デンマークの首都コペンハーゲンには、国を代表する童話作家アンデルセンが書いた物語「人魚姫」をモチーフとした銅像があります。
100年以上にわたりコペンハーゲンの街に佇む有名観光名所の一方、世界3大がっかり名所の1角にも数えられる不遇な側面もあったりします。
今回はおとぎ話好き必見の北欧デンマークコペンハーゲン名所、人魚姫の像について紹介します。
コペンハーゲンを代表する名所、人魚姫の像
北欧のデンマークの首都コペンハーゲンには、街の中心部から少し離れた運河沿いにある、「人魚姫の像」として国内外から人が訪れる有名な観光名所があります。
デンマークは童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセンの故郷としても知られており、「人魚姫の像」は、アンデルセンが1837年に出版した童話「人魚姫」をモチーフに製作されました。
一般的に私たちが思い描く人魚姫の姿は、上半身が人間、下半身が魚というイメージだと思います。
しかし、この銅像では、足先から魚の尾ひれが続き、足首から上は人間の2本の足となっています。これには理由があるのです。
銅像の歴史
人魚姫の像は約100年前の1913年に、彫刻家エドワード・エリクセンによって製作されました。
カール・ヤコブセンという人物は、銅像製作を提案し、エドワード・エリクセンに依頼をした人物でした。彼は、現在世界約150カ国で愛されているデンマーク王室御用達のビールメーカー「カールスバーグ」の創業者の息子であり、2代目社長としても有名です。
人魚姫の銅像のモデルとされているのが、劇場のプリマドンナであり人魚姫の劇でも主役を演じていたエレン・プリースです。
ただし、彼女がモデルとなったのは頭部のみで、首から下はまた別のモデルが担当しています。
理由として、ヌード姿になることを嫌がったためだとされています。
胴体部分を担当する代理のモデルとなったのは、銅像の作成者エドワード・エリクセンの妻だったエリーネ・エリクセンです。
また、銅像の人魚姫の腰から足首にかけて人間の脚になっているのは、エリーネ・エリクセンの脚があまりにも美しかったため、原作の人魚姫のように鱗で覆って隠してしまうのは勿体ないという理由からだと言われています。
なぜ世界3大がっかり名所なのか?
人魚姫の像はその美しさと知名度から、デンマークでも有数の観光スポットとなっています。
しかし、一方で「世界3大がっかり名所」という不名誉な名称がついた名所としても知られているのです。
世界3大がっかり名所には、デンマークの人魚姫の像の他に、シンガポールのマーライオン、ベルギー・ブリュッセルの小便小僧がノミネートされています。
なぜ人魚姫の像がそのような不名誉な称号を与えられているのかというと、干潮時には直接触れることができたり、それが災いして落書きや腕や首の盗難、2003年には台座が爆破されるなど、度々災難に見舞われる不遇なスポットという側面もあるためです。
中でも、皆口を揃えて言うのが「思っていたよりも小さい」ということです。
パンフレットや映像では大きく切り取られていますが、実際の全長は125cmと、小さな子どもくらいの大きさしかありません。
アメリカの自由の女神像のようなビッグサイズを期待して行ってしまうと、確かに拍子抜けしてしまうかもしれませんね。
ただ、「世界3大がっかり」というのはあくまで親しみを込めてという部分もあり、それほど身近で有名なスポットだという証拠なのでしょう。
まとめ
人魚姫の像は、デンマーク出身の童話作家クリスチャン・アンデルセンの童話を元に作成された、世界的にも有名な銅像です。
人魚姫の原作ファンはもちろん、子供時代に童話を聞いて育った人も一度は見ておきたい名所ですね。