デンマーク

【ヒュッゲ】心地よさを大切にするデンマーク人の考え方

ヒュッゲ
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世界幸福度調査においても毎年上位にランクインするデンマークには、ヒュッゲという言葉があります。

ヒュッゲとは、心地よく暮らすことを意味するデンマーク人が大切にしている価値観です。近年、日本でも話題になっているヒュッゲには、不安が蔓延する現代において幸せに生きるためのヒントがたくさん詰まっています。

この記事では、デンマーク人が大切にしているヒュッゲという考え方について紹介していきます。

毎日の生活に行き詰まりや漠然とした不安を感じている人は、ぜひヒュッゲという、北欧デンマーク流の生き方を参考にしてみてください。

ヒュッゲとは、心地よく生きるための考え方

北欧のデンマークといえば、充実した福祉に男女平等、国民の高い幸福度が近年注目されている国です。

そしてデンマーク人の豊かな生活の背景には、「ヒュッゲ(Hygge)」と呼ばれる考え方があります。

「ヒュッゲ」は元々デンマーク語で、「心地よく過ごす空間」「楽しい時間」という意味を持ちます。現在では幅広い意味合いで使われており、あらゆるコト・モノがヒュッゲにつながります。

例えば、家族や友人との時間を楽しむこと、部屋のインテリアを整えて居心地良い空間を作ること、夜にココアを飲みながら読書をしている時に感じる幸せな瞬間を「ヒュッゲな時間」と表現することもあります。

ヒュッゲが表す意味としては、「心地よい時間」「リラックスできる暮らしや時間の使い方」「日々の生活で感じられる幸福感」があります。

その中でも、ヒュッゲの考え方で共通するのが「心地よく過ごすために丁寧な暮らしをすること」です。

ヒュッゲを大切にするデンマークの高い幸福度

ヒュッゲという価値観を大切にしているデンマークという国に対して、どのようなイメージを持っていますか?

デンマークは、税金が非常に高い一方で、社会福祉制度が充実している国として知られています。大学までの教育費は無料で、医療費もかかりません。

さらに、ジェンダー平等も先進的で、政治や経済分野で女性の社会進出が進んでおり、女性が出産後もキャリアを途切れさせずに働き続けられる環境が整備されています。

デンマークは毎年行われている世界幸福度調査でも、数年連続で上位を取り続けている国です。

世界幸福度調査とは、国連が2012年から世界150以上の国や地域を対象に毎年実施している、幸福度のランキング調査のことです。

デンマーク以外にも、スウェーデンやノルウェーなどの北欧諸国が上位を占めています。

なぜこれほどまでにデンマークで暮らす人の幸福度が高いのでしょうか?

その要因の1つと言われているのが、デンマーク人の持つヒュッゲというマインドなのです。

日本でヒュッゲが注目される理由

ヒュッゲとは、お金や地位などの物質的豊かさを追求するのではなく、人と人との繋がりや、自然との調和など、精神的な豊かさを重視する考え方です。

そしてヒュッゲという概念が、最近日本でも急速に普及しつつあります。

日本は物質的な豊かさという点で見れば、世界でもトップクラスです。街では数多くの商品やサービスが提供され、娯楽にも満ち溢れています。治安やアクセスの利便性も良く、世界的に見ても非常に恵まれた環境でしょう。

しかし、日本の物質的豊かさが、精神的な豊かさと比例しているかと言えば、疑問が残ります。

物が溢れていても心は満たされず、常に不安や焦燥感を感じている人も多いのではないでしょうか。

高い幸福度を誇る北欧のライフスタイルが注目される背景には、日本人の多くがストレスを抱え、癒しや精神的に豊かな生活への憧れがあるのだと思います。

日本でヒュッゲな暮らしを実践する方法

デンマーク人が日常的に取り入れている「ヒュッゲ」の考え方は、彼らの高い幸福度に大きく貢献していることは疑いありません。

私たちにも、デンマーク人の暮らしを参考に、ヒュッゲな過ごし方を日常で実践することができます。

以下では、ヒュッゲな生活を実践する方法をいくつかご紹介します。

人同士の温かな繋がりを大切にする

デンマークでは、仕事とプライベートのバランスが取れた生活を大切にする「ワークライフバランス」の価値観が一般的です。

ヒュッゲでも、友人や家族と過ごす時間が特に重要視されています。欧州では、友人や近所の人を招いてホームパーティを開くことも珍しくありません。

気心の知れた人たちと料理を囲み、過ごすことで幸福感を感じるのです。

また、デンマークの「ヒュッゲ」と似た習慣として、スウェーデンの「フィーカ(Fika)」があります。

フィーカ
【フィーカ】スウェーデンのコーヒー休憩スウェーデンには「Fika(フィーカ)」と呼ばれる、コーヒーブレイクの文化があります。スウェーデン人はフィーカの時間になると、一度作業の手を止めて、同僚や家族と一緒にコーヒーとお菓子を食べてリフレッシュをするのです。今回はスウェーデン人にとっては欠かせない生活習慣、フィーカについてご紹介します。...

