フィンランド

【ユヴァスキュラ】アアルト建築と湖が調和したフィンランドの学生都市

ユヴァスキュラ
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フィンランド中南部の湖水地方には、ユヴァスキュラという都市があります。

この街は、有名な建築家によって手がけられた芸術的な施設や、教育産業が盛んなことでも知られています。周囲を壮観な湖と自然が囲んでおり、その景観も魅力の一つです。

今回は、美しい湖と建築の街、フィンランドのユヴァスキュラについて紹介していきます。

ユヴァスキュラの特徴

ユヴァスキュラは、フィンランド中南部の中央スオミ県に位置する都市で、湖水地方(レイクランド)と呼ばれるエリアに属しています。

湖水地方と呼ばれる通り、ユヴァスキュラは街の中心にパイエンネ湖をはじめ、周囲には3700近くの湖が存在しています。

また、ユヴァスキュラという都市名自体も、フィンランド・ラップランドの先住民サーミ人の言語サーミ語で、「湖」を意味する「ユヴァ」と、「村」を指す「キュラ」が合わさっています。

ユヴァスキュラは1837年に、当時のロシア皇帝ニコライ1世によって創設されました。

現在では、ユヴァスキュラ大学をはじめとする教育産業が盛んな都市として知られており、さらにアルヴァ・アアルトが手がけた建築デザインが有名です。

建築家アルヴァ・アアルトゆかりの街

アルヴァ・アアルトは、20世紀のフィンランドを代表する建築家・デザイナーであり、都市計画からガラス製品まで幅広いデザインを手がけました。

北欧のモダニズム建築の巨匠とも称され、フィンランドではかつての紙幣にもその肖像画が採用されていたほど有名です。

機能美を追求したモダンな建築デザインや、曲線を多用したガラス食器や椅子など、現在でもアアルト製品は世界で高い評価を受けています。

そして、ユヴァスキュラはアルヴァ・アアルトが最初にオフィスを構え、キャリアをスタートさせた街でもあります。

ユヴァスキュラには、アアルトが設計を担当した施設が多数存在し、アアルトのモダニズム建築が光る街並みが広がっています。

また、アルヴァ・アアルト博物館という施設もあり、建物の設計資料などアアルトに関連した展示物を見ることができます。

教育産業が発達した学生都市の一面も

ユヴァスキュラは、教育産業が盛んな学生都市としても知られています。人口は約14万人で、そのうち約5万人が学生です。

特に、ユヴァスキュラ大学は1934年に創立された名門大学で、修士号取得者の数がフィンランド国内で2番目に多い大学です。

この大学は、もともとフィンランドで最初のフィンランド語教育教師養成学校として、1863年に創設された学校が原型でした。

歴史的な背景を少し説明すると、フィンランドは12世紀から19世紀初頭まで、約700年にわたってスウェーデンに支配されていました。

そのため、フィンランドでは長らくスウェーデン語が知識層や支配階級の言語として扱われていたのです。

ユヴァスキュラ大学は、母国語であるフィンランド語の発展に寄与するとともに、その歴史や実績によって高い評価を得ています。しかし、その実績だけでなく、大学の校舎のデザインも有名です。

なんと、大学のキャンパスの建築を担当したのは、先にも紹介したアルヴァ・アアルトです。アアルトが設計を手がけたレンガ造りの校舎には、モダンな内装が施されており、大学とは思えないほど洗練されたデザインとなっています。

まとめ

ユヴァスキュラは、ユヴァスキュラ大学が牽引する学生都市であり、アアルト建築の建物の数々も特徴となっています。

また、周囲を壮大な森と湖に囲まれた静寂な雰囲気が広がっており、喧騒とは無縁の独自の魅力があると言われています。このような雰囲気は、ヘルシンキなどの都会では味わえないものです。