツ出身の2人の建築家によって建造されました。

まず、大聖堂の建築に着手したのは1816年で、ドイツの建築家カール・ルートヴィッヒ・エンゲルが設計を手掛けました。

彼はネオ・クラシック様式を採用し、1824年に死去するまで大聖堂の建築に携わります。

1824年以降は、後継者であるエルンスト・ベルンハルト・ロールマンが引き継ぎ、工事は続行されました。そして38年後の1852年に完成を迎えました。

完成時には、当時フィンランドを統治していたロシア皇帝ニコライ1世の名前を冠して「聖ニコラス教会」と命名されました。

しかし、フィンランドが1917年にロシアから独立した後、改名され、1959年にはヘルシンキ主教区の設立に伴い、現在のヘルシンキ大聖堂となったのです。

国内最大派閥の福音ルター派の総本山

ヘルシンキ大聖堂は、オールド協会に次いでフィンランドで2番目に古い教会とされています。

そのため、ヘルシンキ大聖堂は観光名所としての一面も持つと同時に、普段は礼拝や結婚式といった教会として使用されています。

また、ヘルシンキ大聖堂はフィンランド国民のおよそ7割が所属するフィンランド福音ルター派教会の総本山でもあります。

フィンランドはキリスト教圏に属し、フィンランド福音ルター派教会とフィンランド正教会の2つが国教として定められています。

ヘルシンキ大聖堂は、その美しい造形美だけでなく、キリスト教信者にとっても信仰という重要な意味を持つ場所です。

内部は厳かな礼拝堂

ヘルシンキ大聖堂は、内部の礼拝堂も無料で見学することができます。

内装は外装同様に白色で統一されたシンプルな造形となっています。

海外の教会に見られるような優美な装飾は控えめで、派手さを取り払った落ち着きある空間が広がっているそうです。

また、1963年に5614本という膨大な数のパイプを使用して製造されたというパイプオルガンも特徴的なインテリアの一つです。

礼拝堂はオルガンの重厚で穏やかな音色が鳴り響く、心地よい雰囲気に満ちているのだとか。

正面の祭壇には、かつてのロシア帝国のニコライ1世から寄贈されたという、キリストを抱く聖母マリアの肖像画も飾られています。

ヘルシンキ大聖堂の礼拝堂では、平日12時から13時、土曜日の18時から礼拝が執り行われています。また、毎週日曜日の午前中にはミサも開かれています。

教会内で宗教行事が行われている最中は、観光客は中に立ち入ることができないので注意しましょう。

ヘルシンキ大聖堂の外も見所が満載

ヘルシンキ大聖堂は、その荘厳な佇まいに注目が集まりますが、実は大聖堂周辺にも見所がたくさんあります。

例えば、ヘルシンキ大聖堂前には、約40万個の御影石が敷き詰められた、石畳のセナーティ広場や、元老院広場があります。

元老院広場は、1812年のヘルシンキ遷都の際の都市開発計画の1つとして整備されたエリアで、軍備パレードの会場として使用されていました。

また、かつてロシアの支配下に置かれていた歴史から、元老院広場の中央部にはロシア皇帝アレクサンドル2世の銅像も設置されています。

現在では、元老院広場はフィンランド最大規模の市民広場として、マーケットやクリスマスのお祭りなど、年間を通して様々なイベントが開催されています。

ヘルシンキ大聖堂の階段上からは、バルト海に面した美しい石造りのヘルシンキの街並みを見渡すことができます。

大聖堂周辺には、ヘルシンキ大学、図書館、フィンランド国立博物館などの有名な建築物が軒を連ねています。

また、カフェやショップなど、ショッピングや一休みの場所としても最適なスポットもたくさんあります。フィンランド観光で丸一日滞在しても飽きることがない充実した観光スポットです。

まとめ

ヘルシンキ大聖堂は、フィンランド関連のグッズにもその外観がデザインされるほど、国内屈指の名所となっています。

息を飲むほどの純白の外観から、市民で賑わう元老院広場、そしてバルト海の乙女と評されるヘルシンキの街並みも合わせて、是非カメラに納めたいスポットの1つと言えるでしょう。