フィーカとは、1日の合間に取るコーヒーブレイクの習慣です。

焼き菓子と一緒にコーヒーや紅茶を楽しみ、家族や友人と会話を交わします。

心に余裕と幸せを生み出すためには、やはり人と人との温かい関係が必要不可欠です。

部屋でゆっくりと過ごす

北欧に位置する高緯度の地域では冬になると日照時間が短く、夜の時間が長くなります。このため、デンマーク人にとってはインテリアを充実させ、部屋での時間を快適に過ごすことが大切なポイントとなります。

デンマークでは、キャンドルが人気のインドアアイテムとして知られており、暗い空間を穏やかな炎で照らすキャンドルは、白熱電球にはない優しい明るさがあります。

世界で最もキャンドル消費量が多い国の1つとされるデンマークでは、彼らが照明にこだわっていることがわかります。

日本でも、キャンドルは手軽に入手できますので、火の扱いに注意しつつ試してみることをお勧めします。

また、キャンドルに加えて、部屋全体のデザインにもこだわってみることが大切です。近年では、日本でもシンプルでナチュラルな北欧インテリアが注目を集めています。

淡色を基調とした優しい色合いや、木材家具のウッディで温かみのある質感が特徴の北欧インテリアは、日本の和室とも通じる部分があります。

1日の多くを部屋の中で過ごす人にとっては、インテリアを少し変えるだけでも大きな気分転換になります。

本当に大切なモノだけに囲まれて生きる

「Less is more」という言葉をご存知でしょうか。この言葉は「少ないほど良い」という意味で、20世紀のドイツ人建築家、ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエが残した言葉とされています。

この考え方は、ヒュッゲな暮らしとも繋がります。つまり、自分にとって本当に大切なものだけで暮らし、余計な物は手放すことです。

一般的には、物が多ければ多いほど豊かだと考えられています。しかし、物が増えるほど身動きが取りにくくなり、管理するコストも発生します。そこで、ミニマリスト的な考え方である「Less is more」が注目されているのかもしれません。

デンマークでも、多くの人が物を大切に扱い、必要以上に商品を購入しません。物が壊れたらすぐに新しいものを購入するのではなく、修理や手入れをして再び使用することが一般的です。そのため、部屋が溢れることもなく、常にスッキリと整理された空間で過ごすことができます。

また、1つの物を長く使うほど愛着が湧き、より大切に扱おうという気持ちも生まれます。余計な物を手放して、本当に大切なものに囲まれて生きることが、心身共に身軽で幸せな暮らしに繋がるのです。

自然と触れ合う

また、自然の中で過ごす時間を増やすのもおすすめです。

北欧をはじめとする国々は、国土の多くを森林が占め、自然が身近にあります。さらに北欧諸国では「自然享受権」という、誰もが自由に森に入って採取や探索を楽しめる権利が保証されています。

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デンマーク人の多くは休日になると気軽に近所の森に出かけ、散歩やベリー摘み、釣りや水泳といったアクティビティを楽しんで過ごすのです。

実際に自然との触れ合いがメンタルにポジティブな影響をもたらすことは、多数の研究で判明しています。

日本でヒュッゲな暮らしを実践する際には、日々の生活の中で植物と接する時間を増やすことがポイントです。

近くの森林へ散歩に出かけたり、都会で暮らしている場合は部屋のインテリアとして観葉植物を置くのも良いでしょう。

暮らしの中に緑を取り入れるだけで、心がリラックスするはずです。

まとめ

「ヒュッゲ」とは、デンマーク人が大切にする心地よい時間や過ごし方を意味する言葉です。

現代社会では仕事や勉強に追われ、心の余裕を失いがちですが、北欧デンマークのライフスタイルである「ヒュッゲ」は、本当に豊かな暮らしとは何か、そのヒントを与えてくれる言葉です。