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【ユハンヌス】フィンランドで祝う伝統的な夏至祭

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ヨーロッパや北欧では毎年、一年で最も日照時間が長くなる夏至の時期には各地でお祭りが開かれています。

フィンランドも同様に、6月下旬の土曜日には「ユハンヌス」と呼ばれる夏至祭が開催され、郊外のコテージでサウナや焚き火、料理を皆で楽しむことが恒例となっています。

今回はそんなフィンランドの夏至祭についてご紹介します。

この記事で学べること
  • フィンランドの夏至祭、ユハンヌスについて
  • ユハンヌスが現在の形になるまでの経緯
  • フィンランド人のユハンヌス時の過ごし方
  • ユハンヌスに欠かせない特別な焚き火
  • フィンランドにある夏至祭に関する言い伝え

フィンランドの夏至祭「ユハンヌス」とは?

一年の中で、日の出から日没までの時間が最も長い日である夏至。長かった冬が終わりを迎え、本格的に夏の到来を告げる区切りの日でもあります。

また、この季節にはお祭りや特別な風習など、日本をはじめ世界各地で夏至にまつわる行事も行われています。

そしてフィンランドでも、毎年6月下旬の夏至の時期に行われているのが、「ユハンヌス(Juhannus)」と呼ばれる夏至祭です。

フィンランド人にとってユハンヌスは、クリスマスに次いで重要なイベントと言われています。

夏至祭が近づくとフィンランドの国民は都市部から田舎に帰省、あるいは湖畔のコテージに移動します。

そして当日は友人や家族とバーベキューや野外での踊りを楽しみ、夜にはコッコと呼ばれる焚き火を焚いて過ごすのです。

1954年までは夏至祭の日は6月24日と決まっていましたが、以降は夏至祭はフィンランドの法律で、6月20日〜6月26日の間の土曜日と定められています。

フィンランドでは祭日の土曜日の前日、金曜日も祝日と定められており、日曜日も合わせると3連休となります。

フィンランドの国民は金曜日から夏至祭に向けて、コテージへの移動や飾り付けといった準備を始めます。

そのため夏至祭時には都市部からは人がいなくなり、休業するお店も多いとあって、さながらゴーストタウンのような閑散とした景色が広がるのだそうです。

ユハンヌスの成り立ち

フィンランドでは夏至祭は伝統的な祭事の1つとして、長年にわたり行われてきました。

元々はフィンランド神話に登場し、天候や農作物などを司る神ウッコ(Ukko)への信仰を示す行事だったとされています。

フィンランド語で雷雨を表す「Ukkonen」の由来ともなっている神様のウッコは、フィンランドでは作物の豊作には欠かせない恵の雨をもたらすと考えられていました。

そのため当時の人々は、夏至祭になると五穀豊穣や安泰を願い、ウッコに祈りを捧げたのだそうです。

夏至祭の名称も現代のようにユハンヌスではなく、「ウッコユフラ( Ukko Juhla)」、つまりウッコのお祭りと呼ばれていました。

夏至祭でのフィンランド人の過ごし方

現在の夏至祭では、神様に豊穣を願うという古くからの風習は薄れ、主に家族や友人と一緒に過ごしながら夏の訪れを祝うお祭りとなっています。

フィンランド人は夏至祭前日の金曜日くらいから、家族と過ごすために田舎に帰省したり、あるいはコテージを持っている人は仲間と共に移動します。

コテージという施設について、日本人にはあまり馴染みないかもしれません。

しかしフィンランドのコテージの保有率は世界的に見ても高く、余暇をコテージで過ごす事はごく当たり前の習慣なのです。

また、コテージを所有していない人も夏至祭にはレンタルをしたり、あるいはただ単に湖畔や自然の中で過ごす人も多いそうです。

コテージではじゃがいもやサーモンといったフィンランド伝統の食事やお酒をみんなで楽しんだり、あるいはコテージ近くの湖畔に設置されているサウナに入り、その後湖に飛び込んで涼むなどして過ごすようです。

フィンランドでは夏至の時期はちょうど白夜と言われる、一日中太陽が沈まずに深夜でも明るい季節です。

そのため夏至祭は冬が長いフィンランドにとっては貴重な、夜通し外で遊べる時期でもあります。

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深夜には「コッコ」と呼ばれる焚き火を焚く

夏至祭のメインイベントとされるのが、深夜に大きな焚き火を焚いて、皆で囲って過ごす風習です。

この焚き火は「コッコ(kokko)」と呼ばれています。

このコッコという焚き火は夏至祭において古くから続いており、今もなお残る風習となっています。

焚き火を焚く目的は、夏至を境に夜が長くなることで現れる悪魔を追い払い、一年の豊作と幸せをもたらすためとされています。

焚き火の火が大きいほど祈りの効果も高まるとも言われているようです。

夏至祭のちょっと変わった恋愛成就の言い伝え

現在の夏至祭は、大昔からフィンランドで催されていたそれとはだいぶ様変わりしたようですが、焚き火のように現在にも残っている風習も少なからず存在しています。

夏至祭の時には豊作の祈りの他にも、子孫繁栄や恋愛成就に関連した行事が行われてきました。

例えば、夏至の時期に咲く7種類の花を、夏至祭の夜に枕の下に置いて寝れば、夢の中に将来のフィアンセが現れるというもの。

他にも全裸で井戸や湖を覗き込むことで、そこに運命の人の姿が映るといった言い伝えが現在でも残っています。

まとめ

日本でも夏至の時期には、関東地方の小麦餅や関西地方のタコといった、特別な行事食を食べることで田植えした稲の成長・五穀豊穣を祈る風習があります。

フィンランドの夏至祭ユハンヌスも、形は違えど、豊作や季節の変わり目を祝う目的は変わらないのです。そう考えると、フィンランドのユハンヌスもより身近に感じるのではないでしょうか。

ABOUT ME
伊東 琢哉
宮城県仙台市に在住するフリーライターです。普段はカフェでコーヒーを飲みながら執筆活動をしています。シンプルな北欧デザインや雑貨、自然に魅了され、北欧の情報を日々ブログを通して発信しています。