【スウェーデン語文法#28】現在分詞の使い方

スウェーデン語の現在分詞は、動詞に由来しながらも、形容詞や副詞のように機能する表現です。
英語の -ing形(smiling, singingなど)と似ていますが、スウェーデン語では進行形として使われることはなく、名詞を修飾する形容詞的用法や、動作の様子を表す副詞的用法で用いられます。
このレッスンでは、現在分詞の作り方・意味・文中での使い方、そして注意点について、文法のしくみに焦点を当てながら解説します。
1. 現在分詞とは何か?
スウェーデン語の現在分詞は、動詞の語幹に接尾辞を加えて形成される語で、動作や状態を名詞のように説明する役割を担います。
英語の「-ing形」がそのまま現在分詞になるイメージですが、スウェーデン語では主に形容詞的/副詞的用法に限られ、英語の進行形(be + -ing)のようには使いません。
スウェーデン語の現在分詞は、描写や説明に用いられる表現と捉えるのがポイントです。
たとえば、「走っている人」「笑っている子ども」など、名詞を修飾する形で登場することが多くなります。
2. 現在分詞の作り方
スウェーデン語の現在分詞は、動詞の語幹に一定の語尾を加えることで作られます。基本的な形は以下の2つです:
- 第1活用:語幹 + -nde(※第1活用は不定形=語幹)
- 第2活用:語幹 +-ande
- 第3活用:語幹 + -ende
- 不規則動詞:不定形 + (-nde/-ende)
現在分詞の語尾は動詞の活用グループにより異なります。規則性がある一方で例外もあるため、初めは辞書や学習資料を参考にすると安心です。
活用グループごとの傾向
スウェーデン語の動詞は4つの活用グループに分類されており、現在分詞の形もこれに連動しています。
活用グループ | グループの特徴 | 現在分詞 | 備考 |
---|---|---|---|
第1活用 | 規則動詞(tala) | 語幹 + -nde | 不定形 = 語幹 |
第2活用 | 規則動詞(ringa) | 語幹 +-ande | 語幹は不定形から a を取って作る |
第3活用 | 規則動詞(bo) | 語幹 + -ende | 不定形 = 語幹 |
第4活用 | 不規則動詞(går, ser) | 不定形 + -nde/-ende | 不規則。-nde / -ende を不定形に付ける。 |
3. 現在分詞の使い方
スウェーデン語の現在分詞には、主に以下の3つの用法があります:
3-1. 形容詞的用法(名詞を修飾)
最もよく使われる用法です。現在分詞が形容詞として名詞を修飾し、「〜している○○」「〜するような○○」といった意味を表します。
- en leende kvinna(微笑んでいる女性)
- ett springande barn(走っている子ども)
- en sjungande fågel(歌っている鳥)
このように、現在分詞は名詞の前に置かれて、その様子や状態を描写する働きをします。
3-2. 副詞的用法(動詞を修飾)
現在分詞は副詞のように用いられて、主動作を補足する副次的な動作や状態を表すこともあります。
- Han kom springande.(彼は走ってやってきた)
- Hon gick sjungande.(彼女は歌いながら歩いた)
このような用法では、「どうやって」「どんな様子で」主動作が行われたのかを描写しています。
英語の “He came running.”,“She walked singing.”といった文と対応する表現です。
動詞の後ろに現在分詞が続くことで、「主動作+補足描写」のような関係が成立します。
3-3. 名詞的用法(名詞として使われる)
スウェーデン語では、現在分詞が名詞として使われることもあります。
ただし、現在分詞の名詞的用法は一般的ではなく、定型化された語・専門用語・特定の社会的属性を表す言葉として使われることが多いです。
- En studerande bor i den här byggnaden.
(1人の学生がこの建物に住んでいる) - De troende samlades i kyrkan.
(信者たちは教会に集まった)
基本的には、studerande(学生)や arbetande(労働者)など、定着した少数の単語でしか名詞的用法は使われません。
一般の動詞から自由に名詞的な現在分詞を作れるわけではないので注意しましょう。
4. まとめ
- 現在分詞は、動詞の語幹に -ande / -ende をつけて形成されます。
- 主に 形容詞として名詞を修飾する、副詞的に動作の様子を描写する、名詞として使う3つの用法があります。
- 英語の進行形とは異なり、スウェーデン語では現在分詞は「描写」や「状態の説明」に重点を置いて使われます。