フィンランド南西部には、かつての首都トゥルクを守るために建てられた要塞、トゥルク城があります。
トゥルク城は、フィンランドがスウェーデン領だった1280年頃に建設が始まり、フィンランドで最も古い城の一つとして知られています。
今回は、この歴史あるトゥルク城についてご紹介します。
トゥルク城とは?
トゥルク城はフィンランドで最も古い城のひとつであり、フィンランド南西部、スオミ州西部のトゥルク市内に位置しています。
トゥルクは、1812年までフィンランドの首都であり、現在でも「フィンランドの西の首都」とも呼ばれています。
トゥルク城は1280年頃、当時のトゥルク市内に建てられました。
この時代、フィンランドは隣国スウェーデンに支配されていたため、トゥルク城は、外国からの攻撃から都市を守るための要塞として建設されました。
要塞としてのトゥルク城
トゥルクは、現在のフィンランドの首都であるヘルシンキに首都が移る1812年まで、フィンランドの政治・経済の中心でした。
トゥルク城が建設された1280年当時、フィンランドは現在のような独立国ではなく、スウェーデン領の一部でした。
当時、スウェーデンは「バルト海帝国」「スウェーデン帝国」として栄え、北欧のバルト海沿岸諸国を支配していた強国でした。
トゥルクは、スウェーデンの実質的な外交・軍事拠点であり、その防衛のためにトゥルク城が必要だったのです。
トゥルク城は堅固な要塞であり、北方十字軍の拠点としての役割も担っていました。
北方十字軍は、カトリック教会に属する国々が同盟を組み、キリスト教以外の世界を異教徒として征服するために結成されたものです。
また、トゥルク城は、スウェーデン国王の居城としても使用され、長い歴史の中で多くの役割を果たしてきました。
現在では歴史博物館として公開
トゥルク城は、かつてフィンランドの首都だったトゥルクを守るために築かれた要塞でしたが、現在はフィンランドの歴史を後世に伝える博物館として一般公開されています。
博物館内には、現在でも結婚式に使われるチャペルや、中世の貴族の社交場として利用されたバンケットホールなど、中世の建築や設備を見ることができます。
さらに、トゥルク城は13世紀にスウェーデンの領土として建設されたため、スウェーデンの文化や装飾様式が保存されているのが特徴です。
また、城内には各時代の美術品、衣装、調度品など、歴史的価値の高い展示物があります。
見学者が「迷路のよう」と表現するほど複雑に入り組んだ通路も見どころの一つです。
まとめ
トゥルク城はかつて、フィンランドの古都トゥルクを敵の侵略から守るために建設された強固な要塞でした。
しかし、その役目を終えた今、トゥルク城はフィンランドはもとより北欧各地から観光客が訪れる身近な建築物となっています。