ヨーロッパ諸国には古くからブラッドソーセージと呼ばれる、豚挽肉と一緒に血液を詰めた赤黒いソーセージがあります。
そしてフィンランドにも同様の料理があり、こちらはムスタマッカラという名前で親しまれています。
日本では血を使ったソーセージ自体珍しいですよね。そこで今回はムスタマッカラについて、その特徴やレシピについてわかりやすく紹介していきます。
ムスタマッカラとはどんな料理
ムスタマッカラは北欧フィンランドの伝統料理で、動物の血液を使ったブラッドソーセージの一種です。
フィンランド語でムスタマッカラは「黒いソーセージ」という意味で、名前の通り血の色をした赤黒い見た目が特徴です。
別名ブラックブティングとも言われています
フィンランドでは17世紀には既に食べられており、現在ではタンペレという街の特産品にもなっています。
タンペレについては、以下の記事で解説しています。

ヨーロッパ各国に同様の血のソーセージがありますが、フィンランドのムスタマッカラの場合、リンゴンベリージャムをつけて食べるのが大きな違いです。
リンゴンベリージャムは北欧の食卓では定番の調味料で、ベリーの甘酸っぱさが肉料理も相性抜群。
特にムスタマッカラだと動物の血を原材料に使っているため、臭いに血液特有の若干のクセがあります。
リンゴンベリージャムを使うのも、血液の生臭さを中和するためなのです。

また、フィンランドでは「マッカラ」という通常のグリルソーセージもあるので、もし良ければこちらも合わせてご覧ください。

西欧の伝統料理ブラッドソーセージについて

日本では豚の赤身肉のみを主に使ったソーセージが一般的ですよね。また、文化的にも家畜の血を料理に使う習慣はほとんどありません。
そのため動物の血を使うブラッドソーセージは、人によっては抵抗感を感じるかもしれませんね。
ただ、肉食文化が盛んなヨーロッパと一部のアジア地域では、血のソーセージはごく普通の食べ物なんですよ。
ドイツをはじめヨーロッパでは、古来から牧畜や肉食文化が発展してきました。
そのため、赤身の部位はもちろん、動物の血や内臓を使う料理も珍しくないのです。
フランス料理にも血を使ったソースは多いですよね
また、食糧が乏しい時代に、無駄なく家畜を利用するための生活の知恵として生まれた側面もあります。
ブラッドソーセージも、昔のヨーロッパでは家畜を屠殺した日に振る舞われる記念料理として食べられていました。
現在でもヨーロッパ各国、そしてモンゴルなど一部のアジア地域でブラッドソーセージはスーパーで販売されるほど身近な食品となっています。
ムスタマッカラのレシピや食べ方

ムスタマッカラの原材料はミンチした豚肉に豚の血液、つなぎとしての小麦粉やライ麦を使います。臭い消しとしてスパイスや玉ねぎを加えることもあります。
そして、ケーシングと呼ばれる腸の表皮部分に材料を詰めて加熱調理します。
ブラッドソーセージは通常は茹でることが多いですが、ムスタマッカラの場合は焼いて調理します。
また、ムスタマッカラは傷みやすい血液を使っているため、消費期限は短めです。
長期の保存は控えて、できるだけ早めに食べるようにします。
まとめ
フィンランドのムスタマッカラは、原材料に豚肉の血を使った伝統料理の1つです。
血特有の赤黒い見た目、独特なクセはあるものの、味わいは淡白で人によっては病みつきになる美味しさと言われています。
ソースにケチャップやマスタードではなく、リンゴンベリージャムを使うのも北欧ならではの特徴です。

