【スウェーデン語文法#12】指示代名詞の使い方

スウェーデン語の指示代名詞は、「これ」「それ」「あれ」といった、話し手が指し示す対象を明確にする言葉です。
そしてスウェーデン語には名詞に「共性(en)」と「中性(ett)」の区別があり、指示代名詞も名詞の性に応じて形を変えるのが特徴です。
このレッスンでは、指示代名詞の使い分けや、名詞の性・数に応じた指示代名詞の形について詳しく解説します。
1. スウェーデン語の指示代名詞とは?
スウェーデン語の指示代名詞は、「これ」「それ」「あれ」など、話し手が特定のものや人を指し示すときに使う語です。
具体的なモノ・コトを明確にするために必要な文法要素であり、会話でも文章でもよく使われます。
英語では this / that / these / those にあたるものですが、スウェーデン語では以下のように性・数によって形が変化します。
- den / det(単数形の「それ」)
- den här / det här(単数形の「これ」)
- den där / det där(単数形の「あれ」)
- de här / de där(複数形の「これら」「あれら」)
このとき、名詞の性(共性名詞/中性名詞)と数(単数/複数)によって使い分ける必要があります。
2. 基本の指示代名詞:den / det / de の使い方
まず最も基本的な形から押さえましょう。
2-1. den(共性)/det(中性)
den / det は「それ」という意味で、前に出てきた名詞を繰り返す代わりに使うことができます。
名詞が単数のとき、性に応じて den / det を選びます。
- Jag gillar den.([前に話題に出た]それが好きです)
→ den は共性名詞を指します。 - Jag behöver det.(それが必要です)
→ det は中性名詞を指します。
2-2. de(複数)
スウェーデン語では複数の対象を指すとき、性(en/ett)に関係なく指示代名詞 deを使います。
注意点として、話し言葉(口語)では、 [dom](ドム) と発音されます。
3. 「これ」「あれ」の言い方:den här / den där
次に、英語の「this / that」に相当する表現「これ/あれ」を明示的に言いたいときの表現を見ていきましょう。
- 「これ」= den här(共性) / det här(中性)
- 「あれ」= den där(共性) / det där(中性)
これらは、名詞とセットで使う形容詞的な表現です。名詞の前に置いて、「この〜」「あの〜」という意味を持たせます。
- Jag gillar den här boken.(この本が好きです)
→ boken は共性名詞 - Var är det där huset?(あの家はどこですか?)
→ huset は中性名詞
文中での語順は以下の通りです。また、形容詞は名詞の性・数に応じて変化します。
指示代名詞(den här / det där)+形容詞(ある場合)+名詞
- den här stora boken(この大きな本)
- det där gamla huset(あの古い家)
4. 複数形の指示代名詞:de här / de där
複数形の指示代名詞は、de här(これらの)/de där(あれらの) です。
複数形では、性に関係なく de(読み:ドム [dom])を使います。
- De här böckerna är intressanta.(これらの本は面白いです)
- Jag vill inte träffa de där människorna.(あの人たちに会いたくない)
5. 形容詞的用法と代名詞的用法
指示代名詞は、名詞と一緒に使う場合(形容詞的用法)と、名詞を省略して単体で使う場合(代名詞的用法)の2通りがあります。
5-1. 名詞と一緒に使う(形容詞的)
「den här / det där」などは、名詞の前に置いて「この〜」「あの〜」を表す形容詞として使えます。
- Jag gillar den här filmen.(私はこの映画が好きです)
- Var är det där brevet?(あの手紙はどこですか?)
5-2. 名詞を省略して使う(代名詞的)
「何を指しているか」が前後の文脈で明らかな場合、名詞を省略しても意味が通じます。
- Jag tar den här.(これにします)
- Vi såg det där i går.(私たちはそれを昨日見ました)
6. まとめ
- スウェーデン語の指示代名詞は、名詞の性(en / ett)と数(単数・複数)に応じて使い分けます。
- 「これ/あれ/これら/あれら」を表す表現は、den här(共性) / det här(中性) / den där(共性) / det där (中性)/ de här / de där です。
- 語順は 指示語+形容詞(あれば)+名詞の順で、形容詞も名詞の性・数に合わせて変化します。
- 文脈が明確な場合は、名詞を省略して代名詞的に使うことも可能です。
- 「de」は [dom](ドム)と発音され、会話ではこの読み方が一般的です。