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【スウェーデン語文法#9】否定語 inte の語順と使い方:文法ごとの語順ルール

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春乃
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スウェーデン語で「〜ではない」と言いたいときに使う否定語が inte(インテ) です。英語の not に相当し、文の中で否定したい要素の前や後に置くことで、意味を否定します。

しかし、inte の位置は文の構造によって変わるため、文の種類(平叙文・倒置文・疑問文)や動詞の種類(助動詞など)によるルールを理解する必要があります。

このレッスンでは、否定語 inte の基本的な使い方をはじめ、文型ごとの語順ルールや注意点を解説していきます。

1. inte の意味と使い方

inte の意味

スウェーデン語で「〜ではない」「〜しない」と否定したいときに使う言葉が inte(インテ) です。

これは英語の not に相当する語で、否定を表す文を作るときに欠かせない基本語です。

  • Jag är glad.(私はうれしいです)
    → Jag är inte glad.(私はうれしくありません)
  • Vi talar svenska.(私たちはスウェーデン語を話します)
    → Vi talar inte svenska.(私たちはスウェーデン語を話しません)

このように、inte を入れることで、文全体の意味を否定することができます。

inte が否定する対象

inte は、基本的には「〜しない」のように動詞の意味を否定します。

しかし、文脈によっては形容詞・副詞・名詞など、文全体の一部を強調して否定することもあります。

  • Han är inte trött.(彼は疲れていません)
    → 形容詞「trött」を否定
  • Vi bor inte här.(私たちはここに住んでいません)
    → 副詞「här」を否定

このように、inte は日本語の「〜じゃない」「〜しない」と同じように、柔軟に文中に使われる語です。

注意点

inte の位置によって、文の焦点(何を否定しているか)が変わることもあります。

2. 基本の語順:inte は動詞のあとに置く

スウェーデン語の平叙文(ふつうの文)では、inte は基本的に「動詞のあと」に置かれます。

  • 【肯定文】Jag bor i Sverige.(私はスウェーデンに住んでいます)
  • 【否定文】Jag bor inte i Sverige.(私はスウェーデンに住んでいません)
    → 主語(Jag)のあとに動詞(bor)が来て、そのあとに inte を置くのが基本形です。

このように、「主語 + 動詞 + inte + その他の語句」という語順をしっかり覚えることが、正しい否定文を作るための第一歩です。

このルールは、一般動詞を使う文のほとんどに当てはまります。

  • Hon talar inte engelska.(彼女は英語を話しません)
  • Vi äter inte kött.(私たちは肉を食べません)
  • Han spelar inte fotboll.(彼はサッカーをしません)
注意点

inte の位置を間違えると、スウェーデン語では意味が通じにくくなるので要注意です。

3. 倒置が起きる文での inte の位置

スウェーデン語では語順の特徴として、動詞が常に文の2番目に来る(V2語順)という原則があります。

つまり、時間や副詞などを文の最初に置いた場合、主語ではなく動詞が先に来るという語順が生じます。

このとき、inte の位置も変わるので注意が必要です。

  • I dag arbetar han.(今日は彼が働きます)
    → 「I dag(今日)」が文頭に来ているため、主語ではなく動詞(arbetar)が2番目に置かれています。

上記の例文を否定形にすると、

  • I dag arbetar han inte.(今日は彼は働きません)
    → inte は主語のあと、つまり動詞のあとに置かれます。

このように倒置文では、副詞句 + 動詞 + 主語 + inte という順番になるのが一般的です

4. 疑問文での inte の位置

スウェーデン語の yes/no 疑問文(「〜ですか?」と聞く文)では、基本的に動詞が文頭に来ます。

この場合、inte は「主語のあと」に置かれます。

  • Kommer du?(あなたは来ますか?)
    → 否定疑問文:Kommer du inte?(あなたは来ないのですか?)
  • Ska vi gå?(行きましょうか?)
    → 否定疑問文:Ska vi inte gå?(行かないのですか?)

否定の疑問文は「相手が行動しないの?」と念押しするようなニュアンスになります。文脈によっては驚きや確認のトーンになることもあります。

5. 特別な語順:否定を強調する場合

否定語 inte を強く言いたいとき(たとえば「絶対に〜ではない」などの強調)には、inte を文頭に置くこともあります。

このときは文の語順全体が倒置されます。

  • Inte gillar jag kaffe.(私はコーヒーが好きではありません)
    ※「私はコーヒーなんて絶対に好きじゃない」といった強調ニュアンス

このような語順は文語や詩的表現、感情を込めた会話などで見られます。

初級のうちは、日常的な場面では無理に使う必要はありませんが、見かけたときに理解できると安心です。

まとめ

  • inte はスウェーデン語の否定語で、「〜ではない」「〜しない」などの意味を表します。
  • 通常文では「動詞のあと」に置くのが基本です。
  • 倒置文では「主語のあと」、疑問文では「動詞→主語→inte」の語順にあります。
  • 否定を強調する表現では、inte を文頭に置いて倒置を起こすこともあります。

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